軍艦・仁のオススメ曲

BUMP OF CHICKEN「天体観測」

初めまして、軍艦の仁です。僕は昔からBUMPが大好きで、ボーカルの藤原基央氏がおにぎりが好きだと公言していたのに影響されて、14歳の誕生日に祖母がご馳走してくれるってなったときもお寿司やお肉を無視して頑なにおにぎりを注文し続けて、食後に血の涙を流した苦い過去があるのですが、そんなBUMPの超定番曲です。一番で少年時代の過去を、二番で大人になった現在を、最後のサビでこれからの未来を歌っています。追いかけている「イマ」はあの日2人で夢見た未来かもしれないし、もしかしたらあの日の時間そのものかもしれないけど、そのときの痛みや記憶を抱えて成長していく人の歌です。なんとなく新海誠監督の「秒速5センチメートル」を彷彿とさせます。歩き始めた未来に君が居ないのも切ないですよね。

Mr.Children「しるし」

究極のラブソングです。ミスチルのラブソングは非常にリアルで日常的な、ミクロな視点だからこそ等身大の愛が視界いっぱいに大きく映って、誰の胸にもあるありきたりな恋心に美しく響きます。「面倒くさいって思うくらいに真面目に向き合っていた」とか、詩は恋愛を高尚に描くものなので「面倒くさい」なんて表現は普通使わないんですが、ミスチルは使います。だってめんどくさい時あるもん。ってなもんです。お笑いで言うたらあるあるネタですね。だから想像がしやすい。大切な人を想いながら聴いてください。僕は芦田愛菜さんが好きなので彼女を想像して聴きます。ずっと子供の印象なのにたまに見るとすっかり大人になっていて驚きます。本当の意味でミスターチルドレンは彼女なのかもしれませんね。

スピッツ「ロビンソン」

音楽史上もっとも美しいイントロを選ぶ選挙みたいなものがあれば、間違いなく圧勝してロビンソン独裁政権時代開幕でしょうな。素晴らしすぎる。僕はこの曲を聴くたびに死後の世界を想起します。幻想的で美しい、でも少しだけ不気味な光景が浮かびませんか？ 浮かぶって言え。河原とか交差点とか、歌詞の中に出てくるのは現実的な物のはずなのに、イメージするのはフワフワした夢の中みたいな。わかるって言え。「待ちぶせた夢のほとり 驚いた君の瞳」という部分も、もし死後の世界ならとてもロマンチックで、でもちょっとだけ不穏ですごく良いですよね。

仁（ジン）

1998年3月10日生まれ、大阪府出身。大学の軽音楽部で知り合った梅野健太郎と軍艦を結成し、NSC大阪校に44期生として入学。在学中に「M-1グランプリ2021」で準々決勝まで進出し、ベストアマチュア賞を獲得する。2022年4月にプロデビューし、同年11月によしもと漫才劇場の所属メンバーとなった。