「ぐるぐる
「ぐるナイ」は、1991年にスタートした番組「吉本天然素材」を前身に1994年4月に放送開始されたナインティナインの冠番組。日曜夕方、関東ローカルの放送からゴールデンタイム全国ネットに進出した。
以前は体を張る企画に挑戦していたが、「グルメチキンレース・ゴチになります!」でお茶の間の人気を集めることに。手応えを感じつつも、昨年放送された特番「24時間ナイナイアップデート!!」(同局)で挑戦したバンジージャンプに反響がなかったことには「50過ぎたバンジー、需要ないんでしょうね(笑)」(矢部)と体当たり企画が求められていない昨今のムードに寂しさも感じている様子だった。年末の恒例企画「おもしろ荘」での心がけも明かし、そこには自分たちがかつて挑んでいたネタ見せでの経験がある。スタッフがクスリともしないネタ見せに嫌気がさしていたところ、関根勤の番組のネタ見せではスタッフが笑ってくれたと回想した。
次回4月4日(木)の放送は30周年を記念する2時間スペシャル。ゲストには22年ぶりの登場となる中居正広を迎え、「ゴチになります!」を実施する。22年前にピタリ賞を獲得した中居は、今回も当てることができるのか。また過去の名シーンを公開。当時の企画にも挑戦する。
ナインティナイン コメント
──30周年を迎えた心境は?
矢部:歳取ったなあっていう(笑)。24、25歳でやらせてもらっているので、考えられへんなと。すごい覚えているのが、ゴールデンの放送になると大御所の方がゲストで来ていただけるようになったんですが、自分になんの説得力もないので、いつも違和感を持ちながら、でも必死のほうが勝っていたことを思い出しますね。もがいてたな、と。
岡村:(始まったときは)天然素材のメンバーのバッシングもすごかったですけど(笑)、いろんな人に支えていただきながら、かわいがっていただきながら、これだけ続いた。この「ぐるナイ」でいろんなビッグな先輩方と絡ませていただくようになりました。武田鉄矢さんとお仕事させていただいたときに、「この人は金八先生じゃないんだな」とわかったというか。「憧れの金八先生と仕事できるんだ」と思ってご挨拶に行ったら「あっ」って言われただけで(笑)。芸能界をどんどん見ていくような瞬間も多々あって、がんばらせていただくうちに先輩方にも認めていただいたなと思っています。
──2人にとって「ぐるナイ」はどんな番組?
矢部:夕方時代から入れたら22歳と23歳からやらせてもらっている。もう終わっていてもおかしくないんですけど、まだ当たり前になってる。昔からのスタッフも数人いるけど、ほとんど若いスタッフになっていて。なんでしょうね……不思議ですね。ほかの番組はほぼ終わっていて、ぐるナイと、あとラジオくらい。よくネットニュースで「もう終わってもいい長寿番組」みたいな特集があるけど、ここまで来たらそこに載らないことを目標に。「まだやってるの? すごいなあ」っていつまでも言われる番組でありたいと思いますね。
岡村:「めちゃイケ」(フジテレビ)より「ぐるナイ」のほうが先終わるやろうなと思っていましたけど(笑)、「めちゃイケ」が先に終わって。我々52、53歳になって、若い方たちと絡ませていただいて(視聴者に)観ていただいているのはありがたい。「ぐるナイ」で「テレビ」というものを教えてもらった。始まった当時は若くて何もわからなかったんですけど、ロケのときにみんなでわちゃわちゃしゃべってもダメでしょ、と。いくら面白いことを言ってもみんなでしゃべっていたら残らない。まず1つ「あの」と言ってカメラをこっちに向けるとか、そういう技術を覚えなさいと指導してもらったのはこの番組。テレビのことを教えていただいたのは「ぐるぐるナインティナイン」だったなって思います。
──昔は攻めた企画が多かったが、今お茶の間に安心して観てもらえる番組になっている理由は?
