吉本新喜劇、上海の観客を沸かす「笑いは世界共通」

11月11日、12日に中国・上海で開催中の「第9回上海国際コメディフェスティバル」にて吉本新喜劇が上演された。舞台の横には中国語字幕が流れるモニターが設置され、観客は字幕を追いながら笑いあり涙ありのストーリーを鑑賞。客席を巻き込む演出や参加型ゲームなどもあり、会場一体となって盛り上がった。

吉本新喜劇は2019年、同フェスティバル（第5回）のオープニング作品として参加し、今回が4年ぶりの上演。座長は吉本新喜劇座員総選挙で2連覇を達成したアキが務め、「嵐を呼ぶスパッツ男」を披露した。「たこ焼き2つで1000万円です」のセリフでコケるシーン、怒るとイカが出てくるといったシュールな演出、アキ助（アキ）とたこ焼き屋（瀧見信行）が無言で延々と向き合う独特の間には、「理由もなく吹き出してしまった」という来場者の声もあったという。中国語でのアドリブやダンス、観客のウェーブを取り入れた演出で子供たちも歓声を上げた。

12日の公演終了後にはアキと末成映薫、西川忠志が囲み取材に応じ、アキは「とても勉強になった。最初から最後までずっと楽しかったです」とコメント。過去に海外公演も多く経験している末成は「やはり笑いは世界共通だと思いました。上海だけでなく世界中をまわって、皆さんに笑っていただきたいなという気持ちになりました」と語る。日本以外で新喜劇を演じるのは初めてだったという西川は「ステージを観て笑ってほろりとすることは万国共通なのだと思いました。これからも何度もやらせていただきたいです」と話した。

上海国際コメディフェスティバルは「上海国際芸術節」の期間中に行われるプロジェクト。今年は10月7日から12月31日まで開催され、オランダ、ポーランド、ロシアなどから40以上の作品、計200公演が期間中に実施される。吉本興業は、吉本新喜劇のほか、ライスらが出演する「コントの回」、とにかく明るい安村らが出演する「バラエティショーの回」、ギャロップらが出演する「漫才の回」を展開。さらに陣内智則のアジアツアー「Unlimited」上海公演もこの「上海国際コメディフェスティバル」の一環として行う。