「生きていればいいことある」中川秀樹が小説に込めた思い

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先月7月末、ペナルティ・ヒデが、本名の中川秀樹名義で、初の小説「四季折々 アタシと志木の物語」(竹書房)上・下巻を発売。そこまでの道のりを語った。

「四季折々 アタシと志木の物語」を発売した中川秀樹ことペナルティ・ヒデ。

「四季折々 アタシと志木の物語」を発売した中川秀樹ことペナルティ・ヒデ。

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「20代の頃から本は書きたいと思っていた」というヒデ。サッカー、キャンプ、家電、飲食店経営と多彩な顔を持つヒデが長年育ててきた才能がまた1つ開花し、「ちゃんと種を巻けば小さくても咲くんだなと。時間かかったけど」と喜びの表情を見せた。書き始めたときはケータイで、その後はスマートフォンで執筆というスタイル。「ストレスにしたくなかったから、24時間いつでもできる遊びみたいな感覚で。トイレに行っても、電車に乗っても、楽屋にいても、空いた時間にできる。その分時間はかかりましたけど」と、自分に合った方法を選択し無理せず完走を目指した。

ストーリーは最初と最後だけ決めていたそうで、「そこまでに向かうのにどういうルートを通るのか」という作業に。「新幹線のように速いスピードで進むこともあれば、鈍行くらい遅いことも」という中で、「そんなやり方なので、恥ずかしい話なんですが、主人公の名前が途中で急に変わってて(笑)。しばらく忙しくて書けなかったあと、リスタートしたらどうも勘違いしてて。後で読み直して痛恨のミス」と、パーフェクトに見えるヒデらしからぬ一面も明かした。

文章に関してはまったくの素人だったヒデだが、書くうちにどんどん腕が上達していくのを自分でも感じたそう。「リフティングと一緒で、最初5回しかできなかったのに10回20回とできるようになるように、自然とテクニックを覚えてどんどん書けるようになって。下巻が厚いのはそのせいです(笑)」と笑いつつ、「細かいディテールを書けるようになったり、伏線を張ってみたり。その中で主人公がどうやって成長していくのか楽しみになってくるんです」と、楽しんでいた。

相方のワッキーには、本ができるまで黙っていたそうで、「ずっと誰にメールしてるんだろうって思ってたみたいですよ。本を出すってわかったときに点が線になって(笑)」と苦笑。「相方って近くて遠いというか、照れもあるし。だからできあがってから言おうと。特に僕は、6億円当たっても顔に出ないって相方から言われてるくらい隠せますから(笑)。でもやっぱり彼が一番喜んでくれてます」と語った。

本を渡した際には、「売られないように」と、カバーに「寧人君へ」というサインを付けてプレゼント。しかし本をあまり読まない相方のため「上巻読むだけで精一杯なんじゃないかな」と予想していた。また、今年は結成20年ということで、ペナルティとしても「何かアクションは起こしたいですね」という言葉も。中でもペナルティのコントライブは生ならではの躍動感が人気で、長く親しまれてきただけに、開催を期待したいところだ。

最後に、「人生って何なんだろうって考える瞬間が僕はこの42年間で何回かあって。一番大きかったのが23、24歳の頃に、第2の思春期見たいな感じで。25歳から後半に向けて30歳が見えてきた頃には、なんかちょっとモヤモヤするのがあって」と語ったヒデ。「それでも生きていればいいこともあるし、いろんな人に出会えて楽しくなるよって思ってほしいなと。これ難しい純文学とかじゃないんで、また明日から頑張ろうって前向きになってくれたらなと。街で僕に声かけてくれれば1セットずつくらいは持ち歩いてますので、手売りしますよ。消費税はサービスです」と、サービスたっぷりにメッセージを送った。

ストーリーは、主人公の松本恭子が、社長の志木護とたった2人だけの「四季」という会社で依頼者の「ある願い」を叶える。上巻には春夏、下巻には秋冬の模様が展開。上巻の帯では元FUNKY MONKEY BABYSのファンキー加藤がコメントを寄せている。

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