ウエストランド井口と作家飯塚の「今月のお笑い」。

今月のお笑い 24本目 [バックナンバー]

ウエストランド井口と作家飯塚が語る「2024年4月のお笑い」

井口の名審査光る、とにかく空腹「大脱出2」、爆笑問題カーボーイでのあの話

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ウエストランド井口と構成作家・飯塚大悟が毎月のお笑い界の出来事を勝手に振り返る連載「今月のお笑い」。今回は、4月30日に開催した「今月のお笑いネタライブ!!」で発揮された井口の意外な名審査員ぶりを改めて自己分析&飯塚が評価しているほか、好評配信中のDMM TV「大脱出2」、このところ毎月話題に上る令和ロマン関連の話、今週末開催の「THE SECOND~漫才トーナメント~」の戦い方などについて語った。河本太の騒動とタイタンという懐深い事務所についても。

構成 / 狩野有理 ヘッダーイラスト / 清野とおる

※取材は5月8日に実施。

永田敬介はどろっとしている

──♪ハッピバースデートゥーユー~……ということで、井口さん5月6日はお誕生日おめでとうございます。飯塚さんと相談してプレゼントをご用意しました。

井口 ありがとうございます! 開けていいですか? (プレゼントの箱を開ける)

──スキンケアセットです。

井口 これはリアルにうれしいですね。

飯塚 「今月のお笑いネタライブ」の審査で「肌をどんどん汚くしていけ」って若手にアドバイスしていたから、逆にこれを。

井口 いや、うれしいです。僕くらいになったらもうきれいにしていったほうがいいですから。(「今月のお笑いネタライブ」の出演者は)みんなつるんとしていたじゃないですか。お肌ツルツルでウケるのはなかなか難しいので。

飯塚 理想は誰の肌だっけ?

井口 や団です。や団の誰、とかじゃなくて、ざっくりや団くらいの肌になったら笑えます。

誕生日プレゼントとしてスキンケアセットを贈られた井口(左)と、飯塚(右)。

誕生日プレゼントとしてスキンケアセットを贈られた井口(左)と、飯塚(右)。

──では4月30日に開催した「今月のお笑いネタライブ!!~審査員は井口だけ~」の感想からいきましょうか。

飯塚 僕は打ち上げができたので大満足です(笑)。

井口 打ち上げをやるためのライブ開催でしたもんね(笑)。

飯塚 芸人さんとの飲みの場に作家が混じってると「なんでこの人いるんだ」と思われがちだから、打ち上げだけが唯一の居ていい場所というか。居ていい理由がある。だから打ち上げは好きです。

井口 芸人としてもやっぱり打ち上げはやりたいですよ。コロナ禍で打ち上げがなくなって、けっこういろんな損失があったと思います。そこで話すことが意外と役に立ったり、ヒントになったりもするので。あの時期に芸人始めた人、すぐやめちゃってましたもん。だって、ライブに出てスベって、打ち上げもないって全然楽しくないじゃないですか。僕もライブに出る機会が減ってきたし、こうやってライブに出て、打ち上げに行くっていうのはできる限りやっていきたいですね。

飯塚 大変なラジオ(※)の前に、ギリギリまでいてくれて。

井口 本当はもっと楽しみたかったですけどね。ノンアルコールで過ごしました。

※編集部注:相方・河本の騒動後、初めてコンビで騒動について話す「火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)を打ち上げ後に控えていた。

──一応ライブについて説明しますと、「今月のお笑いネタライブ」にはこれまでの連載記事に一度でも名前が出たことのある芸人の中から、演芸おんせん(体調不良のため当日休演)、キャプテンバイソン兄弟ダウ90000TCクラクションド桜トンツカタンお抹茶永田敬介フランツマタンゴリニアを迎えてネタを披露してもらい、井口さんが今後来るかもしれないオファーに備えて審査員をやってみる、というライブでした。途中で点数を変えてもいい、心象重視でもいい、などゆるい採点基準にしていましたが、ちゃんとネタを評価するガチな採点で、芸人さんたちも盛り上がっていました。

ライブレポート

井口 飯塚さんチョイスなので、どういう意図で選んだのか僕は全然知りませんけど、けっこう僕の歴史みたいなメンバーでしたよね。S×L時代から大船でずっとライブをやっていたリニアはじめ、永田くんは前に組んでいたスパナペンチで一緒に「THE MANZAI」の認定漫才師になりましたし、TCクラクションのさかもっちゃん(坂本No.1)もドリーマーズ時代から一緒にやってた仲間で、そこから数年経って後輩と始めた「漫才工房」のメンバーだった村田が今のコンビで出てくれて、そして最近の僕の標的になっているダウ90000もいるという(笑)。僕の芸人生活を振り返る機会にもなりましたね。

飯塚 永田くんの経歴を知らない人は、河本太イジりから始まるネタを観て「なんだこの失礼な人は」って思ったかもしれないけど、ちゃんとウエストランドとの歴史がある。スパナペンチや真空ジェシカの世代が最初に大学お笑いとして出てきたとき(※)に、永田くんだけ変だなと思っていたんだよね。みんな若くてキラキラしてる中、永田くんは立っているだけで不審者感が漂ってて……。それもあって、スパナペンチは当時からすごい気になってた。また今活躍するチャンスが来て欲しい。

