そいつどいつがKOC初の決勝へ、今年のネタは去年とめちゃくちゃ変わった

10月2日（土）に生放送される「キングオブコント2021」（TBS系）のファイナリスト10組が先日囲み取材に応じた。本日はそいつどいつのコメントを紹介する。

そいつどいつは初の決勝進出。決勝には彼らのほか、うるとらブギーズ、蛙亭、空気階段、ザ・マミィ、ジェラードン、男性ブランコ、ニッポンの社長、ニューヨーク、マヂカルラブリーが登場する。

そいつどいつ コメント

──初の決勝進出を決めた喜びの声を聞かせてください。

松本竹馬：夢のようです。人生で一番うれしい瞬間。KOCファイナリストの肩書きが欲しくてずっとコントをやっていて、ようやくその肩書きを手に入れることができて、一人前になれたかなという感じです。

市川刺身：めっちゃうれしいです。2年前に初めて準決勝に行かせてもらったとき、「もしかしたら決勝あるかも？」という手応えを感じていて、結局ダメで、やっとこさ行けました。

──お二人が決勝進出を泣いて喜んだという話を聞きました。

松本：うれし涙は人生で流したことがなかった。俺も人間なんだなって思いました。

市川：昔の話になるんですけど、劇場のピラミッドが一番下でライブも月1本だったとき、高円寺でお客さんを無料で呼ぶライブがあって、1人も来ないこともあったんです。ネタを見てくれた作家さんに「ウケ弱かったな」って言われたんですけど、お客さん、誰も見ていない（笑）。諦めないでよかった。

松本：おばたのお兄さんとか、ひょっこりはんとか、同期がどんどんテレビに出て、バズっているのを見てきた。俺らもSNSとかでバズったほうが早いんじゃないかというのもあったので、やっと認められた。結果が出ないから仲が悪くなることもあったけど、「決勝！」ってなって抱き合いました。

市川：けっこうケンカすることがあって、解散とかせず、匙を投げないで向き合ってやってきたね。一昨年はKOC準決勝や「おもしろ荘」に行けたけど、去年がマジでしんどかった。決勝進出で、北九州にいる相方のお母さんの顔が浮かびました（笑）。

──決勝後に芸人として、どんな姿になっているのが理想でしょうか？

松本：決勝に出るだけじゃ満足できない体になっているので、優勝を目指します。Twitterで「来てください」とか告知しないで単独ライブが売れるようになりたいです。

市川：おばたのお兄さんに告知してもらうこともあったね。マジで優しかった。すごくいい奴なんですよ。

松本：自分たちだけで単独ライブをしてチケット即完するのがいい。一番コントが好きなので、コントだけで生活できるようになったら、テレビは出ても出んでもいいくらいです。

市川：これからテレビ出るのに（笑）。

松本：コントで生きていけるようになったら、テレビにも緊張せずに臨める。「そいつどいつといえばコント」という軸を作りたい。

──今年、これまでの戦い方と違った点は？

松本：一昨年に準決勝まで行けて、去年の準々決勝では「勝てるネタをしよう」と。それなりにウケたと思ったけど、審査員の方には刺さらずに落ちちゃって。コントなのにNON STYLEさんの漫才くらいボケる台本だったんです。5分間に28個くらいで、それも全部小ボケ。僕がそのネタを相方に渡したんですけど、しんどそうで。KOCで落ちたあとに話し合ったら相方もきついことを言ってきて、それはそれで僕も腹立ってケンカしたんですけど（笑）。

市川：それで1年くらいキレてました。

松本：今年は「自分たちが面白いと思うことをやろう」ってなってネタを作って相方に見せたときに相方が笑った。今年のネタは相方が「楽しい、面白い」と言ったのでこれで行こうと。去年と比べたらめちゃくちゃ変わったと思います。

市川：去年のネタは「呼吸が続くかどうか」という課題があって。ブレスするところがないくらいしゃべらなきゃいけなかった。

松本：ネタが面白いと相方も乗る。グルーヴ感が出るというか。相方からもネタを提案してきて、2人で乗れたなと。独りよがりじゃなくなった。

市川：相方の「これオモロいんだぞ」っていうのが面白かった。僕から見て、ネタを説明してくるときの相方はいいなって思って。僕もやっていて楽しかったです。

──ファイナリスト10組にはお二人と仲のいいメンバーも多いと聞きます。そのあたりも含めて、決勝に向けて楽しみなことは？

松本：渋谷の∞ホールでライブを毎日のようにやっていて、決勝に出るのはザ・マミィ以外、全員そのメンバー（笑）。「今回のファイナリスト全員が出てるライブ、あったよな？」って。仲がよすぎて楽屋では緊張しないのでリラックスして本番に臨めるんじゃないか、というのが半分、リラックスしすぎてみんなヘラヘラして終わるんじゃないかというのが半分。ダウンタウンさんがいるから緊張はすると思うんですけど。

市川：僕は高円寺に住んでいるのを公言していて、（同じ高円寺芸人の）空気階段もぐらさん、ニューヨーク嶋佐さん、マヂカルラブリー村上さん、鬼越トマホーク坂井さんとごはんに行ったときに「みんなで行けたらいいな」と言っていたのが実現してうれしい。去年は僕らが準々決勝で落ちて空気階段さんとニューヨークさんが決勝に行かれて「おめでとう」ってみんなで言っていたら、嶋佐さんが「来年は絶対行ける」って言ってくれて「おしょうゆ」と書かれたTシャツを買ってくれて、準決勝2日目に（私服で）それを着ました。その姿で嶋佐さんに会えたのもうれしくて熱くなりました。高円寺の仲間が多いので決勝の楽屋が楽しみです。

──最後に意気込みを聞かせてください。

松本：ようやくここまで来ました。でも、もう一個、夢見させてください。優勝です。ありがとうございます。

市川：絶対に優勝して、劇場をお客さんいっぱいにします。