共に体重90kg以上というボリューム満点の体型を生かしたキャラクターが繰り広げるドラマチックなコントで知られるビスケットブラザーズ。「キングオブコント2019」で初めて全国区の賞レースに登場し、昨年2020年には「第9回ytv漫才新人賞決定戦」を漫才で制したことも記憶に新しい。同期は霜降り明星やハナコといった、“お笑い第7世代”と呼ばれてきた芸人たち。「絶対に僕らも第7世代のはずなんですけどね?」と、2人がその恩恵を受ける機会はあまりないようで、今年2月に放送された「ytv漫才新人賞」の優勝特番は「ウラ第7世代の逆襲」と銘打った。
彼らの「NHK上方漫才コンテスト」本選出場は今回が初めて。NHKと自分たちは縁遠いものだと考えていたといい、原田は「学祭もほとんど呼ばれたことがなくて、芸人にはよく『NHKと教育委員会はビスケットブラザーズを許してない』って言われています。赤ちゃんのコントを普通にやって、お客さんから『下ネタがキツかった』とコメントされたこともあって(笑)。だからNHKさんの大会はちょっと難しいのかなって思っていました」と話す。予選会には、幅広い層にウケるネタではなく「ほかの賞レースでぶつけるタイプ」のネタで挑んだ。きんは「審査員さんが『何してんねん!』って感じで笑ってくれてて。本選も、審査員のヒャダインさんが手を叩いて笑っているのが見えて安心しました」と振り返る。結果は1本目も2本目も7人の審査員から5票を集め、やはりヒャダインからの得票が。歌が得意な原田は「曲書いてほしいです」と期待した。
コントでの優勝は2017年のゆりやんレトリィバァ以来、コンビに限定すれば2006年のチョップリン以来のこと。きんは「僕ら、毛色が違いすぎますよね」と銀シャリ、スーパーマラドーナ、和牛といった歴代優勝者と比べて笑い、原田も「『ytv漫才新人賞』は僕らの次の年に(コントを主とする)隣人が優勝した。NHKも、もしかしたら来年めちゃくちゃ変な人が獲るかもしれない。僕らが大会をおかしくしてしまっているのかも(笑)」と心配する。優勝の瞬間は、息子に黙って観覧に応募した原田の母親が客席から見届けた。原田は「終わった後、オカンから電話がかかってきて、めっちゃ泣いてて。でもきんとマネージャーさんとしゃべっていたので、すぐ切りましたけど」とそっけない態度で応じたそうで、そんな原田にきんは「なんで?(笑) 優勝の瞬間なんてなかなか見られない。いい恩返しやん」と返した。
今年ビスケットブラザーズは、「キングオブコント」で準々決勝敗退を喫している。きんは「一番なんでもありの大会だと思っていたんですが、今年の大阪会場はそういう空気ではなかったのかなと感じました。『これで決勝行けたら最高やな』っていうネタ、トーナメントの上に行けば行くほど面白いと思ってもらえるネタで挑んだんですけど、やっぱり準々決勝が鬼門でした」と回想。原田は同期であり2018年大会王者のハナコ岡部に「ごめん、途中で落ちてしまった」と連絡すると「本当の途中だな、バカ!」と返事が来たと明かし、この話にきんは「青春すぎる! 『バカ』って実際言うやつおんねや(笑)」と少年マンガのようなやり取りをしていた相方に驚く。
最近では拠点とする大阪を飛び出し、東京での仕事も増え始め、この取材を行った9月2日には初めてルミネtheよしもとの本公演出番があった。東京を訪れたタイミングで吉本以外の芸人とも交流してみたいと話す2人。原田は気になる芸人に
関西ではバラエティ出演の機会も増えているが、「ネタが一番の武器やねって言われるようにしておきたい。そのためにも来年は『キングオブコント』を獲りに行かないとダメですね」(原田)、「全国で単独ライブをやって、どの場所でもお客さんが来てくれるってなったら最高。そのためにもいろいろできたほうがいいかなって思いますけど、テレビでちょっと失敗しても、ネタがあるから大丈夫って思いたいです(笑)」(きん)と、彼らの軸はあくまでもネタだ。10月14日(木)には
コント交流会~会長 ビスケットブラザーズ編~
日時:2021年10月14日(木)18:00開場 18:30開演 20:00終演
会場:東京・ルミネtheよしもと
<出演者>
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お笑いナタリー @owarai_natalie
ビスケットブラザーズ「毛色違う」大会で掴んだ勝機、来年はキングオブコントを
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