今週6月7日(土)に放送される「ザ・ドキュメント『芸の鬼~人間国宝・竹本住大夫 奇跡の復活から最後の舞台~』」(関西テレビ)のナレーションを、
関西テレビは、2012年から約2年半に渡って文楽を取材し続けており、2012年10月に放送された「夢の途上 文楽・人間国宝の弟子たち―」はワールド・メディア・フェスティバル銀賞、ニューヨークフェスティバル銅賞を獲得。今回の番組は、68年間を文楽一筋で生きてきた文楽座・最長老の太夫、竹本住大夫を追ったドキュメンタリーとなっている。
住大夫は戦後の文楽を牽引し、大阪市の補助金カット問題でも先頭に立ち対応してきた文楽の大黒柱。しかし2012年補助金削減問題の渦中、脳梗塞に倒れ休業を余儀なくされた。太夫としての生命線である言葉に障害が残ったものの、半年のリハビリで復帰。昨年2013年12月の菊池寛賞授賞式では、まだ何年も先まで現役を続ける意思を示していたが、わずかその2カ月後に引退を発表した。
この番組を機に住大夫と実際に会った南光は、「短時間の間に、ほんまに芸の真理を教えてもらえたなと思って感激しました」とコメント。ナレーション収録後には引退を残念に思うあまり「気がちょっと入りすぎてる」と自ら苦笑する場面もあり、できあがったVTRを見た際には涙したという。「これまでまったく文楽を見たことがない人も、『もう住大夫師匠は舞台に出られないけど、次の人たちはどう頑張ってるんか見に行ってみよう』と思っていただければ」とメッセージを送った。
番組オフィシャルサイトでは、南光と住大夫の初対面シーンや、ナレーション撮りに密着したスペシャル映像を配信中。そちらもぜひチェックしてみよう。
桂南光コメント
――初めて竹本住大夫師匠に会われての印象は?
とっても感激しましたし、89歳で引退されるのにお元気だなと思いましたね。怒ってはるときもそうやし、もちろん舞台も。まだ引退せんとってほしいなと思っていましたけど、自分でやめるっていう決断はすごいことだと思います。後輩にも厳しいけど、一番自分に厳しい方なんでしょうね。文楽の世界であれだけやってこられて、普通に話をしてもらえて、ほんまもんの人っていうのは“普通”なんだなと。特別な構えもないしね。短時間の間に、ほんまに芸の真理を教えてもらえたなと思って感激しました。
――今回、番組のナレーションを引き受けようと思われた思いは?
やらせてもらえるなんて夢にも思わなかったので、お話をいただいて「喜んで、私でよければ」と。住大夫師匠が引退される番組のナレーションを自分ができるっていうのは、私にとっても人に自慢できることやと思いますので、文楽の方々にも喜んでもらえるように頑張りたいと思いました。大阪弁しかしゃべられへんけど、それでいいんですよね(笑)。
――ナレーション撮りの感想はいかがですか?
私も文楽が好きで、住大夫師匠が引退されるのは残念やなと思ってましたので、気がちょっと入りすぎてるんですよ(笑)。収録している途中で、気がついたんですけどね。映像を見ててもいろいろと私なりに思うところもありますし。でも、引退されるけれども、元気な師匠でラストを迎えていらっしゃるので、私はとてもうれしいです。
――番組の見どころをお願いします。
住大夫師匠の笑顔もあれば、恐ろしい顔もあって、一文楽ファンとしても、とてもうれしい番組です。私は、できあがったVTRを家で2回見たんですけど、要所要所で感動して泣きましたからね。これまでまったく文楽を見たことがない人も、「もう住大夫師匠は舞台に出られないけど、次の人たちはどう頑張ってるんか見に行ってみよう」と思っていただければ。
ザ・ドキュメント「芸の鬼~人間国宝・竹本住大夫 奇跡の復活から最後の舞台~」
関西テレビ 2014年6月7日(土) 9:55 ~ 10:55
ナレーション:桂南光
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