19回目を迎えた漫才頂上決戦「M-1グランプリ」。今年の決勝では
この記事ではストレートで決勝進出した9組を「基礎知識」「M-1戦績」「今年の活躍」という3つのポイントで総ざらい。ファイナリストたちの顔ぶれを最終確認しよう。
カベポスター
2014年5月結成。吉本興業所属。ハガキ職人出身で「着信御礼!ケータイ大喜利」(NHK総合)では“メジャー五段”まで上り詰めた大喜利の名手・永見が生み出す発想力重視のネタが魅力のコンビ。
「M-1」には2015年から参戦。2020年と2021年には準決勝まで進んだ。2022年には「ytv漫才新人賞決定戦」「第43回ABCお笑いグランプリ」で優勝し、勢いそのままに「M-1グランプリ」でも初の決勝進出を果たす。決勝ではトップバッターを務め、8位に終わるも、松本人志からは「小気味がいい漫才。ずっと気持ちよく聞いていられる」、立川志らくから「言葉選びのセンスが天才的」と称賛された。
2023年は永見が「R-1グランプリ」決勝で6位になったほか、「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)の新探偵に。またカベポスター、天才ピアニスト、フースーヤのレギュラー番組「ワチャラチャ忍忍」(GAORA)がスタートした。さらに「MBSヤングタウン」(MBSラジオ)のパーソナリティにも就任。次々と活躍の場を広げている。
くらげ
2018年1月結成。吉本興業所属。ヨシモト∞ホールのレギュラーメンバーとして活動中。巨人ファンの渡辺は野球観戦の際、必要最低限の資金かつ公式グッズなしで“巨人ファンっぽい格好”をしており、「一番金ない巨人ファン」としてXで話題になった。
「M-1」には2018年に初挑戦して1回戦敗退するが、翌2019年に準決勝に進出する躍進を見せる。セミファイナリストの中では“断トツで知名度がないダークホース”として注目を集め、敗者復活戦の視聴者投票では8位に。渡辺がネタ中に放つ「わかんねえけど」は彼らの存在を知らしめるキラーフレーズとなった。2020年から2022年までは3年連続で準々決勝敗退となるが、今年は4年ぶりに準決勝に進み、そのまま決勝に進出した。
2023年にはヨシモト∞ホールのネタバトル「ムゲンダイユースカップ」で優勝し、「お笑いエスポワール号」(TBS系)をはじめとするテレビ番組にも出演。着々と経験を重ねており、杉は「今年は何か変わるかもしれない」と予感しているという。
さや香
2014年5月結成。吉本興業所属。2019年に「第49回 NHK上方漫才コンテスト」、2020年に「第8回 歌ネタ王決定戦」で優勝したほか、「ABCお笑いグランプリ」では決勝に4度進出している実力派コンビだ。
「M-1」では2017年に初の決勝進出を果たす。結果は7位に終わるが、上沼恵美子からは「漫才から離れてもスターになる気がする。そんな予感がする」と今後の活躍を予言された。2018年から2020年までは準々決勝の壁に阻まれるも、2021年は4年ぶりに準決勝に進出した。この年の敗者復活戦では、酸欠寸前になりながら絶叫し続けるネタ、通称“からあげ4”で話題となり、改めて存在感を示すこととなる。2022年には5年ぶり2度目の決勝に臨み準優勝。ファーストラウンドで披露したネタはこの年の最高得点を獲得し、「王道でここまで爆発したら完璧」(サンドウィッチマン富澤)、「美しい漫才」(松本人志)と絶賛の嵐だった。
2023年には「笑神様は突然に…」「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(共に日本テレビ系)、「ネプリーグ」「さんまのお笑い向上委員会」(共にフジテレビ系)といった全国区の番組に出演。11月には地上波初冠番組「さや香の違和館ヤバない?」(テレビ大阪)もスタートし、“スター”への道を着実に歩んでいる。
真空ジェシカ
2012年5月デビュー。プロダクション人力舎所属。2人とも学生お笑い出身で大喜利も得意。コンビで競う大喜利大会「AUN~コンビ大喜利王決定戦~」では4回の優勝を誇っている。
