撮影は8月3日から始まり、ひとり監督のリアリズム追求により、オールロケを敢行。長野・上田市では、劇中の舞台となる昭和の浅草の町並みを再現するという大掛かりな撮影が行われ、監督は上田市の協力に感謝しきりだった。約1カ月半の撮影を乗り越え迎えたラストカットは、主演の大泉洋によるマジックシーン。大泉は、プロのマジシャンでも難しいと言われるカードマジックを鮮やかに披露し、ひとり初監督作のクランクアップに感動の華を添えた。
クランクアップ後、ひとりは「初めてのわりには楽しんでできたのでは」と安堵。マジックシーンの撮影には苦労したようだが、「数年前、マジックバーで見たペーパーローズが浮いてバラに変わる瞬間にとても感動しました。あの感動を、観客の皆さんにも味わっていただけたら、それだけで十分です」と、語っている。
映画にはひとり自身も出演。ヒロイン役は柴咲コウが演じている。主人公は大泉演じる売れないマジシャン・轟晴夫。ホームレスとなった父の死を知り、絶望していた晴夫は、突然40年前にタイムスリップしてしまう。そこには、マジシャンだった若き日の父(ひとり)と、母(柴咲)の姿が。なぜ母は晴夫を捨てたのか。なぜ父と晴夫は不仲になってしまったのか。そこには思いもよらぬ真実と、感動の結末が待っていた。公開は来年2014年5月、全国東宝系にて。
劇団ひとりコメント
楽しかったです。クランクインのときは、地獄みたいな日々が続くのではないかと思いましたが、初めてのわりには楽しんでできたのではないかと思っています。お芝居のシーンについてはある程度想像がついたし、シミュレーションができていました。ただ、手品に関してはやるまでどうなるのかわからない、想像以上にカメラに映ると見栄えするマジックがあれば、そうでないものもある。現場で実際に見てみて、カメラマンとかなり相談しました。映画そして原作のきっかけとなりましたが、数年前、マジックバーで見たペーパーローズが浮いてバラに変わる瞬間にとても感動しました。あの感動を、観客の皆さんにも味わっていただけたら、それだけで十分です。
大泉洋コメント
劇団ひとり組は、今までで一番大変な現場でしたが、監督と晴夫を作るのは楽しい作業でした。細部にわたって演出してくれる監督は天才肌で、やりたいことが明確だったのでやりやすく、現場でもゲラゲラ笑いあってとても楽しかったです。役者としても監督としても素晴らしかったです。ただ、マジックシーンはどれもキツかったです。でも吹き替えは一切していないので、そこは自分を褒めてあげてもいいのかなと思います。鳩を出すシーンが非常に難しく、自分は今、鳩を出すのが日本一、いやひょっとしたら世界一うまい役者かもしれません(笑)。改めて役者の大変、責任の重さを突きつけられた現場でしたが、本当に出演できてよかったです。素晴らしい作品でした。
柴咲コウコメント
繊細さが1カット1カットに込められている映画で、男性が多い作品なので紅一点、華やかさを大事にしました。大泉さんは普段から面白い方なので、本番に入る前に笑いを堪えるのが大変でした(笑)。劇団ひとり監督は表情やすべてを声に出して語る方ではないので、少し不安な部分もありましが、時々褒めて下さったり、「良かったです!」と言っていただけてとても安心しました。役者としてのひとりさんとは夫婦役なのですが、キャラクターを作る上で引っ張って頂けました。
川村元気プロデューサーコメント
吹き替えなしで、全部本人でマジックをやってほしい。そんな劇団ひとり監督の期待に見事に応えた、大泉洋さんのマジックシーンの数々は圧巻でした。劇団ひとりさんも、初監督という重責を担いながら、出演も果たすという一人二役はかなり大変だったと思います。しかしそんな苦労や迷いを現場では一切見せずに、見事なリーダーシップを発揮し、いつしかキャスト・スタッフが一丸となっていきました。劇団ひとり、大泉洋、柴咲コウ、それぞれの才能と努力がかけ合わさって、素晴らしいシーンの数々が撮れました。あとはこれからはじまる編集で、劇団ひとり監督の新たな才能の発露を目撃するのが、今から楽しみです。
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