「R-1ぐらんぷり2010」東京準決勝レポート

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2月9日、全労済ホール スペース・ゼロにて「R-1ぐらんぷり2010」準決勝東京大会が開催された。

R-1ファイナル常連のあべこうじは、この日も安定した笑いを獲得。(c)吉本興業

R-1ファイナル常連のあべこうじは、この日も安定した笑いを獲得。(c)吉本興業

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昨年を上回る3500名以上がエントリーした今大会において、準決勝に駒を進めたのはわずか69名。この日は、42名が4分間にネタのすべてを注ぎ込んだ。MCを務めたのは、「M-1グランプリ」の予選MCとしても大活躍のはりけ~んず。登場早々、噛み倒した新井に、前田から「ぐだぐだやないか!」とツッコミが入ると、会場は笑いに包まれた。

以下、出場者のネタをダイジェストで紹介。なお、準決勝のネタは決勝戦の舞台でも披露される可能性もあるので、内容を知りたくない人は決勝放送後に目を通していただきたい。

はいじぃ
「どうも~!」と大きな声で拍手しながら登場。得意なパソコンを駆使し、「日常で起こるちょっと嫌な出来事は妖怪の仕業」というネタを、モニターに映し出したイラストで紹介。

井上マー
風呂上がりの徳川家康が、DJとしてラジオの生放送をするというコント。面白い投稿には尾張50万石をプレゼントするなど、江戸時代エピソードで笑いを誘った。

やまもとまさみ
レストランの店長が、中国人のチン君に変な日本語を教えている従業員を見つけ出そうと奮起するコント。身振り手振りの激しさ、言葉のアクセントに彼らしさが光った。

こばやしけん太
効果音紙芝居。フリップに描いてあるイラストに、人物の心情、動物の鳴き声、BGMなどを声で表現。表現力豊かな効果音とブラックテイストのイラストがマッチ。

渡辺直美
一礼し、「モノマネします」と告げて始めた芸は、歌姫たちの過剰な歌マネ。ビブラートの強すぎる浜崎あゆみや腕の動きが激しい絢香など、独特な視点で笑いを集めた。

もう中学生
どじょうに扮したもう中学生が、河川敷で金八先生や流れる空き缶を見かける、ほのぼのコント。リモコン操作によってくるくると回る空き缶、SL機関車、金八先生の顔など盛りだくさんの内容。

タッツィー
笑っている人からニワトリへ、車から馬へ……など、音が変化する「変わるモノマネシリーズ」のほか、動物の鳴き声、アニメのキャラクターなど、幅広いモノマネ芸を披露。

アナログタロウ
曲のイントロに載せて、アイドルや演歌歌手のどうでもいい情報を綴る「どうでもいい情報を紹介してくれる'80年代の歌番組」。ポケットが20個ある、切手をなめてお腹を壊したなど、くだらなさと笑いのバランスが絶妙。

にしおかすみこ
着物姿で登場。落語と表して、高校時代にやってしまった出来事や母校に仕事で凱旋した際のエピソードを披露した。

あべこうじ
「言い方1つで言葉の様子が変わる」というネタで、「ご愁傷様です」などの言葉に感情を乗せながら、その状況に陥った際の人間模様を展開。テンポのいい巧みな話術で笑いを増幅させるという、R-1ファイナル常連者らしい安定した戦いぶりを見せた。

●庄司智春(品川庄司
某お菓子の名物キャラクターの葬式に、誰もが知っているお菓子たちが弔問に訪れるというコント。キャラクターごとに衣装を変えるという凝った設定に、大会へ懸ける意気込みを感じた。

友近
ヨガを愛するインストラクターによる、ヨガ講習。「ロギンス・チャクラ」では、'80年代に公開された映画「フットルース」をクローズアップ。独自の視点を持つ友近ならではの世界観は、今年も健在。

●大重わたる(夜ふかしの会
ヒーローっぽい、アパレル業界で働く会社員が、怪人に襲われた女性を助けるコント。必殺技っぽい言葉で怪人を倒していくなど、バツグンの演技力で笑いを誘った。

●DJきーぽん
いろんな音で喪主の挨拶を披露するというモノマネ芸。リフォーム番組のナレーター風、みのもんた、ジャパネットタカタの高田社長など、さまざまなモノマネを見せた。

ウクレレえいじ
ウクレレを弾きながら見せていく、マニアックモノマネ。「ぶらり途中下車」に出演してる阿藤快、「建もの探訪」の出演している渡辺篤史、ケーシー高峰、なべおさみと、人選も実にマニアック。

エハラマサヒロ
コント「めっちゃ鬱陶しい進学塾の先生」。「エックス」を「エッキス」と発音したり、勉強に集中しない子どもたちを身振り手振りでねちっこく怒ったりと、濃いキャラを熱演。そんな行動のすべてがダンスに集約されるという見事な展開に、会場は感嘆と大きな笑いに包まれた。

●徳井義実(チュートリアル
日本語を話せない英語圏の外国人向けの、来日の際に役立つ食事注文の理解のされ方を披露。「タン塩」は「DANCE SHOW」、「ハラミ」は「HARD LOVE ME」など、フリップで展開。本人曰く、「要するに、空耳アワーみたいなもん」だとか。