結成初期はコント中心だったが、2017年に「M-1」の準々決勝に初めて進出すると、漫才のイメージも徐々に強まっていく。このときに披露されたネタは、観客に語りかけたり、挙手を促したりする内容で、お笑いファンに大きなインパクトを与えた。2021年と2022年には決勝に進出し、それぞれ6位、5位という結果に。2022年は山田邦子から最高得点の95点を獲得し、「大爆笑を何回もして、最後は『やめてくれ』と思うくらいおかしかった」と称賛された。
2023年4月には冠番組「ジェシカ美術部」(テレビ朝日)がスタート。さらに東京・座・高円寺2で単独ライブを開催したり、Podcast番組「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」の番組イベントを東京と大阪で実施したりと大忙し。芸人としてさらなる飛躍を遂げた状態で3年連続3度目の決勝に挑む。
ダンビラムーチョ
2011年4月結成。吉本興業所属。漫才・コント共にこなす実力派で「キングオブコント」でも2020年から2022年まで3年連続で準決勝進出した。また元高校球児であることを生かした野球ネタを2013年からYouTubeにアップ。自身のYouTubeチャンネルにネタを投稿する芸人の先駆け的存在としても知られている。
「M-1」には2015年に初挑戦し、準々決勝まで進出。2018年には初の準決勝進出を果たした。このときに披露した“歳上のアルバイト”ネタは、大原が演じるインパクト抜群のキャラクターや「なんですか!?」といったフレーズが予選の序盤から話題を呼び、お笑いファンの中で2人の知名度が上昇するきっかけとなった。2022年には2度目の準決勝で「ジュラシック演歌」のネタを披露するが、手応えは芳しくなく、大原は「スベりすぎてヤバかった」「トラウマ級」と振り返るほど。しかし同年の敗者復活戦で披露した、森山直太朗「生きとし生ける物へ」を歌うネタが会場で大ウケし、芸人たちの間でも話題に。ライス関町がXで「謎の涙が止まらなくなった。ダンビラムーチョが凄いのか? 森山直太朗さんが凄いのか?」と感動を伝えたほか、森山本人も「そっと観てみたけど面白すぎて悶絶している」と反応した。
2023年は、自身の漫才ネタ「ヨーデル」から派生したイベント「ヨーデル王」を東京・ヨシモト∞ホールで開催。“キーのブレなさ”が強みだという多彩な歌ネタに磨きがかかっている。
マユリカ
2011年4月デビュー。吉本興業所属。ビキニ写真集の発売、まつ毛美容液とのコラボ、中谷による1人ミュージカルなど、常に独特な話題を振りまいてきた幼馴染コンビ。冠ラジオ番組の「マユリカのうなげろりん!!」(ラジオ関西Podcast)も人気だ。
「M-1」はNSC生だった2010年に初参戦して2回戦敗退。2015年以降は必ず準々決勝以上に進出しており、予選では安定した戦績を誇る。準決勝から決勝への壁には3度阻まれてきたが、敗者復活戦の順位は16位、6位、5位と上昇しており、決勝の舞台には着々と接近していた。
2023年4月には活動拠点を東京から大阪へ。ルミネtheよしもとで単独ライブを実施したり、ファッションマガジン「NYLON JAPAN」(カエルム)の表紙を飾ったり、阪本がTHEラブ人間のミュージックビデオに出演したり、多方面での活躍を見せた。阪本は「東京という場所自体に耐性ができた気がします」と述べている。
モグライダー
2009年1月結成。マセキ芸能社所属。予測不能なともしげのミスを生かした唯一無二の漫才で知られ、最近ではバラエティ番組にも引っ張りだこ。芝は長年ライブシーンでMCとしての評価が高かったが、今やメディアでもその実力を発揮している。
「M-1」には2009年から参戦。2017年から2020年までは4年連続で準々決勝敗退を喫するが、2021年には決勝に初進出し、トップバッターを務めた。この際、上沼恵美子からは「4分でファンになりました。グランプリ(優勝)にならなくても来年はブレイクする。間違いないと思う」と予言された。ちなみにモグライダーは準決勝敗退および敗者復活戦を経験していない珍しいコンビ。準々決勝で敗れることも多いが、準決勝まで勝ち残れば決勝進出率は100%だ。
2023年1月には冠番組「月ともぐら」(テレビ東京系)がスタート。また「リンカーン」の後継番組「ジョンソン」(TBS系)のレギュラーにも抜擢され、まさにブレイクといえる活躍を見せている。
ヤーレンズ