※編集部注:スパナペンチは2011年に「学生才能発掘バラエティ 学生HEROES!」(テレビ朝日)の企画「第1回漫才を愛する学生芸人No.1決定戦」で優勝。真空ジェシカも同大会で決勝進出し、2組とも後にプロダクション人力舎にスカウトされ、所属した。

井口 ライブでも言いましたけど、永田くんとはよく下北沢で一緒に飲んでましたから。解散するって話を聞いて、止めたりしたこととかも思い出しましたね。昔「人志松本のすべらない話」(フジテレビ)のオーディションで一緒になったこともありましたけど、大学お笑いでチヤホヤされてる奴らに対する不満もすごくて、究極のこじらせ、とでも言うんでしょうか。とにかくエピソードが豊富だから見つかりさえすれば一気にバーっと売れそうですけど。

飯塚 永野さんじゃないけど、陰の猛者みたいな感じだよね(笑)。

井口 かつ、永野さんともまた違うんですよね。嫌な思いをしたら絶対に許さないし、筋が通ってる。好きだった女の子を取られたことをまだ言ってる、みたいな。本当に根深いですよ。

飯塚 永野さんはカラッとしてるからね。全部諦めがついてる。

井口 確かに。永田くんはどろっとしてますもん。「チャンスの時間」(ABEMA)とかでちょうどいい企画があるといいですけど。

飯塚 バチっとハマる企画がありそうだよね。

「井口の審査」の評価は

井口 お客さんの感想を見たら、やっぱり僕がふざけたところばっかり取り上げてて。僕がちゃんと審査していたってことをここで強く飯塚さんに言ってもらわないと。けっこういいこと言ってましたよね?

飯塚 みんなびっくりしたと思う。こんなにちゃんと審査するんだ!って。ネタを披露した芸人さん本人が頷くようなことを井口くんが指摘していて、「今後取り入れます!」とかも言われていたからね。井口くんは審査員をやってみてどうだったの?

井口 大変は大変でしたね。どういうことを言うか、研ぎ澄ませて考えないといけないので。本当に何も言うことが思いつかないこともあるわけじゃないですか。たまたま今回は、けっこう言うことがあったからよかったですけど。あと、これだけ異種格闘技だととにかくムズいです(笑)。特にダウ90000のネタはどう評価すればいいんだ?と悩みましたね。

飯塚 ダウ90000のネタを初めて見たって言ってたのは本当?

井口 ちゃんとは見たことなかったんですよね。「M-1」に出ているのとかは見ましたけど。

飯塚 すごいよね、ネタも見ずに雰囲気だけでずっと文句言ってたんだ(笑)。

井口 「そういや見てなかったわ」ってそのとき気づきました(笑)。でもこうやって結果を見ると、我ながらいい収まりになったなと思います。

──飯塚さんから見て、井口さんの審査員ぶりはどうでした?

飯塚 漫才師だけどコントの矛盾点とかも指摘したり、そういう目線でしゃべれるんだなって思いました。こうやって、人のネタに対してしっかり意見を言えるところを今まであまり見せてきていないから、お客さんも新鮮だったと思います。

井口 まあ、普段コントを見てないからスッと入ってきたっていうのもあります。コント好きな人だったら、いろいろ考えて面白くなる部分もあると思うけど、見慣れてないからこそ「僕はここ引っかかっちゃったよ」ということを言えたと思いますね。(結果を眺めながら)TCクラクションも面白かったな。トップバッターだったけど、ちゃんといい順位になっているんですよね。

飯塚 実はお抹茶に、井口くんにダメ出しされやすいネタをやってたんじゃないか疑惑が浮上してて(笑)。自ら斬られに行ってたっていう。

井口 お抹茶はもう1回呼び出さないとダメですね。お抹茶、最下位ですから。2番手で、そのまま最後まで最下位。すごくないですか? TCのあと、ちゃんと最下位つけてるんだから。

飯塚 91点から83点の振り幅がね。

井口 そこは思い切ったんですよ、僕も。お抹茶があんまりよくなかったから(笑)。

飯塚 ここで日和って87点とかにしてたら、あとが詰まっちゃって大変だった。

井口 こういうとき87にしがちなんですよ。そんな中、この点数。相当すごいですよ。全員見てから点数付けたわけじゃないですからね? その場その場で付けて、これ。一度だけ点数が被っちゃって1点下げた場面もありましたけど、そのほかは変更なく。これはもっと評価されていいですよ。

「今月のお笑いネタライブ!!」出場者の得点と順位。

「今月のお笑いネタライブ!!」出場者の得点と順位。

飯塚 結果リニアが優勝したけど、「THE SECOND」上がりだから仕上がりきってたね(笑)。

井口 賞レース直後というアドバンテージは出てましたね。決勝で3本やる予定で準備してるから仕上がりきってた。漫才にうまいとか下手とかあんまりよくわからないと思っていましたけど、今回そういうのも感じました。「さすが16年もやってればちゃんとうまいんだな」とか。うまいというか、声が聞き取りやすい、所作がちゃんとしてる、みたいな次元ですけど。

飯塚 リニアが「THE SECOND」決勝に行けなかったのは残念だった。

井口 いや、だからだいぶ本人にも言いましたよ。勘弁してくれよって。こっちは行くと思ってたんだから。ネタは仕上がっているので、あとは何かで注目されるといいですけど。