鳥居みゆき
黒い着物姿で、「南アルプス鳥居」という漫談家を熱演。事業仕分けやJALの経営破綻など、時事ネタを盛り込んだ巧妙な漫談で勝負した。

Gたかし
フリップを使った「モノマネ紙芝居」。どの物語も、登場人物の声はボビー・オロゴンとアントニオ猪木で演じるという格闘家モノマネの一本推し。

●長江もみ
出身地・富山県のあるあるネタを、フリップで展開。最後は、富山で有名な民族楽器「こきりこ」を使って、Perfumeのダンスを披露した。

メンソールライト
新宿での嫌な出来事、バイト先でのエピソードなどを漫談で聞かせる。「電車でイチャついてるカップルに挟まれた」など、プチ自虐ネタで観客を惹き付けた。

●岸学(どきどきキャンプ
出身地である東京の悪口を言うネタ。「吉祥寺はオシャレな埼玉」「代々木=浪人生とアニメ=ダメな街」などバッサリと切り捨てる様に、会場が沸いた。

田上よしえ
体育教師コント。言うことをきかない生徒に対して、ガッカリするような心情を絶妙な例えで見せていく。抑揚のある演技と安定感あるネタ運びが光った。

●長浜之人(キャン×キャン
漫才コンビ・キャン×キャンとして活躍する長浜がピンで登場。「スーパーニュース」のスポーツコーナーを担当している永島敏行キャスターの「噛み噛みスーパーゴール集」を披露した。

岩間よいこパルフェ
「心温まるくっそいい話」と題し、公園に置き忘れた財布を交番に届けてくれた中年男性との心温まる話を聞かせる。上品な話し口調に「くそ」という言葉を織り交ぜるというギャップで、笑いを狙った。

●井戸田潤(スピードワゴン
ウエスタン風の格好で、ハンバーグにちなんだネタを見せるハンバーグ師匠。最後には、目玉焼き子との恋愛コントも。大声で「ハンバーグ!」と叫ぶ肝の据わった姿勢に、経験値の高さを感じさせた。

鈴木つかさ
大きなパネルを使って、問題を解きながら言葉を導き出す漢字クロスワードパズル。パネルの枠が合わずとも、無理矢理書き込まれていく言葉の数々に笑いが起こる。

くまだまさし
「フォー!」と元気いっぱいに登場。「この時間は消化試合ですよ!」と叫びながら披露した「ビックリ大賞」と称したファンタジックな小道具ネタで、絶大なインパクトを残した。

天津木村
「昔話を詩吟に乗せて吟じる」というフリップネタ。童話をモチーフにし、彼らしいストレートな下ネタワールドを堂々と披露。

●山田與志(COWCOW
昨年のファイナルで見せた「テニスのジョン」の進化バージョン。DJボブが2つのターンテーブル風フリップを使って、2つのものから何かを生み出すというネタ。リズミカルな展開と抜群の構成力に、客席の反応も上々。

●ゴンゾー
曲に乗せて披露する、お馴染みのタンバリン芸。サビの部分では、足を使った華麗な技を披露。4分間、1つの曲を踊り続けた。

今泉
小心者がお酒の力を借りて、言ってみたかったカッコいいセリフを叫ぶというネタ。後半、怒濤の「言ってみてー!」に、大きな笑いが生まれる。

●赤いプルトニウム
仁王立ちで、茨城弁で同県のローカルネタを次々と披露。「茨城をバカにするな」と言いつつ、「街中の人が、私の元カレを知ってる」などの自虐ネタで笑いを誘う。

サイクロンZ
いろいろな状況を形態模写した後、音楽に乗せて歌詞に当てはめるという「歌ハメダンス」。切れのある動きと個性的な発想が光るネタは、安定感も抜群。

いとうあさこ
レオタード姿で新体操のリボンの演技を見せる、お馴染みの「浅倉南39歳」で登場。アラフォーの心身の悩みを吐露する自虐ネタは、この日も健在。熱演のあまり途中で息切れし、「はぁ……疲れた」とつぶやく一幕も。

ゆってぃ
お馴染みのスタイルで登場し、「賑やかしに来たよ! みんなは休憩」と声がけ。日常で起こった自虐エピソードで会場を沸かせた。

我人祥太
青のビニール傘をさし、青い衣装に身を包みながら、憂鬱ネタをフリップで見せていく。明るくはしゃぐ過去から、最後は想像もできないような暗い未来に落とすというブラックなネタが個性的。

キャプテン渡辺
パチンコの人気キャラクターに扮し、パチンコあるあるを披露。怠惰な生活に陥るパチンコ依存な人たちを、「クズだね」と切り捨てる小気味よいネタで会場を沸かせた。

●川島明(麒麟
いい声を使って、いろんなセリフを読み上げるというネタ。マンガのセリフ、中国製ホットプレートの説明書に書いていた言葉など、バランスのいい言葉選びはさすがの一言。

夙川アトム
確認センターのオペレーターが、お客さんからの確認に答えるというコント。お馴染みの業界ネタとは違った一面を見せてくれた。

●天津向
フラレた男が、彼女に別れた理由を問いただすコント。自身で理由を挙げながらも、「友だちがいないから? サボテン買うよ」など、ゆるい妥協案を提示。ホラー的展開をにおわせたオチは秀逸。

ユリオカ超特Q
手を大きく振りかぶっての「らっしゃい!」から始まった漫談は、近年お馴染みのハゲネタ。「毛先が遊びに行ったまま帰って来ない」など自虐ネタと、テンポのいい話術で魅せた。

※()内のコンビ名はお笑いナタリー編集部が追加。エントリー時に()でコンビ名を登録している芸人も含まれる。

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