ピアノを弾くだけで笑わせるザ・ギース高佐が「ノーセンス」優勝、永野と抱擁

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昨日2月17日、東京・松竹芸能 新宿角座にて「ノーセンスユニークボケ王決定戦」が開催され、初参加のザ・ギース高佐が優勝した。

抱き合うザ・ギース高佐と永野。

抱き合うザ・ギース高佐と永野。

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「ノーセンスユニークボケ王決定戦」は「おしゃれな笑いができない」「ボケたいときにひたすらボケる」という芸人たちが自らのノーセンスぶりを競う大会。昨日はみなみかわによるMCのもと、ザ・ギース高佐、オジンオズボーン篠宮、いち・もく・さん・くぼた、流れ星ちゅうえい、永野イワイガワ・岩井ジョニ男、新宿カウボーイかねきよ、オテンキのり、ガリットチュウ熊谷茶がやりたい放題のボケ合戦を繰り広げた。

「絶対に俺は1位になる!」と言い放つオテンキのり。

「絶対に俺は1位になる!」と言い放つオテンキのり。[拡大]

オープニングでは、高佐が「どうも。毒に侵された堺雅人ことザ・ギース高佐です」と自己紹介するが、永野から「コントが長い人だ!」とイジられてしまう。同じく初参加のオテンキのりは「絶対に俺は1位になる!」と言いながら2本指を前に突き出し、周りから「最強!」とさっそくノーセンスぶりを称賛されることに。一方、熊谷茶は1人だけ桁違いの声量で「どうもよろしくお願いしますー!」と挨拶したが、「今日は皆さんと和気藹々と……」のあとの言葉が出てこずに静寂を作ってしまい、永野から「M-1の緊張感。M-1ってこんな感じですよね」と揶揄された。

「ノーセンスユニークボケ王決定戦」第1回の様子。

「ノーセンスユニークボケ王決定戦」第1回の様子。[拡大]

最初の企画に入る前に永野は「初回を思い出してください。お客さんもめちゃめちゃ少なかったし、そのお客さんにすら『時間を返せ』ってアンケートでめちゃくちゃ叩かれていたんですよ。それが今や脱線することとか1時間半のライブが2時間に延びることを求めてるお客さんにあふれている。何が面白いのかわからないのに、意地で面白いと思い込んでるお客さんもいる。それは東京に出てきたとき、カヒミ・カリィとかの渋谷系を聴いてた俺みたいで不健康だと思う」と主張。その上で「今日は1時間半できっちり終わらせます」と宣言するが、客席から何も反応が起こらなかったため、「もっと『えー!?』みたいになると思ったんですけど、普通にポジティブに受け入れられちゃった」「これってみんなが望んでたことだったの? 今までは付き合ってくれてただけ?」とうろたえていた。

武田鉄矢の10%モノマネを披露するザ・ギース高佐。

武田鉄矢の10%モノマネを披露するザ・ギース高佐。[拡大]

最初の企画は、選ばれた3人が100%、50%、10%のモノマネを披露していく「ノーセンスものまねグラデーション」。最初のお題「武田鉄矢」では、100%を担当する永野が「革命を起こしたい」と言い出し、定番の声マネを封印した本気の形態模写を披露する。10%を担当した高佐も、最初こそ永野から「小林賢太郎が動かしてるロボット」と揶揄されていたが、目元のみ武田に寄せた顔マネで周囲から「ちょうど10%!」と称賛された。

昔のタモリになりきる新宿カウボーイかねきよ(中央)。

昔のタモリになりきる新宿カウボーイかねきよ(中央)。[拡大]

ノーセンスに「笑っていいとも!」のオープニングを再現する企画「ノーセンス森田一義アワー」では、往年の工藤兄弟に扮したちゅうえいと高佐がダンスで盛り上げるが、オジンオズボーン篠宮がハローケイスケを演じて時代設定がめちゃくちゃに。さらに、タモリ役のみなみかわがいるにもかかわらず、かねきよが“昔のタモリ”に変身し、ステージ上は混沌状態に陥ってしまった。そんな中、MVPに選ばれたのは熊谷茶。「観覧客をやる」といち早く客席に降りたものの存在感を発揮できず、最終的に「なんで僕はお客さんをやったんでしょうか!?」「記憶を失いました!」とパニックになるノーセンスぶりが評価された。

ピアノを弾くザ・ギース高佐。

ピアノを弾くザ・ギース高佐。[拡大]

3つ目の企画は、用意されたピアノを使って芸人たちが自由演技を披露する「ノーセンス角座ピアノ」。ここでは、ちゅうえいが「誰か僕を弾いて」とピアノになりきり、弾かれたら屁を放つという荒業を見せる。舞台上は「すげー! 本当の屁だ!」「くせー!」「お客さん、金を払って新宿で屁を聞かせられた!」と沸き立つが、やけに水っぽい音だったという指摘もあり「うんこを漏らしたのではないか?」との疑惑が生じてしまった。続いて、見た目のイメージから勝手に「音大卒!」と囃し立てられた高佐がピアノを弾くことになり、X JAPAN「紅」を巧みに奏でる。これに会場は爆笑し、ほかの芸人たちも「本当に弾ける人だった!」「イメージ通りの人!」と驚いた。永野扮するToshlがボーカルとして加わるとステージ上はコンサートの様相を呈して大盛り上がり。演奏を終えた2人は優しく抱き合い、互いのパフォーマンスを称えた。

ミルクボーイになりきる(左から)流れ星ちゅうえい、オテンキのり。

ミルクボーイになりきる(左から)流れ星ちゅうえい、オテンキのり。[拡大]

ミルクボーイの漫才をノーセンスにコピーする「ノーセンスミルクボーイ」では、ちゅうえいとのりが「今、アバンテJr.をいただきました!」「今、鉄骨飲料をいただきました」「今、ドラキュラアイス(クロキュラー)をいただきました!」と懐かしいアイテム名を連発したほか、「今、肝臓をいただきました!」「臓器が一番うれしいですからね」というおどろおどろしい掛け合いも。また永野、高佐、くぼたの3人は観客の荷物を奪って「今、置き引きしてきました!」とアウトローな振る舞いを見せる。

ライブ時間が残り9分となったところで、篠宮の動画シリーズ「秒で漢字暗記」をノーセンスにアレンジする最後の企画「ノーセンス漢字の覚え方」に突入。ここでは2番手の熊谷茶が「覚」の覚え方を「ツ、ワ、見(み)ー!」となんの捻りもなく叫び、「普通に正解が出た」という理由でコーナー自体が即終了。彼は「終わらせないで! 終わらせないで!」「ちゃんとやっちゃダメなんてルール聞いてないよー!」と慌てふためいていた。

エンディングの様子。

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すべての企画が終了し、優勝者が発表されると高佐は「ウオー!」とガッツポーズ。永野は90分でイベントが終了したことについて「みんな同じことを思ってる気がするんですけど、ちょうどよくなかったですか? やっぱり今までが長すぎたんだよ。無駄な部分が多かった」と語る。最後は永野になりきったジョニ男が奇声を発しながら腰を振り、永野本人が「セックスを連想させる動き!」とコメントして舞台の幕が閉じた。出演者が公演時間を無視して暴走する流れが常態化している現状に疑問を投げかけた今回の「ノーセンスユニークボケ王決定戦」。永野の問題提起により、次回以降のライブがどのように発展していくのか注目だ。

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

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