おぎやはぎ＆劇団ひとり「ゴッドタン」に隠し事ない、つい熱くなっちゃう「語れるBAR」

9月23日（木・祝）に「ゴッドタン」（テレビ東京）発の配信ライブ「お笑いを存分に語りまくれるBAR～俺のお笑い青春事件ベスト3～」が開催されるのは既報の通り。これに先立って、お笑いナタリーではMCのおぎやはぎ、劇団ひとりにインタビューを行った。

「お笑いを語れるBAR」はゲストの芸人がマスターの劇団ひとりや常連客のおぎやはぎとお笑いについて熱く語る人気企画。今回は東京03飯塚、アンガールズ田中、ハライチ岩井を迎えて「お笑い青春時代の思い出」「尖っていた頃の激痛エピソード」をテーマにトークを展開していく。

お笑いをストレートに語ることは恥ずかしいと話すおぎやはぎと劇団ひとりだが、ライブが始まってしまえばゲストの3人につられて白熱してしまうだろうと予想。ひとりは「あとで照れちゃうような内容になるんじゃないかなと思いますけど、好きな人はどうぞ。観て、忘れてくださいって感じです（笑）」と控えめにアピールしている。

おぎやはぎ＆劇団ひとり インタビュー

──お三方はお笑いを語ることに対してどんな考えをお持ちでしょうか？

おぎやはぎ矢作　極力そういう機会を避けてきたんですよ。俺らの世代はやっぱり、基本は真面目な姿は見せない！ ただ熱い人たちが周りにいるとつられちゃうんです（笑）。

おぎやはぎ小木　熱くなっちゃったときはあとあと恥ずかしいんですよ。

劇団ひとり　語らない美学みたいなものは持ち合わせているつもりなんですけど……。根っこはそういう話したいんですよね！

小木　あはははは（笑）。

ひとり　若い頃は理性で歯止めがきいていたんですけど、年を取るにつれて、うっかり言っちゃう。「すごい」って思われたい気持ちがどこかにあるんでしょうね。でも、今は芸人がお笑いを語らないっていうほうが逆にダサい時代だって、おぎやはぎも気づいたほうがいいと思うよ？

小木　確かに増えてきたよね。賞レースの裏側のカッコいいシーンとか。今の若手の人って撮られたがってるでしょ？

矢作　撮られたがっているかはわからないけど（笑）、多いよね。

──15年以上やっている「ゴッドタン」だと余計にうっかり熱い言葉が出てしまう、というところもありますか？

ひとり　それはもう。何年も一緒にやってきているメンバーだから、取り繕ったことをやったら見透かされるんですよ。そんな失礼な応対はできない。ちゃんと腹割ってしゃべらないと、みんな納得してくれないと思う。

矢作　それはそう。同じ気持ちですよ。隠し事がない人たちなので。ピンちゃん（＝劇団ひとり）しかり、佐久間（宣行）さんしかり、（東京03）飯塚さんもそうだけど、そういう人たちの前でカッコつけてると「違うじゃん！」ってなっちゃうからね。「実は熱いじゃん！」ってもうバレてるから。

小木　今回はお客さんもその場にはいないわけだから、気勢を上げる必要がない。ずっと長年やってきた人たちがいて、そこに（アンガールズ）田中や（ハライチ）岩井が入ってきちゃったら、それはもうつられちゃいますよ。

──ゲストの印象について聞かせてください。まずはハライチ岩井さんから。

ひとり　圧倒的に年下だし後輩ですけど、僕らとお笑い談義みたいなのをしても、全然それを感じさせないくらいの空気感がある。

小木　岩井は着眼点もすごいんだよなあ。

矢作　いっぱい考える人だからね。

ひとり　岩井って、ただお客さんにウケているだけの芸人じゃないでしょう。芸人から見ても面白い。ちゃんと芯持ってるんだなって思います。

──次に、アンガールズ田中さん。

ひとり　田中って本当に器用だなーと思う。どんな番組でもどんな相手でも、ちゃんと田中らしさも出しながらいい仕事をしているイメージ。

小木　あんなに個性が強いのに、実はオールラウンドプレイヤーなんだよね。

ひとり　1人のロケもうまいしね！

小木　そう！ 出落ち的な感じの見た目ですけど、なんでもできる。モンスターですよ。

矢作　もちろんワードセンスもあるんだけど、それに頼らず、ちゃんとお笑いを研究して勉強して、今の田中ができあがったって感じがする。

──そして初期の「ゴッドタン」から出演している東京03飯塚さん。

小木　飯塚さんがいると、「ゴッドタン」にツッコミが入ってきた感じがします。また違った番組になる。

ひとり　確かに！ レギュラー陣でちゃんとしたツッコミする人いないから（笑）。

小木　珍しいよね、そんな番組。

矢作　飯塚さんは一番のお笑いファンだから、それはもう熱い話になりそう。

ひとり　飯塚さんは、最近増えてきた「お笑いが大好き」っていうキャラクターの先駆者というか。「お笑いを語れるBAR」は飯塚さんありきな企画な気がしますね。

──ライブでは尖っていた時代の“お笑い青春事件簿”をみなさんが持ち寄るそうですね。お三方には「尖っていた時代」はあるのでしょうか？

ひとり　以前はコンビで漫才をやっていたんですけど、衣装を着ないのがカッコいいと思っている節はありました。着の身着のまま楽屋に入って、ポケットにタバコ入れたまま、サンダルで舞台に立っちゃうみたいな。

矢作　俺らは劇団ひとりになってからしか知らないんだけど、今の話とは真逆のイメージです。超真面目！ 楽屋で誰ともしゃべらないで本番直前までノートに何か書き込んでて。着の身着のままとは一番真逆だなと思うのが、プライベートとコントの両方で使える靴を履いてたの！

ひとり　あはははは！（笑） それ、ずーっと覚えてるね。

小木　すごい言ってた。「どっちも使えるんだぜ」って。

ひとり　革靴に見えるスニーカーね。

矢作　傷のなめ合いをしているような芸人が当時シアターDにはいっぱいいたんだけど、いいネタを黙々とやって帰っていく劇団ひとりはすごいカッコいいと思ってた。プロだな！って。

──貴重なエピソードをありがとうございました。では最後に、このライブを楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

矢作　昔よく雑誌のインタビューで、真面目に話すのが恥ずかしいからふざけたことを言っていたんですけど、一緒にいたラーメンズの小林賢太郎だけは真面目に熱いことをちゃんと答えるんですよ。実際に掲載されたものを読んだら、俺たちの記事が超つまんなくて（笑）。そのときに、ファンの人にとっては真面目に話している記事のほうが面白いんだなって思ったんですよね。そういう意味では、今回はちゃんとみんな真面目に語ってくれるだろうから、お笑いファンのみなさんの期待は裏切らないんじゃないでしょうか。

小木　配信ということで気が緩むというか、本音でどんどん行けそうな気がしますね。

ひとり　これは宣伝にならないかもしれないけど、個人的にはあんまり見てほしくない。あとで絶対自分が後悔するので。

矢作　特にピンちゃんはたけしさんへの憧れがあるから、たけしさんの口調で浅草時代の話とかし始めるでしょ。

ひとり　いや俺、浅草時代の話は持ってないから！（笑） あとで照れちゃうような内容になるんじゃないかなと思いますけど、好きな人はどうぞ。観て、忘れてくださいって感じですね。

※このインタビューはビデオ通話を使い、各楽屋からリモートで行いました。