昨日1月27日、東京・武蔵野公会堂で
溜口が歌にコント、自ら演出する芝居といった多彩な芸や、自身が食事するところを見せてファンを楽しませる「溜口スーパーディナーショー」。めくるめく別世界へといざなうこのシリーズは2017年10月の第1回から5年を迎え、さまざまな演目で多くの人を虜にしてきた。今回の「溜口スーパー生誕ショー」は昨年から行われている「3部作」のラストを飾る、ホール公演。所属事務所ASH&Dの芸人みんなを巻き込んだ、溜口38歳の生誕ショー開催を巡る大騒動を賑やかに展開した。
まずは相方・塚本の家。チャイムを鳴らしても出てこない。耳をそばだてるとカタカタカタカタ……という音が。「塚本ミシン」の作業に没頭しているようだったが、糸を巻いたボビンをエサにしておびき出すことに成功した。続く
あらゆるものを食べていつも以上に巨大化してしまった尾関とも合流でき、一同は江里子の道案内でいざ生誕ショー会場へ。なにやら薄暗い場所に到着すると、「杉並区長」という大きな野望を密かに抱く江里子の態度が豹変して……。
忙しい合間を縫って稽古に参加し、物語の重要な鍵を握るこの悪役を見事に演じきった阿佐ヶ谷姉妹・江里子。「かもめが翔んだ日」を1人で歌い上げる歌唱力、情緒の変化が激しいキャラになりきる演技力だけでなく、力強いソプラノボイス、ピストルやドスを構えての大立ち回りで客席を引き付ける。主役の溜口も負けておらず、要所要所で披露する歌や独特なセリフで観客を飽きさせない。和装に衣装チェンジして敵をバッサバッサと斬っていくさまはさながら新宿コマ劇場に立つ大衆演劇の大スター。ほかのキャストが見せ場の土台を固める中、2人は見応え十分な決死のバトルを演じてみせた。
江里子を悪から目覚めさせようとその身を投げ出した溜口が息を吹き返すことはなく、悲しみに包まれながら生誕ショーは主役不在で行われた。江里子が野望を叶えるためにくすねていたロウソクはきちんと1本ずつ配られ、それぞれが溜口へのメッセージと祈りを込めてロウソクの火を吹き消す。しんみりしては溜口らしくないと、大竹涼太ASH&D社長によるピアノ伴奏、そして高佐のハープ、塚本のアサラト演奏のもと、全員で「空も飛べるはず」を歌唱。続けて「ココロオドル」をノリノリで熱唱していると、レオタード姿の溜口が。ロウソクを吹き消す際の願いが通じたようで、溜口は華麗なダンスを舞って復活の喜びを表現した。
物語はここで終幕。エンディングに再登場した一同の笑顔からは充実感が漂い、来場者も満たされた気持ちを大きな拍手で伝える。一度冷静になり、「みなさんは帰って、『今日、何を観に行ったよ』って言うんですか?(笑)」と問いかける溜口。準備の大変さから「これが最後」と毎度のように述べつつ、「できれば明治座とかで……」と大きな目標も口にし、レギュラーメンバーは「5大都市ツアーを」「10周年を目指そう」と希望を明かした。出演者全員が個性を発揮し、力を合せて成功させた今回の公演。彼らがいずれまた一堂に会することを期待しながら、それぞれの活躍に注目しよう。
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溜口佑太朗(ラブレターズ) @loveletterztame
いつ終わってもおかしくないイベントなので、いつか行きたいなぁは危険!
本音はもっと沢山の方に観て欲しかった…!
それくらいゲストさんもスタッフさんも完璧でした!
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