「最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ」をいろんな角度から楽しむ #5 [バックナンバー]
永野インタビュー、ダイアン津田とコンビを組んで感じたこと
「お笑いって楽しいんだ」と初めて思えた
2024年11月5日 18:00 34
取材・
津田からの指名は「まったく意識してない人に告白されたみたい」
──番組のオファーがきたときの心境はいかがでしたか?
「きたな!」という感じで、率直にうれしかったです。「ドキュメンタル」がまさにそうですけど、Amazonのバラエティ番組って選ばれし者たちが出てるというか、出演すること自体がイケてるイメージなので。自分にとっては「羨ましい」とすら思わないような離れた存在だったので、まさか呼ばれるとは……。
──「離れた存在」とのことですが、そういった番組に呼ばれてもおかしくないくらい評価が上がってきているという実感はありますか?
今年に入ってから、なんとなく世間からの評価が上がっている気はしてたんですが、それを一番実感したのはやっぱり「THEゴールデンコンビ」に呼ばれたことかもしれないです。今までは「ノーセンスユニークボケ王決定戦」みたいなコアなライブでの評価と、世間からの「ラッセンの人」という評価に乖離があったんです。でも、やっとそこの乖離がなくなってきたかな。今のお笑いシーンの中心地って千鳥がMCの番組だと思うんですけど、そこに出ている自分と「ノーセンス」の自分がやっと合致してきたというか。
──ダイアン津田さんからの指名という点はいかがでしたか?
すごくうれしかったし、「僕のことを評価してくれてたんだ!」という驚きもありました。まったく意識してない人に告白されたみたいな。共演した回数もそこまで多くないので逆にガチっぽい(笑)。
──プライベートでの交流もほぼない?
そうですね。仲いい人とか事務所の後輩とか指名相手の選択肢なんかいくらでもあったはずなのに、不純な動機一切なしで事務所が違う僕を呼んでくれて。ダイアンのような関西の本格派の漫才師って僕のこと面白いと思ってくれているのかな、と疑問に思っていたんです。だから今回の指名は自信に繋がりました。
──自分たちのコンビを客観的に見てどのような印象でしたか?
津田くんと顔合わせしたときに「ほかのコンビと違って自分たちはいるだけで成立する」と話していました。僕たちには“圧倒的な何か”がある(笑)。明らかに異質だし、ほかの出場者の写真を見たときも「別枠というか、なんかほかと違うよね」「スペシャルゲストに見えない?」と言っていました。ロジカルに作戦を固めることができないので「俺たちはいることが勝ちだ」と言い聞かせていたのかもしれません。相手がロジカルに来たら、「笑いってそういうことじゃないから」みたいな態度でカウンターを食らわせるみたいな。
僕、誰よりもカッコいい顔で舞台裏にいたんですよ
──収録当日の話もお伺いできればと思います。
収録はけっこう朝早くからで、現場入りしたらすぐにスタッフさんが「セット見に来てくださいよ!」とか言ってきて。まだ眠かったので、うるせえなと思ったんですよ(笑)。「外資系が関わってるとスタッフもアッパーなんだな」って。でもいざ見たらめちゃめちゃ豪華でビックリしました。「豪華すぎない、これ!?」「こんな状況でやんの!?」みたいな。お笑いってチープな場所のほうが面白くなったりするじゃないですか。でも結果的にこの豪華なセットで大成功でしたね。
──当日のコンディションはいかがでしたか?
これ……収録中は言えなかったんですけど、実は前日に「さんまのお笑い向上委員会」で陣内(智則)さんに髪の毛を引っ張られてたんですよ。あれが夜の23時くらいで、その8時間後には「THEゴールデンコンビ」に向かってた(笑)。そのときはまだ陣内さんの気持ちもわかっていない状況(※)。答え合わせができてない不安があること、ほぼ眠れなかったことが重なって、逆にハイテンションでした。それがよかったような気もします。「先輩に髪の毛を掴まれて床に倒される」というものすごくつらい経験をした直後なので、いい意味でリラックスできました。
※編集部注:「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ系)で永野が陣内智則をイジって乱闘に。永野はすっかり脅えてしまったが、その後、陣内が自身のYouTubeチャンネル「陣内智則のネタジン」に永野を招き、本当に怒っているわけではないことを伝えている。
──実際にバトルに挑んだご感想は?
すごく頭を働かせなければいけないなと思いました。アイデアをいろいろ出した上で、場の状況を見て、まだ動かないとか。将棋みたいな感じ。周りからは動いてないように見えるけど、頭の中はすごく考えてる。次の次の手を考えて動けなくなるみたいな。とにかくすごく考えてました。
──現場はヒリヒリしていましたか?
舞台裏でみんなが本当に一生懸命で、自分たちもみんなも余裕がないからヒリついてましたね。ホリケンさんなんてキャリアも年齢も一番上なのに、いい意味で余裕こいてないし、貪欲でまったく手を抜いてないことに痺れました。たまに「M-1」の舞台裏とかを「編集カッコつけすぎ」ってイジるんですけど、自分も参戦する側になって「あれは余裕がないからなんだ」とわかりました(笑)。「M-1の舞台裏にいる漫才、カッコつけすぎ」って言ってたけど、僕、「THEゴールデンコンビ」では誰よりもカッコいい顔で舞台裏にいたんですよ(笑)。だからイジってきた人たちに申し訳ないなと思いました。あれ、カッコつけてるんじゃなくて余裕がないだけだった。ただ千鳥のMCのおかげで、ずっと楽しい雰囲気でした。戦う系の番組って悪い意味でシリアスすぎるときがあるじゃないですか。「ストイックすぎて笑えねえよ!」みたいな。それはなかったです。あと、お笑いのトップを走っている人たちばかりという状況で「俺の立ち位置ってここなんだ」「俺はここで光れるんだ」みたいなことを再認識できました。千鳥が真ん中にいる「お笑い界の縮図体験コーナー」みたいな(笑)。
初めての「楽しい」という感覚
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オダウエダ 植田 @odaueda
非常に嬉しいお言葉でございます
ありがとうございます https://t.co/Cn1I5J6M9P