矢部:やっぱり「ゴチになります」は大きい。若かったので、最初は「座って、食事して、値段当てるだけ。これでいいのか?」と思っていた。でも、お笑いが大好きな人だけが観ているんじゃないっていうのを「ゴチ」を通して知れましたし、「ゴチ」があるからまだ続いてるのは間違いない。最初は「ゴチ」に特別感はなかった。以前は体を張ってばかりだったので、どっちかと言うと楽な企画だった。何気ないワンコーナーでしたね。
岡村:若手ですし、20代で笑いのセンスがあるわけでもなかったので、「体を張らせてほしい」とそっちに比重を置いてたんですが、数字も上がらないし、何をしたらいいんだ、となっていた。当時は番組の会議に参加していて、オウム対決(ナイナイの2人それぞれでオウムを飼い、どちらが先にしゃべらせることができるか)とか、やりたい企画もやらせてもらっていた中、始まった「ゴチ」。僕も、これで面白いのか、食べるだけでいいのかと思っていたんですが、いろんな方に声をかけてもらえたのは「ゴチ」でしたし、間違いなく「ぐるぐるナインティナイン」といえば「ゴチ」になっている。食べる間に面白いことを言えるようにとがんばってはいますけど、必要ないっちゃ必要ない(笑)。そこはせめぎあい。コメント残してもらえるようにがんばっている。今でも体張り系の企画をやってくださいと言われれば全然やれますけどね。
矢部:(別の)特番で2人で抱き合ってバンジーをやったんですけど、あのオンエアに関して、何にも言われないですからね。けっこう久しぶりに体を張ったと思ったけど、「ゴチ、クビになりましたね」のほうが言われる。
岡村:あれ誰にも言わないなあ。SNS にも「バンジー」の「バ」の字も出てこない。
矢部:50過ぎたバンジー、需要ないんでしょうね(笑)。自分たちで懐かしいなっていうのはあったけど、「こんなんいらんねや……」って思いました。
──「ゴチ」はガチ自腹が見どころ。その最終ジャッジをしたのはナイナイさん?
岡村:違います!(笑)
矢部:どんな会話をしたか覚えてない。
岡村:ただ、やるんやったらガチじゃないと面白くないと言ったかもしれないけど、僕は返ってくるもんやと思ってましたから。やっぱ、高いじゃないですか(笑)。
矢部:言わないにせよ、どっかでドン!とギャラが入っているとか。みたいなのはうっすら期待してました(笑)。そしたらほんまに入ってこないので、「あ、これはガチなんや」って僕らも何年かしてから思ったかもしれないですね。そのつもりやったらわかった、と。
岡村:言ったかもわからないけど、「冗談やん?」みたいな。「言うても返ってくるやんな?」の期待はあったと思います。
矢部:「返してくださいよ」はカッコ悪いじゃないですか。だから、言えなかったっていうのが正しいかもしれないです。(ガチ)だから、あの顔ができるのかもしれないですね。泣いちゃう人もいるし。本気やからあの表情が引き出されると、今となっては思います。
──もう1つの人気企画「おもしろ荘」では若手を見守る立場。心がけていることは?
岡村:「ぐるナイ」の前身は「天然素材」。後楽園ホールのロビーでネタ見せがあったんですが、スタッフさん、まあ誰もクスリともしない。そのネタ見せの空気がものすごい嫌だった。後日、関根(勤)さんがやっていらっしゃる「ヒューヒュー」(日本テレビ)という番組に呼ばれて、ネタやってくださいと言われたんですけど「嫌やな、どうせまた誰も笑ってくれへんのやろうな」と思ったら、めちゃくちゃ笑ってくれたんです。たぶん、関根さんが言ってくれていたんだと思います。笑ってくれたらこっちの気持ちも乗るじゃないですか。そういうのもあって、面白いと思ったら普通に笑ってますし、意地悪なことももちろんしませんし。それだけですね。
矢部:後説(ネタ後のトーク)込みの「おもしろ荘」だと思います。ネタよりフリートークのほうが面白い芸人さんもいるので、(笑いが来るまで)待つのかもしれないです。チャイムが鳴るまでは、なんとか引き出そうと。
岡村:あと、僕は「おもしろ荘出身」っていう上からの言い方が嫌ですね。「おもしろ荘“にも”出ていた、誰々」でいいのに、すぐ「うちが見つけました!」みたいな感じで手柄にしようとするのが、ちょっと言い過ぎじゃない?って思ってしまいます(笑)。
ぐるぐるナインティナイン 30周年SP
日本テレビ系 2024年4月4日(木)19:00~21:00
<出演者>
ナインティナイン
ゴチになります!25:増田貴久(NEWS) / 小芝風花 / 見取り図・盛山 / 高橋文哉 / やす子
VIPチャレンジャー:中居正広
進行:羽鳥慎一
記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
NEWS @NEWS_0
「ぐるナイ」放送30周年をナイナイが回想、岡村「“テレビ”を教えてもらった」矢部「もがいていた」(コメントあり) https://t.co/nZX7vHrsI0