「これ歌ってあげてね」っていう気持ちも強い

──「愛言葉」の歌詞はリアルなフレーズも多くて、プロポーズの瞬間を迎える男性なら誰もが思ってるんじゃないかっていう気持ちが満載でした。

大雅　リアリティを出すっていう部分は、結構突き詰めましたね。だって嘘臭いのは嫌だし、それじゃあ伝わらないんじゃない？って思うし……。結局俺たちって、どんなに爽やかぶっても根っからそうは見られないと思うんですよ（笑）。だから僕らが歌って伝わるプロポーズソングのあり方を模索したというか、そういうものが主人公のキャラクターにも反映されてると思いますね。

──個人的な感想だと、この主人公はいい意味でイマドキではないというか、男の不器用さも持ち合わせているのかなって。

大雅　多分そうですねー。

優己　 この曲は誰が見てもカッコいい男像とか、女の子に「こういうことを言ってもらいたいよね？」っていう理想みたいなものが元ではないんです。むしろ「こういう男がカッコいいだろ？」って、男から見てもそう思える男性像を求めて書きましたね。

大雅　やっぱり、いい意味で媚びたくはないので。

──ところで、ひとつ気になったのが「お前に出逢えただけ…」というサビの最後のフレーズ。前の文「“夢”も“親友”も“意地”も“プライド”も オレにとったら大事なモンだよ ただそれ以上に思う」からのつながりを見ると、文法として少し言葉が足りない気もするんです。

優己　 そこは翔馬がすごいこだわってましたね。僕も同じように最初は「あれ？」って思ったんですけど、本人が「そこはあえて考えさせたい」と。

翔馬　確かに文章だけで見るとそうかもしれないんですが、音楽というカタチで考えたときに僕はどうしてもそのままにしたいって思って。ここからいろんな思いを巡らせてもらえるといいなと思って、兄たちにも話をして通させてもらいました。

大雅　今の話もそうなんですけど、僕は基本、しゃべり言葉のほうが伝わると思ってて。「愛言葉」のように心情一本でつづった歌詞は僕らの新たなトライでもあるんですけど、それならより伝わりやすい砕けたしゃべり言葉や、言い回しでもいいのかなって。

翔馬　歌詞をより身近に感じてもらえるとうれしいですから。僕はこれから結婚される男性や、既に結婚されてる旦那さんとかにもぜひこれを歌ってほしいと思ってて。「聴いてね」はもちろん、「これ歌ってあげてね」っていう気持ちも強いんです。

タイムレスに伝わる歌詞を心がけている

──3人での共作は、兄弟だからやりやすいところ、やりづらいところはありますか？

優己　普段はファミレスとかに3人で集まって、「うーん……」って悩みながら作っていくことも多いんですが、特にラブソングは世代によって価値観の差がありますね。僕と翔馬が7歳違いなんですが、例えば「それはオレの世代には響かねーぞ」とかあるんで（笑）。「歌い手は3人だけど1人の歌として出すもの」っていう意識がみんなあるから、そのへんはかなりぶつかったりしますね。でも、それで歌詞がどんどんブラッシュアップされていくし、兄弟でやってるからのマイナス点っていうのはあまりないですね。

翔馬　7歳も離れてると、感覚がピタッとハマるときもあれば「違うんじゃない？」ってときも当然あって。でもそこは3人とも納得したものができるまで、歌詞の終着点がちゃんと見えるまで結構話し合いますね。

大雅　なかなか決まらないときは、超つらいですよー（笑）。3～4時間粘ってもダメだったら「もう今日は帰る！」とか。

翔馬　ま、帰っても僕と大雅は同じ家なんですけどね（笑）。

──でも、その3世代の目線が交差する作詞作業だからか、皆さんの歌詞ってすごくタイムレスな感じがして。いつの時代、どんな世代でも聴ける歌だなって感じました。

大雅　おー、うれしいです。それも歌詞を書く上で普段から意識してることのひとつですね。