優勝はまたしてもあの男！世界キワモノ演芸2009レポート

9月30日、新宿ロフトプラスワンにて「世界キワモノ演芸2009」が行われ、Bコースのハブが優勝した。

この大会は、面白いことにこだわり続け、面白さに垣根を設けず芸を追及した結果、テレビでは放送できなくなったネタを芸人たちが披露する大会。

6回目の開催となる今回は、期待のキワモノ若手芸人が数組加わり、新たなステージが用意された。これまで2度の優勝を果たしている増谷キートンは、今回名誉師範代として参加。好成績を残してきた椿鬼奴も審査員として参加することとなった。

全17組によるトーナメントの結果、2009年の優勝を勝ちとったのはBコースハブ。7月に開催された「よしもと若手だらけの大運動会」のMVP、8月の「大秒殺」優勝に続き、キワモノでも頂点を極めた。

ハブの初戦の相手はですよ。。全身衣装に身を包んだですよ。による「ですよ。ラップ」を、得意の全身タイツ芸で破った。2回戦はLLR福田と対戦。福田の「スロット台との絡み」ネタは、初参戦とは思えないしっかりとした内容だったが、2色のタイツを見事に操ったハブが貫禄の勝利。

準決勝は、「やりすぎコージー」でもとりあげられた、ジャングルポケット斉藤と渡辺直美によるコンビと対戦。彼らは、司会者のパンツ佐藤も真面目に唸るほどの下ネタ演技を披露。しかしハブは、自慢の身体能力を活かしたネタに加え、最後に放った衝撃の言葉で審査員の心を鷲づかみにし、決勝に進出した。

決勝戦の前には、増谷キートンによる師範代の演技も披露された。折しも期間限定再集結している「聖飢魔Ⅱ」のデーモン小暮閣下に扮したキートンは、ライブバージョンの「蠟人形の館」に合わせ、エアデーモンを披露。芸の完璧さに加え、知られざるデーモン自身のトークの面白さで、会場は爆笑の渦と化した。

ハブの決勝戦の相手は、初出場のPOISON GIRL BAND吉田。主催者に勝手にエントリーされ、戸惑いながらもキャラではないネタを真面目に披露。その結果、彼の姿に今後のキワモノ芸人としての可能性を感じた審査員たちが、決勝まで彼を推し進めたのだった。先手となった吉田は、舞台上で実母に電話。センスの良さを感じさせる母親の会話に、吉田の可能性を会場全体も実感。しかし、後手のハブが決勝に出したネタは、渾身の全身タイツ形態模写。それは、これまでさまざまな舞台で披露してきた「枝豆マン」や「小型犬の……」など、ハブオリジナルのタイツ芸のさらに上を行くもので、審査員の心を打ち、見事に優勝をものにした。

優勝決定後堂々としたハブの横には、「ここまできたら優勝させてもらえるかと思った」と、嫌がっていた1回戦とは打って変わって悔しがる吉田の姿が。新しいキワモノ芸人時代の幕開けとなったのではないだろうか。

ほかにも、ハゲ解禁を見事にネタに昇華した5GAP、北斗の拳のケンシロウとザコによるピンクコントを力一杯やりきったキャベツ確認中、下ネタじゃなければスマートと言いたくなるとっしーのネタ、ボーカルにジャングルポケット太田が新加入し、勢いを増したスーパー平成ドデカバンド、細かすぎて伝わらない野球ネタでキワモノと真っ向勝負に挑んだ犬の心池谷とDH億、出演オファーがきたのにトーナメント表に入っていなかったレイザーラモンRGなど、それぞれが表舞台で出せずにいた秘蔵ネタを存分にやりきった。

この書けないネタに関して気になった人は、ぜひ来年自分の目で確かめて欲しい。

「世界キワモノ演芸2009」対戦カード

＜1回戦＞
●エローケイスケ vs POISON GIRL BAND吉田
●5GAP vs キャベツ確認中
●とっしー vs しんじ
●カリカ家城 vs スーパー平成ドデカバンド
●ショート池谷とＤＨ億 vs 押見一門会（犬の心押見・グランジ遠山
●ライス関町 vs 斎藤くんと渡辺直美
●ふくとろじてっちゃん vs LLR福田 VS レイザーラモンRG
●ですよ。 vs Bコースハブ

＜2回戦＞
●POISON GIRL BAND吉田 vs キャベツ確認中
●とっしー vs スーパー平成ドデカバンド
●ショート池谷とＤＨ億 vs 斎藤くんと渡辺直美
●LLR福田 vs Bコースハブ

＜準決勝＞
●POISON GIRL BAND吉田 vs とっしー
●Bコースハブ vs 斎藤くんと渡辺直美

＜決勝＞
●Bコースハブ vs POISON GIRL BAND吉田