トム・ブラウン、4度の延期乗り越え無人島単独ライブ大成功！実は7本目で揉めていた

トム・ブラウンが4月14日、神奈川・横須賀市にある無人島 猿島で「がちょん十郎 ツアーファイナルin無人島 スーパーソーシャルディスタンス単独ライブ SSDT」を開催した。

この無人島公演は、2021年のツアーの最終公演として計画されていたもの。新型コロナの流行や台風の影響で4度延期され、2年越しに実現した。「スーパーソーシャルディスタンス」というのも、猿島に降り立つのはトム・ブラウンだけ。観客は対岸となる横須賀市のうみかぜ公園の芝生からオペラグラスを用い、十分に距離を取って彼らの姿を確認する。「（天候によっては）見えない可能性大」と注意書きがあった理由はこのためだ。

迎えた当日、天気は曇り。海沿いとあって強風が吹きすさぶが、雨は予報通りなんとか明日まで待ってくれそうだった。“客席“には、抽選で当たった幸運な20名のうち8名がシートやアウトドア用の折りたたみチェアを持参して着席。一様にオペラグラスを覗いて島に目を凝らしている小さな集団に、何も知らない一般の公園利用者が不思議そうにちらっと視線を送って通り過ぎていく。開場中はみちおが歌うサカナクション「新宝島」が繰り返し流され、開演に向けて通常のお笑いライブのように音量が上がっていくと会場の熱気もぐっと高まった。

顔面に包帯を巻いた謎の男・ワイフダブルダッチ漆山がナビゲーターを務め、瞬間移動でこちらとあちらを行き来しながらこの“奇跡”をガイドすると説明。そしてどうやら猿島のほうでオープニングコントが披露されたところで、ペッパーくんがタブレットでオープニングVTRを上映する。その画面はサイズが小さいうえに反射してしまい、観客はペッパーくんを取り囲むようにして映像を見つめた。

ここから漫才5本、コント2本が披露され、シークレットゲストも登場。ツアーの最終公演にふさわしい充実の内容だった。セリフこそ届いてこなかったが、全力でパフォーマンスするトム・ブラウンのダイナミックな動きに、オペラグラスと配布されたネタ台本を手にした観客たちからは笑い声が。また観客8名は、みちおの姉による音声ネタガイドでは東京でがんばっている弟への思いを聞いてしみじみし、グッズの即売会で中島みゆき「糸」を熱唱する作家・川瀬氏には温かい拍手。強風にあおられながら、決して快適な環境ではない会場で約2時間にわたるライブを堪能した。

終演後、猿島をあとにしフェリーで三笠ターミナルに到着したトム・ブラウンに感想を聞くと、「できてよかったですねえ……」（布川）、「ようやく開催できました」（みちお）と5度目の正直でようやく無人島公演を果たせたことに安堵の表情。島からもお客さんと思しき集団が“いる“というのは色味で感じられたといい、布川は「熱量は伝わってきました」、みちおは「ライブが終わる直前に太陽が差してきたんです。お客さんが笑ってくれて雲が晴れ、日が差したんだなっていうのは完全にわかった」と話す。

「ネタは2本、3本にしとけばよかった。7本やったら体がボロボロ（笑）」とクタクタのみちお。最後のネタを間違えてしまったと振り返るが、観客席からは一切わからなかった。しかし布川はそれを許さず、ネタ中にケンカしたそう。布川が「ネタを早く終わらせようとしている感があったので、1分くらい揉めてました。みなさん気づいてくれてたらうれしいです（笑）」と期待する一方、みちおは「砂浜とは言え、辺りに岩とかあるから本当に危なかった（笑）。間違えちゃっただけなんですけど、『手を抜いてるな!?』って言い出して。布川がキレすぎて怖かったです」と身の危険を感じるほどだったと振り返った。

コントで使った生ハムをトンビに取られるなどのハプニングは島ならでは。改めてみちおは「やってよかった。大成功だと思います」、布川は「アーカイブでなんでも観られる時代だけど、よくない部分もあると思っていて。そのときにしか観られないものにはできたかなと思います」と満足げに語った。

なお、トム・ブラウンは「トム・ブラウン全国六大都市ツアー2023『がちょん十二郎』～がちょんソレソレライブ2 パート2 そして伝説へ…パート2 NEXT HORIZON 広島死闘編 VSウエストランド パート2 Heven's Drive in渋谷無限大ホール振り込め詐欺集団大暴露スペシャルin東京ドーム 千秋楽 大晦日だよ！全員集合！ありがとう平成 びっくり熱血新記録はるかなる金メダル Change Your Mind 神々のトライフォース 第3次ベビーブーム ワイン肉バルの歓喜～」を5月に開始。山形、長崎、岐阜、北海道、山口、東京の全国6会場を巡る。この公演も配信はないので、「その場だけの楽しみ」を味わいに足を運んでみては。