ウエストランド「もういいや！と開き直った」気持ちむき出しで初のM-1決勝

ABCテレビ・テレビ朝日系で明後日12月20日（日）に生放送される「M-1グランプリ2020」のファイナリスト9組のコメントをお笑いナタリーが1組ずつ掲載中。ウエストランドのコメントを8組目に紹介する。

2008年にコンビを結成し、今年初の決勝進出を果たしたウエストランド。昨年までも準々決勝や準決勝には進出していたが、今大会は「開き直ったのが大きい」（井口）、「セリフが完全に身体に入った状態で臨めた」（河本）と一味違った状態で挑んでいる。ファイナリストは彼らとオズワルド、ニューヨーク、おいでやすこが、マヂカルラブリー、東京ホテイソン、アキナ、錦鯉、見取り図、敗者復活の10組。

ウエストランド コメント

──「M-1グランプリ2020」決勝進出を決めた今の率直な気持ちをお聞かせください。

井口　ホッとしました。（発表時に）名前を呼ばれた瞬間は、もう少しこみあげてきたり、泣けるものかなと思っていたんですが、今のところは「よかった～！」のほうが大きい。今後、支えてくれた人やいろいろな人に会うとグッとくるのかもしれません。ニューヨークだとか周りの芸人が、本人たちが呼ばれたとき以上に「よかった！」と喜んでくれたのはうれしかったです。

河本　ホントにベタなんですけど、発表からしばらく経っても夢なんじゃないかと。決勝進出はいつも他人事みたいな感覚だったので。

──今年は新型コロナウィルスの影響があったと思います。これまでの予選を振り返っていかがでしたか。

井口　順調ではなかったです。大変な中で、いろんなケアをしてライブを開催してくれていた方々に本当に感謝しています。ネタに関しては、正直2回戦から「ああ、今年はダメだ……」と思っていました。2回戦に受かってから準々決勝のネタを考えて、準々決勝に受かってから準決勝のネタを考えてというギリギリの感じだったので、逆に開き直ることができました。

河本　例年、当日に（井口から）ネタを渡されていたんです。今年も準々決勝まではそうだったんですが、準決勝はちょっと前に渡されて。セリフが完全に身体に入った状態で臨めたので、緊張は例年より少なかったですね。

井口　準決勝は初めて2日前にネタができていました。毎年、ネタが完成していない状態で前日眠りについていて、当日めちゃくちゃ怖かったんです。今年はすごくゆっくり過ごせました。早めに作っておくのは大事ですね。毎年そうしとけって話ですけど。

──昨年「M-1」に出場したときと比べてコンビで進化していることは？

井口　進化というか、開き直ったのが大きいのかも。新ネタライブもやっていたんですが、それこそ準決勝のネタなんて今までのウエストランドを集約したようなネタなので。「M-1だと、こういうのは落とされる」と都市伝説的に言われていることとか、そういうのを全部とっぱらって。もういいや、「いぐちんランド」のことも言うし、悪口も言ってやろう！と開き直りました。

河本　進化というと、これは明確に1つあるんです。「事前にやるネタをちゃんと知って、セリフが入った状態で臨めた」、これだけ。僕らは、あとはもう世間に井口の面白さがバレるかバレないかだけだったので。やっとわかってもらえた、それだけです。

井口　こいつに関しては、別居していた家族が帰ってきたのが大きいですね。それからは遅刻もゼロで、家族会いたさに仕事終わりもすぐ帰る。肌ツヤもよくなりましたし。

河本　深酒もしないし、夜に寝て朝起きる。井口より全然健康的な生活です。こういうご時勢じゃなくても、“ソッコー”で仕事から帰宅していると思います。去年は別居していて、家族は地元に住んでいたんですが、うちのオカンが娘と一緒に「M-1」を観ていたので勝った、負けたは理解できてるみたいで。なので最近は娘が「パパ、今日は負けないでね」って毎日言うんです。

井口　本人以上に、4歳の娘が「M-1」を重く捉えてたんだな（笑）。

河本　家に帰ると「勝ったら（ビール）飲んでいいよ。今日は勝った？」って聞くから、「勝ったよ」とウソついてます。

井口　最悪の人間じゃねーか！（笑）

──「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ！」……「○○」に入るのは？

井口　「一番むき出しだ！」で。テクニックもなければ、（漫才に）システムもない。気持ちだけで決勝まで来たので、気持ちでは負けていないと思います。

──ほかのファイナリストの中で意識しているコンビは？

井口　錦鯉さん、東京ホテイソンとはずっと一緒にライブをやってきているのでうれしかったです。あの2組の面白さは知っているので、よくその中に僕らが食い込めたなと。

河本　例年、吉本所属以外の組って少ないですよね。なので、僕らより先に錦鯉さんが呼ばれ、ホテイソンが呼ばれた時点で、正直「ああ、もう終わった……」と思ってました。

──敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビは？

井口　タイタンから賞レースで準決勝まで進んだのが、ずっと僕らしかいなかったんですが、今年後輩のキュウが初めて準決勝に進んだんです。2人がいてくれて本当にほっとしたので、キュウが勝ち上がってきてくれたらうれしいです。

河本　ランジャタイさん。決勝に行ったら確実に爪あとを残して、売れると思うので。正直、決勝進出しなくてよかったなと思ってます。

──優勝賞金1000万円の使い道は？

井口　引っ越したいです。最近、家の外から奇声が聞こえるんですよ。何が起きているかもわからないし、誰も注意しないってどういうこと!?と、もう怖くて！

河本　僕は家族もいるので、マンションを買いたいです。マンションの頭金にします。

──最後に「M-1グランプリ」決勝へ向けた意気込みを一言で！

井口　2回戦くらいから「なるようになれ！」と思ってやってきました。決勝の舞台に立たせていただけるので、生放送ですし言いたいことを全部言おうと思っています。

河本　僕は井口に言われたことを100％再現できるように、井口の邪魔をせず、暴れてもらえる環境づくりをしたいです。僕らのネタはほぼ「R-1（グランプリ）」ですから。

井口　そうですね、ここまで1人の力で勝ち上がったコンビもそういないと思います。

河本　僕は井口を信じてここまでやってきているので、決勝も自分ががんばるとかじゃなくて……。

井口　さすがに「がんばる」はしろよ。

河本　そうね、邪魔にならないようにがんばります。