飯塚 すぐ引退しようとしたり、解散しようとするからね、リニアは(※)。

井口 実際解散したりもするから(笑)。

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※編集部注:リニアは「M-1グランプリ」への挑戦終盤、「今年ダメだったら解散する」とSNSで宣言しては撤回するというのを繰り返しながら、葛藤の中、活動を継続してきた。

飯塚 S×Lって「なみいろ」(フジテレビ「新しい波16」)世代なんだよね。かまいたちやニッチェと同じ世代だと思うと、けっこうベテラン。ライブでも言ったけど、しょうへいさんの演技がすごく上手で、僕には西田敏行に見えた。いつかすごい俳優になりそう。って、今後もし評価されたときに最初に見つけてたって思われたいから、ここでも言っておきます(笑)。

井口 でも本当に変な人ですからね、しょうへいさんって。本(※)も読みましたけど、病気になってなお、変な人なんだって思いました(笑)。根っからの変な人と、「人気者になりたいんだ!」という欲満載の啓太さんが絡み合って、どんどん面白くなってきてる。

飯塚 都市伝説のYouTubeやったり、TikTokで別キャラをやったり、そういう感じで売れようとしてるのかな?っていう時期もあったけど、結局はやっぱり漫才で評価されてよかった。

※編集部注:しょうへい著「『M-1』ラストイヤーなのに予選期間に入院することになった芸人の日記」が4月30日に電子書籍で発売。幼少期から心臓の持病を持つしょうへいが治療と検査の日々を淡々と綴っている。

飯塚 出ていた芸人さんは井口くんの審査がこんなにガチだと思ってなかったから、また出たいって言ってくれてた。

井口 それはありがたいですね。第2回の出演者がどうなるか。引き続き出る人もいれば。違う人が来るのか。

──来年またやってもいいですか?

飯塚 やりたいです。

井口 これくらいだったら僕もいいですよ。

飯塚 これくらい?

井口 カロリー的に。

──点数表示をもう少しグレードアップさせるほかに、改善点はありますか?

井口 僕の入り時間には必ず友達も入るようにしてもらいたいです。楽屋で1人になっちゃうので。しょうがないから蓮見とスタバに行きましたけど。

──いいじゃないですか。

井口 嫌でしょ、蓮見とスタバ行くところなんか見られたら。

飯塚 仲いいんじゃないかって思われちゃう?(笑)

「今月のお笑いネタライブ!!」の様子。

兄弟と共演「今月のお笑いネタライブ!!」舞台裏の様子。

本当に観てほしい「大脱出2」

井口 飯塚さんに言ってほしいのは、僕も出ている「大脱出2」(DMM TV)ですね。いっぱい褒めてほしいし、なんとか話題になってもらいたいので。

飯塚 「大脱出2」、めちゃくちゃ面白いです。翻訳して世界に出したら日本のエンタテインメントとして話題になるんじゃないかなっていうくらい。「イカゲーム」(Netflix)みたいに。芸人過酷バラエティの部分と、謎解き的な部分の配分がすごくいい。

井口 DMM TVが比較的新しいサービスだから、まだ登録してない人も多いと思いますけど、本当に観てほしいんですよ。なぜなら、大変だったから!

飯塚 本当に緻密に作られていて、こういう行動してくれるだろうって想定でメンバーを選んでるだろうから、相当熟考されている気がする。

井口 やってるほうは何がどう盛り上がるかわからないでやってますけどね。極限状態みたいなところもあるから、狙ってやれるわけじゃないですし。配信開始されてから「ここがこんなに反響あるんだ!」って驚きます。

飯塚 ネタバレしないように言うと、ある食べ物をさらば青春の光の2人が井口くんとお見送り芸人しんいちに受け渡すシーンがあるんですけど、見たことない映像になっていて(笑)。

井口 あのときはとにかくお腹が空いていて。当然編集でぎゅっとされてますけど、空中の部屋で何時間も飲まず食わず、血走った目でドミノ倒しやってるわけですから。だからこそ、マジの「くれよ!」が出てる(笑)。

飯塚 ラストの展開とか、地上波テレビでは見たことない映像が観られて、僕はワクワクしました。

──こういう作品って、演者のみなさんは一般的な配信開始より前に映像をチェックできるんですか?

井口 いやいや、普通に配信で観てますよ。だからこの間しんいちさんに会って、「ラッキーでしたね!」って言い合いました。こっちはただ腹が減ってただけなのに、評判になっていてありがたいですよ。さらばが所持金を無駄使いしようとしていることに対して僕が何気なく言った「めっちゃバカじゃん」が使われていたり、何がどう面白くなっているかは、配信で観るまでわからないんですよね。

飯塚 DMM TVって吉本の芸人さんは基本出てないけど、意外とあの空間に入っていける吉本の人っていないんじゃないかなと思った。うまく言語化できないけど、なんか合わないというか。

飯塚 ああいうやられ顔が生きるのは、あのメンバーなんだよね。吉本じゃない芸人が醸し出せる空気というのがある気がする。明るいからかな? 吉本の人たちは。

井口 それはあるかもしれないです。こっちは陰湿なので(笑)。みんな昔から知ってる人たちだから、お互い協力するところもあれば足を引っ張るところもあるっていう絶妙なバランスでやってました。覆面のでっかい奴も怖かったですよ。あれが“あいつ”って全然わかんなかった。

