展示しているのは、初公開するイラスト12点と、今年夏に新宿アルタでの展示のために描いた1点の合計13点。これまではライブのポスターなどテーマに沿ったイラストばかりを描いてきたという中野は、「今回は趣味全開。ただ、大公開するとなるとちょっと恥ずかしいです(笑)。ドキドキもありつつ、ワクワクもありつつ、という感じ」と心境を明かす。「自分はこういう絵柄だ、というのが今までなくて、タッチを先に決めてから描くことが多かった。自分が描いていて楽しいのはどういう絵なのか、どういう絵が喜んでもらえるのか、今回の個展でそれを見つけたい。今後は『こういう絵を描くから』という理由でお声がけいただけたらいいなって思っています」と展望も明かした。
この個展は蛙亭の10周年を記念して行われているもの。中野が芸人に憧れたのは中学3年のときに観た「リンカーン」(TBS)がきっかけで、「楽しそうだな、やってみたいなと思いました。(その職業に)なる人って、『なる』と決めた人なんだろうと思って、『なる』と決めちゃえばなれるのかなと。芸人なんて別世界というイメージだったんですが、『なる』と決めて、飛び込んでみたいなと思いました」と回想する。それからマンガ家やイラストレーターといった選択肢はなくなり、「芸人」一択になった。
中野は「芸歴10年を超えた頃に東京にいるなんてビジョンは描いていませんでした。目の前のことばっかりやってきて、気がついたら10年。とは言えあっという間ではないんですが、10年でいろいろやらせてもらった中で、イラストの部分ではこの個展が一旦の集大成」と話す。大阪・よしもと漫才劇場を拠点にしていた頃はマユリカ中谷、kento fukayaと“お絵かき芸人”として活動。毎週土日に来場者の似顔絵を描き、「絵の勉強をしたことがなかったので、すごい成長するんだなとお絵かき芸人の活動を通じて知りました」。「マンゲキでやってきた似顔絵も大きいですし、シャンプーハット恋さんのマンガなどのアシスタントもやらせていただいたり、芸人ならではの絵の仕事の遍歴がすごく糧になってます」としみじみ語った。
相方・イワクラの写真展「だいすきなひとたち」と同時開催されている「お初です、わこつ!」は11月23日(水・祝)まで。入場無料なので気軽に足を運んでみては。会場では中野のイラストやイワクラの写真をデザインしたグッズも販売されている。
蛙亭10周年記念個展「蛙亭中野イラスト展 お初です、わこつ!」「蛙亭イワクラ写真展 だいすきなひとたち」
開催期間:2022年11月19日(土)~11月23日(水・祝)
時間:11:00~20:00
会場:東京・渋谷モディ1Fイベントスペース
入場料:無料
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お笑いナタリー @owarai_natalie
【イベントレポート】蛙亭中野「趣味全開」の初個展にドキドキ、マンゲキお絵かき芸人が糧になった
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