これはパルコと吉本興業が立ち上げた新たなライブイベント「コトバノオト」の第1弾として実施されたもの。オズワルドがT字路sの楽曲「これさえあれば」を出囃子にしていることから2組の共演はこれまでも何度か機会があったが、ツーマンライブという形で同じ時間を共にするのは今回が初めてで、それぞれのステージだけでなくお笑いコーナーや4人のユニット・オズ路sでのセッション、来場者参加型の新曲作りなど、互いのジャンルをまぜこぜにしたコラボレーションを楽しんだ。
まず前説的にステージに姿を現したのはオズワルド。畠中が「みなさん盛り上がってますかー!?」とフロアを煽ってアーティスト体験を満喫すると、「二度とやるなよ?」と注意した伊藤も促されて「盛り上がってるかー!?」と拳を突き上げる。以前、T字路sのワンマンライブにシークレットゲストとして出演した際に「鼻血が出るほどスベった」というおなじみのエピソードを語ったあと、T字路sに最初に挨拶した場所がここ渋谷クアトロだったことを回想。「そこから何年も経ってここでツーマンライブができるなんて、たまらないですよ」と噛み締めた。
会場が十分に温まったところで、「それではトップバッター、T字路sー!」とお笑いライブでのどなりのように呼び込まれたT字路sがライブを展開。「ほら!ここがオズワルドさんち!」(TBSラジオ)のエンディング曲になっている「その日暮らし」や、畠中も好きな中島みゆきの「ホームにて」のカバーなどをパワフルに披露した。
MCではオズワルドが話していたシークレットゲストの話題に触れ、「あの経験がオズワルドを強くした。あのとき彼らを育てようと笑うのを我慢してくれたT字路sのお客さんにありがとうと言いたいです(笑)」と笑わせつつ、「彼らの真摯に挑み続ける姿を尊敬しているし、大好き」と改めて今回のツーマンライブの実現を喜ぶ。そしてラストの「これさえあれば」の演奏と入れ替わりでオズワルドがセンターマイクの前に再登場。畠中得意の歌も交えた約20分の長尺漫才で音楽ファンも沸かせた。
続いては4人が“オズ路s”として畠中作詞・作曲の「コンビニエンスマン」をパフォーマンスすることに。ギターを始めて2年、クアトロの舞台に立った最速の男だと自負する畠中に、T字路sの伊東妙子が「クアトロは本当に憧れの箱で、私はクアトロでワンマンやったとき終わったあと号泣した。そのセンターに2年で立ちやがって!(笑)」と檄を飛ばしていざ演奏スタート。手持ち無沙汰な伊藤の不審な動きに笑いも起きたが、観客は胸に染み入るようなその歌にじっくりと耳を傾ける。歌い終えた畠中は、「夢のような時間でした」と感激の様子。伊藤は「よかったなあ? お前ずっと1人で寂しく弾いてたんだもんな?」と子供をあやすような口調で言葉をかけた。
来場者から開演前に募っていた言葉を抽選ボックスから引き、その言葉を歌詞に使った新曲作りに挑戦するコーナーでは、T字路sが簡単な打ち合わせでメロディを決めていったり、畠中や伊東がその場で出た言葉をうまく繋いで魅力的な歌詞に仕上げていったりするさまに会場からは感嘆の声が上がる。なんの楽器も持たない伊藤が3人の輪に入れず「ねえ!?」とスネてしまう場面もありながら、「風~修行僧~」と題した楽曲が見事完成。充実のプログラムをすべて終えた4人は「これで全国回れる」「おいしいものを食べに行きたい」と今後の展開に期待も。畠中は「ずっとこの時間が続けばいいのに。終わりたくなかった」と名残惜しそうに語っていた。
終演後、2組に話を聞くと「いい化学反応が起きた」と充実感でいっぱいの様子。畠中は「本当に気持ちよかった。『俺はこれなのかも』って思っちゃいました」とステージで音楽をパフォーマンスした快感に浸り、「こいつの音楽の力がどんどん覚醒していった感覚があった。これ以上アーティストに会わせるわけにはいかない」と伊藤を焦らせた。ライブの中では、畠中が初めて作った「コンビニエンスマン」が11月2日発売のT字路sのカバーアルバム「COVER JUNGLE2」に収録されることが明らかに。畠中は「夢としても想像つかないこと。自分の息子が親元を離れて、医者になった、みたいな感じ」とその心境を語った。
このツーマンライブは、FANY Online Ticketで9月13日(火)まで見逃し配信中。また「コトバノオト #2 -眉村ちあき×そいつどいつー」は11月8日(火)に同会場で開催される。
オズワルド&T字路s コメント
──まずはご感想を。
