錦鯉、初のM-1決勝「一番おっさんで元気なバカ！」全国に知らしめたい

ABCテレビ・テレビ朝日系で12月20日（日）に生放送される「M-1グランプリ2020」のファイナリスト9組のコメントをお笑いナタリーが1組ずつ掲載中。錦鯉のコメントを7組目に紹介する。

今年3回目の準決勝を経て初の決勝進出を果たした2人だが、芸人としてのキャリアは長い。芸歴26年で49歳の長谷川は「M-1」ファイナリストの最年長記録を更新し、ラストイヤーが56歳になることでも話題だ。ファイナリストは彼らとオズワルド、ニューヨーク、おいでやすこが、マヂカルラブリー、東京ホテイソン、アキナ、ウエストランド、見取り図、敗者復活の10組。

錦鯉 コメント

──「M-1グランプリ2020」決勝進出を決めた今の率直な気持ちをお聞かせください。

渡辺　本当にうれしいですね。お笑いをやめなくてよかったなとしみじみと思いました。これまでの準決勝とは違って、今年は初めて準決勝で手応えがありましたし、行けたっていう感覚もあったので、今はとにかくうれしい気持ちでいっぱいです。

長谷川　2016年、2019年と、これまで2度、準決勝に進出したんですが、その都度、周囲の芸人や先輩からは「決勝に行けるんじゃないか」と言われていたので、今回決勝に出られて本当にうれしいですし、安心しました。僕は芸歴26年で49歳なんですが、この芸歴で、この年齢で決勝に行かせてくれる「M-1」に、本当に感謝の気持でいっぱいです。実は、かつていくら面白い漫才をしたとしても、若手芸人や人気芸人には勝てないと勝手に思いこんでいた時期もあったんです。だけどそうじゃなかった。ガチの審査なんだって思いました。

渡辺　そう。これまで僕たち決勝に行けなかったのは、ウケてなかったからということがよくわかりました。

──今年は新型コロナウィルスの影響があったと思います。これまでの予選を振り返っていかがでしたか。

長谷川　僕たちは2回戦からの出場で、有楽町シアターで予選を行ったんですが、開催日によってはお客さんの数も違いましたし、雰囲気も日によって違っていたでしょうから、予選ではみなさんそれぞれ苦労されたんじゃないかなと思っていました。そんな中でも僕たちは「気にしないでやっていこう」と話していて、のびのびと楽しくやろうと臨んだ予選でした。

渡辺　例年との違いを言うと、昨年の敗者復活のあとにテレビやラジオにお声がけいただくことが増えたことかもしれないですね。

長谷川　ちょっと追い風を感じた1年でした。それをプレッシャーではなく、うれしい、楽しいと感じながら「M-1」に挑めたのはよかったと思っています。

──昨年「M-1」に出場したときと比べてコンビで進化していることは？

渡辺　進化している部分は年齢ですね。

長谷川　それ進化なの？ 退化じゃなくて？

渡辺　あとは、（長谷川）雅紀さんの歯が3本多く抜けたことですね。昨年は5本なかった歯が、今年は8本に増えたので軽量化に成功しています。

長谷川　軽量化に成功ってミニ四駆じゃないんだから！ あと進化といえば、今年は（渡辺）隆の衣装が変わったんですよ。以前は黒い衣装で、声も低いし怖いイメージがあったんですが、ちょっとマイルドに進化しています。

渡辺　マネージャーが買ってくれるって言うんで、選んでもらっただけなので、あまり意図はないです。

長谷川　あと、コロナ禍でライブに出られなかったので2人で会う回数が減ったんですが、そのぶん会ったときに漫才ができるうれしさが大きくて、テンションが上がったかもしれないですね。

渡辺　確かに例年にない楽しさっていうのはありましたね。お客さんの笑っている顔を見る楽しさも強く感じました。そのあたりが、進化ではないかもしれませんが変化につながった部分は大いにあります。

──「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ！」……「○○」に入るのは？

渡辺　2つあるんですよね。「最年長」と「バカ」と。ファイナリストの中では間違いなく一番おっさんでバカですから。

長谷川　うんうん。一番歳上なのは間違いないですからね。あと、僕は一番元気ってことかなあ。

渡辺　「一番おっさんで元気なバカ」ということで。

──ほかのファイナリストの中で意識しているコンビは？ それはなぜ？

渡辺　ウエストランドや東京ホテイソンはよく一緒にライブに出ていたので、一緒に決勝に出られてよかったな、という気持ちももちろんあるんですが、決勝でいい戦いをしたいですし、負けられないと思っています。

長谷川　僕は、おいでやすこがですかね。ユニットの決勝初出場は誰もが予想できなかったと思うんです。ユニットがいきなり決勝まで行くというのはとんでもないこと。僕は注目してますし、スゴいの一言です。

──ちなみに、決勝進出者記者発表では、東京ホテイソンのたけるさんが、お父さんと長谷川さんが同い年という話もされておりましたが、最年長ファイナリストとしてはどのようにお感じになってますか。

長谷川　若い芸人たちと決勝で戦えるのも楽しみですし、審査員が僕よりも年下だったりするんですよ。それも楽しみな部分なんです。

渡辺　年下の審査員に怒られたりしてね。

長谷川　そりゃあ怒られるよ！ 決勝が始まると緊張するんだろうけど、審査も含めて楽しみたいですね。

──敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビはどこですか？それはなぜ？

長谷川　僕は、ぺこぱです。人気もあって、去年よりも進化しているネタを僕たちは見ているので、勢いのある敗者復活で上がってきたら、怖いですね。

渡辺　僕はランジャタイ。ハマる確率はかなり低いかな、とも思っているんですけど（笑）。ハマってしまったら、全芸人の中で一番強いと思っているので。

──優勝賞金1000万円の使い道は？

渡辺　今、雅紀さんの歯が8本ないので、優勝したらまずは雅紀さんに歯を入れたいと思っています。

長谷川　歯医者に通っていて、部分入れ歯を作っている最中なんです。本当ならインプラントにしたいんですけど、あまりに高くて。だから、もし優勝したら全部インプラントにしたいですね。でも全部インプラントにしても賞金は余ると思うんです。そうしたら、金とかダイヤモンドとか歯におしゃれな装飾を施したいですね。

──優勝賞金は長谷川さんの歯にすべて投入していくお心づもりだと？

長谷川　はい。隆がそう言ってくれているということは、全部僕の歯に使っていいと思いいています。

渡辺　まずは立て直しが大事ですから。ただ、雅紀さんに24万円を貸しているので、それは返していただきます。

長谷川　じゃあ、それは返すよ。でもあとはインプラントにします！

──ちなみに、インプラントで余った賞金の使い道は？

渡辺　そうですねえ。この芸歴になるまで後輩たちに先輩らしいところを見せたことがないので後輩たちにごちそうしたいと思います。

長谷川　家族みんなで一緒に旅行に行きたいですね。でもその前にインプラントです！

──「M-1グランプリ」決勝へ向けた意気込みを一言で！

渡辺　決勝に出場するからには優勝しか見ていないです。

長谷川　これまで目標は優勝だと毎年のように話してきたんですが、それを有言実行にしたいんです。そして、「錦鯉」というコンビを全国に知らしめたいですね。