飯塚 鉄仮面を被っている人が途中で出てくるんですけど、その人がネタバレしないように全然SNSで告知していないのが健気だなと思う(笑)。「出てるから観てね」って本当は絶対言いたいはずだから。

井口 ギミックとかもすごくよく練られているし、映像自体も見応えがありますよね。

飯塚 でも難しいよね。好評だからと言って、「またやりたいです!」は違うじゃん。

井口 確かに。けっこう嫌だからなあ。今は苦労を忘れちゃって、評判もいいし「よかった」とか言ってますけど。嫌ではあるんですよ。

飯塚 「嫌だったから観てください」ってことだよね。

井口 本当に! マジで大変でしたから。

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「THE SECOND」の戦い方

──5月18日(土)にフジテレビで生放送される「THE SECOND~漫才トーナメント~」グランプリファイナル進出の8組が出揃いました。

「ノックアウトステージ16→8」までのトーナメント結果。

「ノックアウトステージ16→8」までのトーナメント結果。

井口 これに関しては、リニア、何やってんだよ!ってことですね。僕はリニアが優勝するんじゃないかと思っていたので。まあ、相手がハンジロウさんだったからしょうがない部分もあるけど。

飯塚 8組中、金属バット以外の7組が初のグランプリファイナル。前の出番の人の空気をいかに塗り替えていくか、というところで「M-1」のことをかまいたちの山内さんが「スプラトゥーン」と言っていたんだけど、「THE SECOND」はその要素がより強いなと思う。先攻ですごく色濃く残せれば後攻のコンビに塗り替えられないし、それ以上の印象を残せば塗り替えることができる。タイマン形式になってることで、審査には多少なりとも「どっちを応援したいか」の気持ちも乗っかってしまう部分があると思うから、同じくらいの面白さだったら新しい人が勝ちやすい雰囲気もちょっとある気がしましたね。

井口 消耗戦でもありますから、そういう意味では金属バットさんはすごいですよね。

飯塚 そうだね。今年のザ・パンチ、去年のマシンガンズもそうだけど、「久々に見たけどこの人たち、今こういう感じなんだ」っていう衝撃を与えるコンビと、ずっと賞レースに出続けていろんな強いネタを持っているコンビの2タイプいる気がする。

井口 優勝するまでに3ネタやらないといけないから、いろんなネタを持ってる人が強いというのもあるけど、変なことをしすぎると「これ漫才か?」みたいになってあんまり点が入らない、とかもありそうです。かといって同じパターンのネタばっかりだと息切れしそうでもあるから、戦い方が難しいですよね。

飯塚 少し話が逸れるけど、「THE SECOND」って大会のアートワークが凝っていて。オフィシャルサイトに載っている「グランプリファイナル」出場芸人の写真がアクスタみたいになってる。

井口 本当だ! 「R-1」はnoteで合格者見なきゃいけないのに。オフィシャルサイトに何の情報も載ってないですからね、「R-1」は(笑)。

飯塚 あとは、くりぃむしちゅー有田さん、博多華丸・大吉さんもサポーター的な役割でスタジオに登場する。

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井口 有田さんは満を持しての賞レースへの参加ですよね。本当にお笑いが好きな方ですし、若手やくすぶっている芸人が出られるバラエティをずっとやってきていますから。

飯塚 前回大会アンバサダーを務めた松本(人志)さんが今回出演しないことで雰囲気が変わるのか、というところも気になる。

井口 ただ僕としては、去年ほど思い入れがある人があまり出ていないんですよ。マセキのメンバー的にはハンジロウさんがいますけど。

飯塚 自分もマセキかのような発言(笑)。

井口 我らマセキ(※)としては、ハンジロウさん応援したいですね(笑)。

※編集部注:三四郎、ルシファー吉岡、モグライダー、ジグザグジギーらと仲がよく、マセキ芸能社のライブに頻繁に出演している井口は「ほぼマセキ」と言われている。

三四郎の武道館と井口のキャラ変

飯塚 「三四郎のオールニッポン」10周年記念の武道館ライブが発表されてたね。

井口 「オールナイトニッポン」という軸が三四郎の中にあるんだろうなっていうのは、僕がずっと近くで見ていても感じますね。テレビでなんやかんややってても、ホームは「オールナイトニッポン」なんだっていう。

飯塚 三四郎にとっての代表作は何か?と言ったら、「有吉の壁」(日本テレビ)とかもあるけど、やっぱりラジオなんだろうね。

井口 この前、XXCLUBの大島と久しぶりに話して、言っていたのは、隠語みたいな感じのゲストの呼び方とか、ファミリー感とか。

飯塚 なかやまきんに君とかばっかりゲストに呼ぶもんね。

井口 しずるKAƵMAさん、はんにゃ.金田さん、四千頭身・都築とか。これが番組での定番になっていて。安易にそのときそのときの人気者を呼んで盛り上げるというやり方ではなく、自分たちの世界を作ってやっていますよね。

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飯塚 三四郎って、本人たちがそういう気質じゃないんだろうけど、全然軍団みたいになっていかないね。兄貴肌じゃない。テレビに関して言えば、三四郎とかウエストランドで軍団を作って戦っていったほうがいいと思うんだけど、そのへんのメンバーってみんなそれぞれの現場で個々にがんばってる。この人たち全然ひとつにならないな?と思って見てる(笑)。

