11月4日(金)から25日(金)まで、大阪・大阪松竹座にて上演される舞台「笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~」に
「笑う門には福来たる」は、荒物問屋「箸吉」に稼いだ娘・せいが、商いより芸人や寄席に夢中な夫・吉本泰三と共に日本一の興行師を目指す物語。藤山直美がせい役を、田村亮が泰三役を務め、吉本興業の創業を軽妙に描く。ジソンシンが演じるのは「ラッパ亭三角四角」という若手漫才師。2人は三角四角の人生を通じて、先輩について回る若手時代から弟子を抱える師匠時代まで体験する。
三角、四角のキャラクターは模索している最中。稽古が始まって数日はほかの役者の邪魔にならないよう、与えられたセリフを言うだけに留めていたが、「せっかく出てんねんから、自分出していき」という演出家のアドバイスをきっかけに役作りの楽しさを覚えた。一方で「自分の出し方が難しい。自由な分、怖くもある」と下村。始まる前は「こんな長くするんや」と感じていた東京での2週間の稽古に「長くする理由がわかった。個性をどこまで出せるか、もっと掴んでいかないと」と気合いを入れ直した。
一度、ジソンシンのコントで演じているキャラを稽古で出すよう酒井に提案されたことも。「やってみようと思ったんですが、体がビビってるんでしょうね、結局いつも通り。酒井くんも『俺も個性出していくから』って言ってたのに、僕が萎縮してるのを見ていつものまんまでした(笑)」と明かした。これに酒井は「いや、俺は出してたよ? 演出家の方にも『よかったよ』って言ってもらって。2歩ほどリードですね」と対抗心をチラつかせてみせる。
8月に行われた製作発表ではこんなエピソードが。有名ホテルの上層階にそうそうたる出席者が集まる中、下村が黒いTシャツに迷彩柄のハーフパンツで現れ相方を驚かせた。下村は「まじでビビったなあ、あれは(笑)。周りの方々が『お前マジか?』っていう顔をしてたので、これはヤバイと思って持って行ったスーツにすぐ着替えました」と笑う。また酒井は「ちょっとでも変なこと言ったら芸人人生が終わってしまう空気だった」と製作発表での緊張感を大げさに表現。自分のあとに下村が一言求められていた場面を、「『僕の言いたいことは相方がすべて言ってくれました』みたいなこと言ったらシーンとなって。あ、終わったなと思いました(笑)」と振り返った。
将来的にはドラマ出演など幅広い活動に意欲を見せているジソンシン。下村はコンビ結成時に、時代劇に出たいことと一番言いたいセリフを酒井に語っていたという。そのセリフが「斬り捨て御免」だと漏らした酒井が笑いを噛み殺すのに、下村は「何? イジってる?」を不服そうだった。最後に読者へのメッセージを求めると、まずは下村が「吉本を知ってる方にはぜひ観てほしい。あとは僕らが少ない出番の中でもどうにかしてお客さんの目を引こうとしているところをぜひ観てください」とコメント。これを受けて酒井が「僕が言いたいことは全部相方が言ってくれました」と述べると、「それシーンってなるやつやねん!」と下村からツッコミが入る。改めて酒井は「僕らを漫才劇場へ観に来てくれている若い方たちも楽しめると思うし、もっと吉本に興味が出ると思います。いい意味で焦っている僕らの姿を楽しんでくれたら」と結んだ。
なおジソンシンは稽古最終日に「M-1グランプリ2016」の3回戦を控えている。ホームとする大阪ではなく、東京会場への出場だ。酒井は「全然慣れてない劇場で、僕らのことを知ってるお客さんもほぼ0だと思うんですが、その分、ネタバレとか一切なくできるのはちょっと強み」と不安と期待半々の様子だった。彼らは10月25日(火)にエントリーしている。
大阪松竹座11月公演「笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~」
日程:2016年11月4日(金)~25日(金)
会場:大阪・大阪松竹座
脚本:佐々木渚
演出:浅香哲哉
<出演者>
藤山直美 / 田村亮 / 林与一 / 石倉三郎 / 仁支川峰子 / いま寛大 / 鶴田さやか / 東千晃 / 松村雄基 / 大津嶺子 / 西川忠志 / 喜多村緑郎 /
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