芸人オススメのネタ動画を紹介する企画「今日はどのネタ見よう?」。なぜそのネタが好きなのか、どんな影響を受けたのか、芸人たちが厳選した3本のネタ動画に彼らのレビューを添えて掲載していく。12人目には
Dr.ハインリッヒ「砂漠」
記憶を消してもう一度観たいネタです。もう観てしまっているのが悔しい。おすすめしておいてなんですが、観たことがない方は、まだ観ずに大切にとっておいて頂きたい。それぐらい、1回目の感動が凄いネタです。裏切りの裏切りというか、「
ニッポンの社長「子供見守り隊」
観れば観るほど味が出てくるネタです。子供見守り隊のおばちゃんと街の奇人の話なのに、なんかエモいんですよね。ネタの内容は勿論面白いのですが、僕が特に面白いと思うポイントは、辻さんの声量です。正直劇場のキャパに対して小さ過ぎます。本当に街でおばちゃんに話しかける時の声量なんですよね。でも絶対にその方が面白いネタなんです。もし声を張って同じことを言っていたら、奇人過ぎておばちゃんの心は動いていなかったと思います。オチ台詞だけ、ちょっとギアを上げて言うんですが、コレが面白すぎます。あと、ケツさんのおばちゃん具合も面白いです。誰の知り合いにもケツさんみたいなおばちゃん3人ぐらいいますよね。暗転のたびに「次どうなるんだろう」と考えますが毎回ハードルを超えられます。是非観てください。
サツマカワRPG「飛んでっちゃう」
馬鹿馬鹿しいことをやらせたらこの人の右に出る者はいません。やっていることはシンプルで、日常の中で目の前の人が飛んでっちゃうだけです。ただそれの連続です。飛んでっちゃうのが分かっていても、飛んでったらやっぱり笑ってしまいます。これをサイレントでやるのがポイントですね。喋らず、動きと目線だけで、人が飛んでいく状況を積み上げています。おそらく最後に大きな笑いで終わるために。お客さんが見ているのは、「飛んでいく人」ではなく、「飛んでいく人間を見ている人」なので、「飛んでいく人」がどんな様子なのかはこちらの想像で補完するしかありません。ある意味観る側が試されているネタだと思います。散々試された挙句、最後の最後、良い意味で憎い裏切り方をされます。「それされたら笑うしかないですやん」です。是非ご覧ください。
京極風斗(キョウゴクカザト)
1995年8月9日生まれ、大阪府出身。2019年4月に相方・なかむらしゅんと9番街レトロを結成し、東京・神保町よしもと漫才劇場を中心に活動している。2022年2月28日にスタートした音声配信アプリArtistspokenのポッドキャスト番組「UBUGOE」で月曜を担当。コンビのYouTubeチャンネルのほか、個人チャンネル「京極風斗の道楽ちゃんねる。」でも配信を行う。NETViViでコラム「0か100かで生きてゆく」連載中。SUZURIでオリジナルグッズ販売。「Up-T presents 神保町よしもと漫劇Tシャツグランプリ2022」参加デザインはこちらから。吉本興業所属。
バックナンバー
9番街レトロ 京極風斗 @9th_kyogoku
先輩のネタを偉そうにさ。 https://t.co/jdyoEobaOi