井口 無頼の集まりすぎるんですよ(笑)。小宮さんができる人を集めたがらないっていうのもあると思いますけど。三四郎は僕らの中では早めにバーンとテレビに出だしたから、僕みたいに後輩と一緒にライブもやってきてないんです。まだ僕のほうが、後輩が売れてきたときに一緒にテレビにも出られる気はしますけど。

飯塚 本人の前で言うのもあれなんだけど、井口くんって昔はもっと自信ないキャラだったよね。周りに先輩も多かったし、もっと自虐的なことを言っていた気がする。「M-1」優勝したっていうのがもちろんあるんだろうけど、今みたいに“自信のある人”にスイッチできたのがすごいなって思うよ。前は「令和ロマン、かかってこいよ!」とか言うタイプじゃなかった。もともとそういう気持ちの強さは持っていたのかもしれないけど。やっぱりそういう人じゃないと、周りがこの人についていこう、この人に懸けてみようという気持ちにならないと思う。「バラバラ大作戦」(テレビ朝日)でMCの番組(「耳の穴かっぽじって聞け!」)が始まったのも、そういうことがあるからなのかなと思う。人としての頼もしさが出ているというか。

井口 単純に、知り合いが増えましたからね。知らない人にケンカを売る度胸はまったくないですけど。

飯塚 先輩からイジられる後輩キャラから、いい感じで先輩キャラにシフトできる人と、そこにシフトせず後輩とまったく絡まない人がいるよね。

井口 僕は後輩が好きですからね。ともしげさんは後輩がとにかく怖くて絶対飲みに行けないので。「井口くんがいないと後輩とは飲めない。絶対俺のことをバカにしてる」って言うんですけど、いやしてるだろ! バカにされてると思って飲めよ!っていう(笑)。バカにはしてるけど尊敬もしてるんだから。で、(スーパーニュウニュウ)大将さんとケンカしちゃってて、とうとう飲み友達もいなくなって。何やってんだよ。

令和ロマンけっこうテレビ出てる問題

飯塚 「令和ロマンけっこうテレビ出てる問題」っていうのがあって。全然問題ではないんだけど(笑)。「テレビ出ない」と言っているのが効いてて、「令和ロマン、意外とテレビがんばってるじゃん!」という声が出てる。

井口 それ、不良がゴミ拾った系のやつじゃないですか!

飯塚 不良がゴミ拾ってる現象で、「令和ロマンけっこうテレビ出てるな」と思っちゃってる。

井口 出てないよ! よく考えろ!(笑)

飯塚 「ウワサのお客さま」(フジテレビ)に“カプリチョーザが好きな芸人”という役割で出ていたりもしてた。「テレビ出ないって言ったもんね?」みたいなイジられ方はけっこうキツいと思うんだけど、令和ロマンは「いや、違くて……」って逃げないんだよね。「そうなんですよ、出ないんですよ」とか言って飄々とやっているのが、気持ちが強いなって思う。井口くんみたいに、ネタ化して「ブランディングすんな!」とかならケンカしやすいけど、先輩たちの半分マジのイジりにも対応しているのがすごい。

ウエストランド井口と飯塚大悟。

ウエストランド井口と飯塚大悟。

タイタンという事務所

飯塚 あの話はどれくらいしていいのかな。太くんの騒動後にウエストランドが出演した「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)の生放送を聴いて、太田さんってやっぱりすごいなって思った。この手の騒動があったときに、自分は何の被害も受けていないのに“謝る瞬間を見に来る人”って一定数いて、それが常々怖いなと感じているんだけど、たぶんそういう野次馬的に聴いていた人もたくさんいる中、太田さんが一番強く言っていたのは「舞台に穴を空けたことに対してお詫びしなきゃいけない」ということ。世の中に謝るんじゃなくて、直接迷惑をかけた人に謝るってことをすごく言っていたのが太田さんらしいと思ったし、「我々は身内だから公の場で謝る必要はない、ウエストランドにはいい思いしかさせてもらってない」みたいなことをさらっと言えるのもすごいよね。

井口 だからあのとき、僕も「泣かない」と決めて生きていなければ泣いてましたよ。「泣かない」と決めて生きているので、泣きこそしませんでしたけど。

飯塚 無理せず泣いちゃえばいいのに(笑)。

井口 あそこで僕が泣き出したらいよいよわけわかんなくなりますからね(笑)。太田さんは「俺らには謝らなくていい」ってそりゃあ言いますけど、一方で僕らは社長含め、事務所の方たちには恩返ししていかなきゃいけないなという所存です。

飯塚 タイタンって何かあったらこういうふうにフォローしてもらえるのが、ほかの事務所にはないところなのかも。

井口 大きい事務所だと、すぐ謹慎とか、クビとか、全然あるとは思うので、そう考えるとタイタンならではなのかもしれないです。あとは、とにかくギャラのことばっかり言われます。「ギャラ折半解消」(※)がニュースになるってなんなんだよ! 折半してたときは全然「偉いね」って言ってくれなかったのに。それと、僕は躊躇してないですからね。

──お笑いナタリーでは太田光代社長に取材して、その言葉を記事にしているんですが、説明していただけますか?