2011年9月結成。ケイダッシュステージ所属。2012年には結成1年目にして「THE MANZAI」の認定漫才師に選ばれ、早くも頭角を表す。楢原の飄々としたボケと出井の緩急自在なツッコミは東京のライブシーンでも存在感を放っており、2016年にはK-PROライブでのMVPを獲得した。ダブルメガネでスマートな見た目も特徴で、ランジャタイは「完成された佇まい」(国崎)、「立ち姿が一番美しい」(伊藤)と評している。
「M-1」には2015年に初参戦し、いきなり準々決勝まで進出するが、その先にはなかなか勝ち進めず、2022年にようやく悲願の準決勝進出を決める。敗者復活戦では6位となった。
2023年に入ると「オールナイトニッポンPODCAST」の土曜パーソナリティを担当。また令和ロマンとのツーマンライブを毎月開催してネタを磨いていた。「ネタパレ」「THE MANZAI 2023 マスターズ」(フジテレビ系)、「チャンスの時間」(ABEMA)などバラエティ番組の露出も増え、脂が乗っている状態だ。
令和ロマン
2018年4月デビュー。吉本興業所属。慶應義塾大学のお笑いサークル「お笑い道場O-keis」の先輩後輩が結成したコンビ。NSC生のNo.1を決めるライブ「NSC大ライブTOKYO 2018」で優勝し、東京校23期生の首席となった(当時のコンビ名は魔人無骨)。2020年には「第7回 NHK新人お笑い大賞」でも優勝している。
「M-1」では2018年に準々決勝敗退するも、GYAO!ワイルドカード枠で復活。デビュー1年目にして準決勝の舞台に立つ。2022年には2度目の準決勝に進出し、敗者復活戦の投票ではオズワルドに次ぐ2位となり、決勝進出の目前まで迫っていた。自身のYouTubeチャンネルでは大会にまつわる動画も多数アップしている。
2023年7月には「ABCお笑いグランプリ」で準優勝。同月には「令和ロマンのオールナイトニッポンX」(ニッポン放送)もオンエアされた。ネットラジオ「令和ロマンのご様子」(stand.fm)も好評で、8月に番組の3周年記念イベントが実施されており、若手エースの筆頭格として活躍中だ。
「M-1グランプリ2023」オンエア情報
いよいよ開幕M-1グランプリ2023 ~笑いのサンタは誰のもとへ!?~
TVer 2023年12月24日(日)13:30~14:45
<出演者>
トータルテンボス / 山之内すず / スーパーマラドーナ武智
「M-1グランプリ2023」敗者復活戦
ABCテレビ・テレビ朝日系 2023年12月24日(日)15:00~18:30
<出演者>
MC:陣内智則 / 西野七瀬
Aブロック:ヘンダーソン / ママタルト / ぎょうぶ / ロングコートダディ / 華山 / 20世紀 / ニッポンの社長
Bブロック:オズワルド / 豪快キャプテン / エバース / ナイチンゲールダンス / 鬼としみちゃむ / トム・ブラウン / スタミナパン
Cブロック:フースーヤ / バッテリィズ / シシガシラ / ななまがり / きしたかの / ダイタク / ドーナツ・ピーナツ
芸人審査員:NON STYLE石田 / アンタッチャブル柴田 / マヂカルラブリー・野田クリスタル / かまいたち山内 / 錦鯉・渡辺
「M-1グランプリ2023」決勝
ABCテレビ・テレビ朝日系 2023年12月24日(日)18:30~22:10
<出演者>
MC:今田耕司 / 上戸彩
ダンビラムーチョ / カベポスター / くらげ / マユリカ / モグライダー / 令和ロマン / さや香 / 真空ジェシカ / ヤーレンズ
審査員:松本人志 / 中川家・礼二 / 海原ともこ / ナイツ塙 / サンドウィッチマン富澤 / 博多大吉 / 山田邦子
笑神籤プレゼンター:栗山英樹 / 岡本和真
速報!M-1ネクストデイ~王者誕生までの舞台裏~
ABCテレビ・テレビ朝日系 2023年12月25日(月)20:00~21:54
<出演者>
今田耕司
M-1グランプリ2023ファイナリスト+敗者復活組(予定)
斎藤真美(ABCテレビアナウンサー)
ほか
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majik(まじっく) @pa9mania
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