自身の父が抱いていた笑いへのわだかまりや、それに起因する家族の問題が解けたことで、圭右(間宮祥太朗)が芸人の道へ進むことを認められる第5話。そんな圭右の笑いに対する実直な姿勢に、人気コンビ・デジタルきんぎょの金本(駿河太郎)と藤川(尾上寛之)も少なからず影響を受ける。最悪だったコンビ仲も徐々に回復したデジきんは、NMC(ニッポン漫才クラシック)も順調に勝ち上がっていくが……。
お笑いナタリーではこの「べしゃり暮らし」各話について「M-1グランプリ」ファイナリスト経験者たちのコメントを紹介中。第2話のオンエア前に掲載したコメントは、
さらば青春の光・森田 コメント
僕は森田まさのり先生の「ろくでなしBLUES」は人生で一番読んだマンガだと言ってもいいぐらい大好きで、「ROOKIES」も全巻読ませてもらってるんですが、実はこの「べしゃり暮らし」だけは敬遠してきました。
と言うのも連載が始まったのは、ちょうどこの世界に入ったばっかりのときで、大好きな森田先生の連載が始まったと言えど「芸人が芸人を題材にしたマンガを読むのはさぶいわ」という1、2年目特有の妙な尖りで、この作品と距離を置いたまま今日まで読まずに来てしまいました。
今は当時のような抵抗感は一切なく、楽しく拝見させていただきました。
この第5話は、芸人のコンプレックスや悲哀がふんだんに詰まった回でした。
特に印象に残ったシーンは、デジきんの2人が単独ライブ終わりに殴り合いの喧嘩をしたあとに、金本が言った「俺はこの世界おらんかったらただのチンピラや」という台詞です。
そもそもこの世界は普通に9時5時で働きたくなかった、働けなかった奴らの巣窟みたいなところだと思ってる僕にとっては、むちゃくちゃしっくり来る台詞でした。
売れて金持ちになっていい女抱いて、みたいなことをこの令和の時代でも未だに思ってるどうしようもないクズの集まり。そのクズたちが、普通に9時5時で働きたくない一心で、深夜や朝までかけてネタを作り、その作ったネタを必死に練習し、本番で間違えないように一生懸命演じ、喧嘩してまでネタをよくする努力をし、売れるまではずーっとバイトを続ける、というとてつもなく変な世界だと思ってます。
お客さんを笑顔にするという大義名分にがっしりとしがみついて、なんとか世間様にクズだとバレないように必死に振る舞う。そんなクズたちに国が用意してくれた救済措置のような職業が芸人なんだと思います。
デジきんの2人はまさにその象徴のようなコンビなので、1話から通してなんかずっと好きです。
あと5話の印象的なシーンで言うと、賞レースの結果をなんとなく1人で待ちたいという藤川の気持ちもめっちゃわかるし、初めて決勝に進出したときのうれしさは、自分たちも経験したことがあるので、じんと来るものがありました。
関連する特集・インタビュー
土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」第5話
テレビ朝日系 2019年8月24日(土)23:15~24:05
<出演者>
間宮祥太朗 / 渡辺大知 / 矢本悠馬 / 駿河太郎 / 尾上寛之 / 浅香航大 / 中川知香 / 早乙女友貴 / 波岡一喜 / 黒坂真美 / 冨家規政 ほか
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「べしゃり暮らし」第5話、さらば森田「芸人のコンプレックスや悲哀が詰まった回」(コメントあり)
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