井口 社長が言っていたのは「今まではそうだった(=躊躇してた)けど、今回の件で提案したときは納得していた」ということだったと思うんですけど、「今回の件でもなお井口が躊躇してる」ってことになっちゃっているんですよ。僕の好感度が上がる分には全然別にいいんですけど、「あいつ弱み握られてるんじゃないか?」とかめっちゃ言われたんで、それだけは強く否定します。

飯塚 もう折半はやめてるの?

井口 やめてます。やめてますけど、みなさん「井口のギャラが倍増して河本が0になる」と思っているのかもしれませんが、基本コンビの仕事ですからね? 今後、もし同じようにお仕事をいただければですけど、急に0になるということはないですから大丈夫です。だから急に僕がとんでもなく稼ぐようになったとか、みなみかわさんみたいなこと言うのはやめてください!

飯塚 そもそも「折半」をよくわかってない人もいた。「あんなに井口のほうがしゃべってるのに折半なんだ」みたいな。「ピンの仕事も折半」というところが伝わってない。

井口 そこを全然わかってないんですよね。「俺ならあの分量で折半だったら耐えられないなあ」じゃなくて! 1人の! 僕が1人で箱に閉じ込められようが、バズーカ砲食らおうが、折半なんだから。

飯塚 「大脱出2」のギャラは太にも入ってるってことだよね。

井口 知りませんけど、時期がそうなら、入ってますよ。そのことを言ってるんだから。本当にわかってないなあ。

飯塚 あと、太が行けなかった営業で井口くんがやっていた「即興悪口」をナイツがラジオで褒めていたね。

井口 ねづっちさんが僕の前の出番で、お客さんからお題をもらって即興で謎かけをやっていたんですよ。だから、舞台に出ていって「僕も即興で謎かけやってみたいので、お題いいですか?」とお客さんにお題をもらい、「ごめんなさい、ちょっと謎かけできないんで悪口でもいいですか?」って悪口を言うっていうのをやりました。意外とそれでいけましたね(笑)。

飯塚 「早悪口選手権」があったら井口くん優勝するんじゃない? 普通、そんなにすぐ出てこないから。しかも、ちょうどいい悪口。

井口 いろいろ言っているうちにいいのが出てるので、とにかくまず言わないと。

飯塚 悪口を言いながら次の悪口を考えるという、悪口の無限製造機(笑)。

井口 でもそう思うと、「ぶちラジ」の企画でやっていたようなことが有事のときに生きたのかもしれません。だから、1人で舞台に立っても誰にも心配されなかったです。袖にもあんまり芸人が集まらなかったですよ。

※編集部注:まだほとんど仕事がない頃、河本にCMの仕事が入った際に、井口の将来を見込んでいた河本からギャラの折半を提案。井口がまんまと食いつき、今年4月に騒動があるまで折半は続いていた。井口がピンの仕事をしているときに河本は個人的にバイト(もちろんこれは折半ではない)をしていたため、井口以上に収入があった、というエピソードもおなじみ。

大学お笑いイジりとおじさんの感覚古いイジり

飯塚 「しくじり先生」(テレビ朝日・ABEMA)で、大学お笑い出身芸人に対して高卒の鬼越トマホークが自虐も交えつつ文句を言っていく企画があったんだけど、こういう最近の大学お笑いイジりに対して、不快感を示してる大学お笑い出身の人もいたみたい。でも難しいなと思うのは、僕らはおじさんだから、こっちのほうが弱い立場として「いいよな~大学お笑い」って下から言っているつもりなんだけど、若い人からするとそうじゃなくて「おじさんに潰されてる」という感覚になる。そういう現場をこのほかにもいくつか見たことがあって。

井口 なるほど。その「潰されてる」と思う感覚もわかります。わかりますけど、一方で軟弱な気もしちゃいますね。

飯塚 僕らの時代の後輩潰しってそんなもんじゃなかったからね(笑)。もっと陰湿で、キツい後輩潰しだった。その感覚の違いが噛み合わない原因でもあるんだろうなと。でも「軟弱」っていうのもわかって、何を言われても、結局お笑いで返せば済む話って意見もあるだろうし。

井口 でも、僕もお前らにやられてるけどな?と思うんですよ。「おじさんの感覚だ」とか「テレビなんか古い」とか。僕はそういうの言ってくる奴、相当嫌ですから。こっちもなるべく気をつけるから、じゃあお前らも絶対に仲間にずっと入れとけよ!?って思いますね。あと最近思うのは、「テレビ古い」とか言ってる奴、じゃあ一体何を見せてくれるんだ?と期待させておいて、結局YouTubeかいっていう。ビートたけしさんが出てきたときとかって、めちゃくちゃセンセーショナルだったわけですよね。そういうのを見せてくれない限り、僕は悪口言うよ?と思いますね(笑)。

飯塚 井口くんはこうやって自分の言葉でやっているから大丈夫な気がする。

井口 その座組というか、構造が嫌なんですかね?