伊東妙子:このお話が来たときは「そんなことできるの? うれしい!」と喜んでいて、あっという間に今日を迎えました。音楽好きの人にもお笑い好きの人にも楽しんでいただける、すごくいい化学反応が起きたんじゃないかなと思います。オズワルドは大好きな2人で、とても楽しく、最高のひとときでした。
篠田智仁:出会いの場所でツーマンをやれたこともうれしいし、あのときから今までのオズワルドの活躍を見ていて僕たちもがんばらなきゃなという気持ちになっていて、そして今日同じ舞台に立って化学反応が起きたことがすごくうれしかったです。(オズ路sで作った新曲は)こういう場じゃないとできない曲ですよね。自分たちだけでも、お笑いの人たちだけでやってもできないと思うので、このライブだからこそああいう奇跡の曲が生まれたと思います。
オズワルド畠中:出囃子に使わせてもらってますし、普段から聴いている大好きなT字路sさんといろんな仕事をやらせてもらえるのはすごく不思議な感覚なんです。さらに今日一緒にライブやって、一緒に演奏できて歌えたっていうのは贅沢の極み。「神様にお願いして想像できる一番の贅沢はなんですか」と聞かれたらこれなんじゃないかというくらい信じられない、とんでもないことをやらせてもらった。
オズワルド伊藤:初めて会わせてもらったのがこのクアトロで、感慨深いものもあるんですけど、そもそも「これさえあれば」を出囃子にしたいって言ったのは僕なんですよ。にもかかわらず、(畠中だけが)音楽で通じ合って、勝手にセッションして……。混ぜてはもらったんですけど、僕は自分の存在価値を見出すのに必死でした。
──畠中さん作の「コンビニエンスマン」がカバーアルバムに収録されリリースされます。
伊東:私は「詞がいいな」と思った曲を歌いたい、カバーしたいと思うんですけど、「コンビニエンスマン」は詞がいいうえに、メロディもめっちゃいい。神曲だと思ってます。
畠中:夢としても想像つかないことです。2年前くらいにギターを始めて、ルームシェアしている中で後輩と一緒に遊びの感覚で作ってみた曲。詞は本当に思っていることを書いたけど、なんとなく作った曲がこんなふうになるとは。自分の息子が親元を離れて、医者になった、みたいな感じです。
──畠中さんが作る曲を当初から評価していた伊藤さんから見て、今日のステージで畠中さんの音楽的な才能を改めてどう感じましたか?
伊藤:お笑いも演技も、本物の人と触れ合うことでどんどん上手くなっていくことってあると思うんですが、今日T字路sさんとやらせてもらっている中で、こいつの音楽の力がどんどん覚醒していった感覚があった。これ以上アーティストに会わせるわけにはいかないなと思いました。
畠中:こんなにがっちり音楽のステージで歌わせてもらって、しかもT字路sさんと一緒にっていうのは初めてなので、本当に気持ちよかった。練習は不安だったんですけど、今日演奏していたらどんどん気持ちよくなって、「俺はこれなのかも」って思っちゃいました。
──T字路sのお二人はお笑いコーナーにも挑戦しました。
篠田:新鮮だったよね。
伊東:笑ってくれるのってうれしいんだなって思いました。
畠中:お二人のこういう姿ってあまり見ないと思うので、T字路sさんのお客さんもうれしかったんじゃないかなと思います。
伊藤:お前は普段お笑いで、今日は音楽の要素たくさん取り入れてたかもしれないけど、俺は9.5割お笑いだったんだよ。
畠中:トライアングル1発が0.5割?
伊藤:あれはお笑いだから!
伊東:音楽ってすき間が大事だよねってよく話すんです。私たちは2人組だから特にすき間を大事にして音楽の世界を作っていて。(伊藤は)すき間でした。
篠田:間の天才だと思いました。
伊藤:いやいや、やんややんや言ってただけなんですよ(笑)。
パルコ×吉本興業presents「コトバノオト #1 -T字路s×オズワルドー」(配信)
配信サイト:FANY Online Ticket
視聴期間:9月13日(火)19:00まで
販売期間:9月13日(火)12:00まで
料金:2000円
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よしもとライブ @shumatsu_y
信じられないくらい凄いライブでした
これは一つの完成形です
オンラインで
9/13 19:00まで視聴可能
9/13 12:00まで購入可能
ですので是非!
チケットこちらです
https://t.co/SXDjKaWcYg
#T字路s
#オズワルド https://t.co/vXCg09cj3B