2015年頃より「南海キャンディーズ第2章」と銘打ち、改めて漫才に取り組んできた南キャンにとって、コンビ結成15年にしてこの「他力本願」が初の単独ライブ。2人は公演中、ほぼ途切れることなくコンビでセンターマイクの前に立ち続け、渾身の漫才を披露した。特に千秋楽となった昨日のライブは当初2時間と予告されていた上演時間が、結果的には全4公演の中で最長という2時間40分のボリュームに。エンディングで山里は「いやー、はしゃぎすぎてしまいました! 楽しかったー!」と公演時間の長さをうれしそうに反省した。
このライブで南キャンは「M-1グランプリ2004」で準優勝した際に世の中へインパクトを与えたおなじみの漫才のあと、自身の新作漫才や、「JUNK 山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)のリスナーが投稿した中から選んだ漫才「合コン」「干支」「自己紹介」をアドリブ交じりに繰り出して客席に休む暇を与えない。コンビとしては貴重なコント「#15点の女」も、山里としずちゃんのラブストーリーという珍しい形で展開され、その台本を書いた
ラストに2人が見せたのは、30分以上にわたる長尺漫才だ。しずちゃんが「ママタレント」「連ドラの主演女優」「モデル」をそれぞれ演じ、山里がそんな女性タレントたちへの思いを爆発させ続けると、しずちゃんは「山ちゃんの鬱憤を晴らす会みたいになってきたやん!」と思わず嘆く。またそんなネタの終盤には、この公演中に一度使ったフレーズなどを再度繰り出して、いわゆる“伏線の回収”を目論む。やがて山里をもみ合いの末に押し倒したしずちゃんは、センターマイクを独占して「最後のネタで今までのネタがつながることが、どんなことかわかってんのか! これが単独ライブやでえ!」と吠え、盛大な拍手を浴びた。
幕間VTRの内容は南キャンへのインタビューをきっかけとした、コンビでの格闘ゲーム対決、しずちゃんのセクシーVR体験、山里がディレクションするしずちゃんのラジオパーソナリティ挑戦など。楽屋での山里の様子を隠し撮りした映像は、山里にとってホームであるはずの客席すらもざわつかせる。そのほかライブ内には、山里がしずちゃんにノリツッコミを延々と強いるやりとりや、人気コーナー「効果音女子」と同じ楽曲がコントのBGMとして使われたこと、最近投稿から突如として生まれた「金玉採寸坊や」、開演前の「5代目子供師匠」による影ナレといった「不毛な議論」リスナーの心をつかむ仕掛けが満載だった。
エンディングでしずちゃんは「山ちゃんが悪口言って途中で心がくじけそうになった(笑)。こんなに2人でしゃべることはないやんか。皆さんが見てくれたので、がんばりました」と冗談とも本心とも思える言葉を交えて客席に感謝を述べる。この日会場へ来ていたネタ投稿主のリスナーと南キャンが交流するコーナーもあり、投稿した台本に一言も書いていない悪口がネタに付け足されていた、というリスナーからの苦情が会場中を笑わせた。この公演はDVD化され、4月11日に発売される。DVDジャケットに使われる予定という写真撮影も最後に行われ、客席をバックに南キャンがポーズを取った。
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