飯塚 芸人対芸人じゃなくて、テレビマンがけしかけてその構造を作っていることに嫌悪感を持つ人が多いのかもしれない。でも、テレビって基本、くくりを作って対決させてる。「踊る!さんま御殿」(日本テレビ)でも田舎VS都会、高学歴VS高卒とかをよくやっているけど、それによって見やすくなっているところもあって。やっぱり、バラバラなもののよさを見つけるのって難しいから。「くくるのって古い」「対立構造って古い」と言うのはカッコいいし、賛同を得やすいけど、くくることによってうまくいっている部分もあるんだよね。

井口 なにより「しくじり先生」は、令和ロマンが出てくればよかったんでしょうけど、大学お笑い代表でスタジオに出ていたのがストレッチーズで。ストレッチーズなんて極めて僕寄りの人間。なんとしてもテレビに出たい奴らなので、あの場にもっとふさわしい大学お笑い出身芸人はいたと思いますね。本人の意思が番組の意図に沿っている芸人が出ていたら、より見やすかったのかなと思います。

飯塚 だから結論を言うと、ストレッチーズがもうちょっと売れていれば!っていうことかもしれないね(笑)。

井口 ストレッチーズがただの慶応出身の大学お笑い上がりとしか思われてないからダメなんだよ! あいつらはどうやったってテレビに出たい奴ですからね。

一億総「それ古くないですか?」時代

飯塚 この連載でも以前から裏側を語るコンテンツが飽和状態だという話をしてきていますけど、「裏側を語るのはもう古いよ」って言うことすらもう古い、という段階にまで来ていると思っていて。

井口 これが求められる、それもう古いだろの繰り返しですからね。

飯塚 そうそう。ニーズがあるからやっているわけで、勝手に淘汰されていくはず。「これ古いですよね」って言ったほうが強いみたいなの、もういいのかなって思っちゃう。

井口 もう、一億総「それ古くないですか?」時代ですよ。いいよ、古いよ! 古いことやるんだよ! この前の「タイタンライブ」でも、いわゆる古い価値観と言われるようなものを全面に出すネタをやったんですけど、「よくぞ言った!」みたいな雰囲気があって。

飯塚 とある芸人さんも、最近は「おい、女!」って言うとお客さんがウケるって言ってた(笑)。「そんなこと言っちゃいけない」がフリになってるから。

井口 「それ古いだろ」ノリに辟易としている人もいるんでしょうね。けっこうお客さんは笑ってくれてましたから。そろそろ「『もう古い』とか言うのやめよう」の流れになっていくのかもしれませんね。

ウエストランド井口と飯塚大悟。

ウエストランド井口と飯塚大悟。

ラランド単独ライブの本気度

飯塚 ラランドの単独に行ったんだけど、すごかった。コントもVTR企画も、公演全体の完成度も高くて、いろんな方面で活躍してるけど単独ライブに本気なんだなっていうのが伝わってきた。これやったら面白いって発想のバリエーションと、それを実現できる演技力や歌唱力といった器用さを兼ね備えてる。あまりに達者すぎて孤独だろうなとも思った。芸人さんたちって「こいつらこの笑いしか出来ないんですよ」っていう不器用な後輩とか好きだから。あと余談だけど、お客さんとしてぐんぴぃが観に来ていて、ファンなのか、「ぐんぴぃだ……!」ってなって泣いてる人がいた。

井口 ……世も末ですね。ラランドの単独と言えば、公演中にスマホが鳴っちゃって、のちのちXで「僕でーす」って名乗り出る人がいたというのがちょっとした騒動になっていましたね。

飯塚 本当にその人かはわからないけどね。僕が観に行った公演でも鳴ってた。もしかしたら普段お笑いライブに行かないような人も来てるのかも。見に来てる層が幅広いなと思った。

井口 人気が莫大だから難しいのかもしれませんけど、全芸能人はファンの教育をもっとして、統率を取らないと。バキ童のファン(※)しかり。

※編集部注:バキ童こと春とヒコーキぐんぴぃが「ぶちラジ」チャンネルにゲスト出演した動画のコメント欄はいつもとは違う様相に。

馬狼、耳の穴、九条ジョー新コンビ、ハチミツ二郎のnote、納言・安部

ルールができる過程を見せるさらばのYouTube

飯塚 さらば青春の光のYouTubeの「馬狼」が面白かった。地方競馬のあるレースで単勝を全部買い、6人のうち絶対に誰かが当たり馬券を持っている状態でいかにバレずに過ごすかっていう、人狼みたいなゲームをやっているんだけど、それがたまたま100万超えの高額当たりになるんだよね。展開も何もかも、ものすごい盛り上がって。さらばのYouTubeは新しい企画を生み出して、そのルールを決める過程も見せるのが新しい。テレビは普通、ルールも全部決まったうえで企画が始まるけど、ルールってこうやって決まっていくんだというのもエンタメにしてる。生でルールが変わっていくのを面白がるっていう。

井口 それが森田さんの賢さというかカリスマ性を生んでいるとも言えるし、「森田さんすげえ」の罠でもありますからね。フジロック行って「3Pやれそうや」「なんかええ女おるで」「やれませんでした」のストーリーに熱狂してるバカ! 「俺らの味方だあ~」じゃないんだよ! 気をつけてください、それと一緒ですから。みなさんには騙されないでほしです。

井口が森田のフジロック話についてまったく同じことを言っている過去回はこちら。(参照「2023年7月のお笑い」より、「井口はモテない奴らを束ねない」)

タイムリーすぎた兼光の助言

飯塚 井口くんととろサーモン久保田さんの「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)、TVerやSpotifyのランキングにも入ってるね。

