「なんなのコイツら？」が大好物

──夏にぴったりのアゲアゲチューン「帰ってきたサマーウルフ」は、「夏のオオカミなんです！」のフレーズが強烈なインパクトを与えたデビューシングル「サマーウルフ」の続編ですね。

優己　「サマーウルフ」でデビューして3年、またまた突き抜けたアッパーチューンを作っちゃいました（笑）。この曲とか「ぶっとびマン・フィーバー」みたいな今作のアッパー曲って、タイトルからしてふざけ倒してると思うんですよね。でも僕ら、皆さんの「なんなのコイツら？」が大好物なんで（笑）。聴く前からそう思ってもらえたらうれしいし、あとは毎夏、僕らの音を楽しみに待っててくれる人たちに「また逗子の季節がやってきた！」って思ってもらいたいって希望もありますね。

大雅　「サマーウルフ」というキャラクター、もしくはコンテンツが、僕らの中でいまだにすごく大きくて。ある種、僕らが作った架空のキャラクター……例えるならペガサスのような存在を人間とリンクさせたものなんですけど、「夏のオオカミ」って声高に歌う、当時はけっこうな問題作だったので（笑）。でもそこで守りには入りたくなくて、デビュー当時から僕らは攻めたかったんですよ。ありきたりのつまらないものを出すより、全裸で特攻する気持ちで曲にぶつかっていきたいという気持ちは、3年経った今も変わってない。だから今回の「帰ってきたサマーウルフ」で、3年前から好きでいてくれる「サマーウルフ」ファンの気持ちに改めて応えたかったし、僕たち自身も「3年でこれだけの経験をして戻ってきたぜ！」っていうものを見せたかった。欲を言えば、そういう活動自体にもストーリーを感じてほしいんですよね。

翔馬　「サマーウルフ」みたいなタイプの曲って、僕は音楽というより、ある種のエンタテインメントだと思ってて。テーマ自体がそれまでになかったものだったり、今回こうしてカムバックするのもまたさらなるエンタテインメントかなと。3年前の曲を知らなくても今回のタイトルを見ただけでワクワクして、曲を聴いてまたワクワクして……っていう楽しみ方をしてもらえるんじゃないかと思います。

大雅　2作の間でちょいちょい連動してる部分もあったり、今回はPVがオールCGだったり。翔馬が言ったように、楽曲の周辺部分も含めてエンターテイメントを感じてもらえたらと思います！

大衆的かつエバーグリーンなラブソング

──今作で唯一のバラード「湘南ラブストーリー」は、サビの心震えるようなメッセージに胸が熱くなりました。アッパーな作品群の中でいいスパイスにもなっています。

優己　去年1年間で僕らのことを知って「逗子三兄弟のバラードが好き」って言ってくれる人たちもすごく増えたんです。だからその人たちの期待にもぜひ応えていきたい……ということで、こういう曲も入れてみました。湘南をコンセプトにした1枚なので、そこに住んでる人たちの日々の恋模様というか、飾らず、ただ街をプラプラしてるっていうラブソングなんですけど、湘南を大事な人とドライブしながら聴いてもらうとピカイチかな。

翔馬　「湘南ラブストーリー」ってタイトルだけ見るとローカル臭がすると思うんですけど、僕はすごく大衆性があるなと思っていて。歌詞には湘南の地名が出てくるけど、例えばこの曲のカップル像に自分たちを重ねていただくのもいいし、湘南から遠い方が「こういうの、いいね」って憧れてくれるのもうれしい。僕らが表現したからたまたま「湘南ラブストーリー」って形になったけど、1人の男性が女性に気持ちを伝えるっていう、だれにでも当てはめて聴ける大衆的かつエバーグリーンなラブソングだと思います。

優己　エバーグリーンな曲を作るっていうのを僕らはずっとこだわっていて。1曲1曲、今まで出してきた作品はすべて今でも聴いてもらいたいと思ってるんです。

翔馬　10年後、20年後も「いいよね」って全世代に思ってもらえるような曲がよくて、その時代しか聴けない曲っていうのが僕ら一番嫌なんです。

大雅　で、そのエバーグリーンにもう1つこだわりを加えるとするなら、スルメ曲であること。この2個の条件を絶対に越えないと、僕らは納得して曲を出せないです。アップもバラードも、それは共通していると思いますね。