井口 (元プラス・マイナス)兼光さんの回だったのもあって、けっこう反響がありましたね。兼光さんに「明日は我が身やぞ、急に相方がおらんくなるからな!」と言われて、「またまた~」とか言ってたけど、まさかこんなこと(河本の騒動)になるとはっていうタイムリー性もあって。ブーメランすぎましたね。一昨日も6本撮りとかして、とてつもなくしんどいです(笑)。「ロンドンハーツ」(テレビ朝日)や「さんまの向上委員会」(日本テレビ)でいくら何本撮りとかしても、自分がしゃべるパートは限らていますけど、僕と久保田さんの2人だけなので、しゃべるしかない。頭も使うし、体力的には相当疲れますね。

飯塚 TVerがあって、Spotifyがあって、YouTube限定未公開もある。

井口 新たに撮りましたからね、YouTube版も。未公開部分を切り取ってやってたんじゃないのかよっていう。(スタッフが)グッとはなってます。気概はある人たちなので、ありがたいですけど、ちょっとグッとなりすぎてるところはありますね(笑)。

井口が広告塔

飯塚 元コウテイの九条ジョーさんと、元モンローズの宮本さんが新コンビを結成して、吉本に入ったんだよね。元モンローズのまえのさんも、コンビを組んで吉本に入ったし、いろいろあるけど、やっぱりみんな吉本に入りたいのかな。

井口 ド桜もですけど、(吉本のシャッターがあるとして)閉まりかけてるところにスッと入って。

飯塚 それって井口くんが「吉本の若手は食えてる」って言いまくっているのも要因なんじゃない? 吉本なら食えるんだ!となっているのかも。

──文句を言っていたのが、図らずも広告になってしまうという。

井口 そしたらもっと言いふらして人数増やして、飽和状態で食えなくなって「ざまあみろ」までやっていくしかないですね(笑)。あいつら、楽屋でギターばっかり弾きやがって。

──吉本の若手が楽屋でギター弾いてる話、打ち上げでも言っていましたよね(笑)。

井口 昨日、蛙亭イワクラに会ったときに話したら「そうです、みんなギターやってるんです」って言ってました。ギターやって、ボイトレやって、いい服着て。なんなんだよ。

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ハチミツ二郎のnote

飯塚 ハチミツ二郎さんのnoteを買って読んだんだけど、すごかった。すごい内容だった。

井口 僕も読みましたけど、すごかったですね。

飯塚 病気のこととかは断片的には知っていたつもりだったけど、その経緯が詳細にまとめてあって壮絶すぎて言葉を失ってしまった。「THE SECOND」の予選や、「M-1」で昔見たなという人も、一読の価値はめちゃくちゃあると思う。こんなにお金払って読むべきnoteってなかなかないと思う。

井口 唯一、僕らのことを「M-1」優勝予想してくれてましたし、同郷でもありますし。

納言・安倍の顔はカッコいい

飯塚 全然どうでもいい話なんだけど、井口くんの誕生日会の写真を見て、納言の安倍くんがドレスコーズの志磨遼平風で、めちゃくちゃ顔カッコいいなと思った(笑)。

井口 安倍はドレッドにするってことで髪の毛を伸ばしているらしいんですよ。

飯塚 バンドマンみたいな顔だよね。

井口 でもいかんせん人間性が変すぎるので。

──安倍さんと、真空ジェシカ・ガクさん、パーパーあいなぷぅさんと「井口ウォーキングクラブ」を始めていましたね。

井口 またやろうとは話しているんですけど、あいなぷぅは「実家帰ってるから私のことは気にせずやってください」って言うし、ガクは無視するし、安倍が「行けます」って返事してきたのを今無視して終わってます。

──歩いてるところを見たい人も多いと思いますよ。

井口 歩いてるときは使えない話しかしてないので撮ってなかったんですけど、次は歩いてるところも撮りますよ。前回めちゃくちゃ寒い日だったんですけど、あいなぷぅが薄着で、僕らが上着着てて、「あいつら上着貸せ」 ってコメントで怒られちゃったんで(笑)。そのへんも配慮します。

さっそく実施された井口ウォーキング第2回

ウエストランド井口と飯塚大悟。

ウエストランド井口と飯塚大悟。

プロフィール

井口浩之(イグチヒロユキ)

1983年5月6日生まれ、岡山県出身。2008年、河本太(コウモトフトシ)とウエストランドを結成。2013年4月に「笑っていいとも!」(フジテレビ)のレギュラーに抜擢され、最終回まで不定期で出演した。2012年から2014年に「THE MANZAI」認定漫才師。「M-1グランプリ」では2020年に初の決勝進出を果たし、2022年に優勝! ラジオ形式の番組「ウエストランドのぶちラジ!」をYouTubeなどで配信中。とろサーモン久保田とのレギュラー番組「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)は毎週火曜26:34~。タイタン所属。

飯塚大悟(イイヅカダイゴ)

1982年4月13日生まれ、新潟県出身。テレビ、ラジオの構成作家。現在の担当番組は「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日)、「水曜日のダウンタウン」(TBS)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)、「オドオド×ハラハラ」(フジテレビ)、「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)など。書籍「深解釈 オールナイトニッポン~10人の放送作家から読み解くラジオの今~」(扶桑社)。

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