大根ちゃんの作品は上品だと思います（アヴちゃん）

大根　今日、あんまり会いたくなかったんですよ。

アヴちゃん　なんで？

大根　アヴちゃんは俺の中では本当のロックスターなんで。

アヴちゃん　あら！（笑）

大根　プライベートを知ることで、音楽が違ったふうに聞こえてきちゃったりするのが嫌で。

アヴちゃん　神聖なのね。

大根　そう、神聖な人なんですよ。だから音楽とライブと、たまに見る写真とかで、もう十分って感じなんだけど。

アヴちゃん　なんかそのセイントさが大根ちゃんの作品には出てると思うけど。うん。大根ちゃんの作品はすごく上品だと思います。

大根　えー？ 下品と言われることは多々あるけど。

アヴちゃん　ううん、上品だと思うわ。私基本的に恋愛の映画とかドラマとかがあんまり好きじゃなくて、なぜかというと下品というか、面白くないのよね、結局。でも「モテキ」は感情移入はできないけど、サクサクと、どんどんトピックがあって進んでいくから面白かった。多分それは、人のことを尊重して、本当に好きなものにはちょっと距離を置きたいっていう気持ちがあるからだと思うの。本当に好きだから全部描く！じゃなくて、きれいに仕立てるっていうこと。その姿勢が上品だし、素晴らしいと思いました。だからそんな大根ちゃんが今回の映画で女王蜂を選んでくれたっていうのはすごくうれしいです。

大根　映画はもう観てくれたの？

アヴちゃん　映画は私こっそり観に行こうと思ってるの。変装して（笑）。

熱がない人が作品にかかわるのが耐えられない（大根）

大根　女王蜂はライブのシーンに出てもらったんだけど、そのときの姿勢もやっぱりグッときたんだよね。単純に「デスコ」だけやるんじゃなくて、頭に3曲やらせてくれって言ってくれて。本当に普通のライブみたいに、登場のSEから普通に出てきて、やっぱりああいう形でやってもらえると、お客さんもエキストラという仕事を忘れて素直に盛り上がれるし。あれは俺すごいうれしかった。

アヴちゃん　 そうなの。私は"お仕事"は基本的にできないタイプなんですね。いつもすごく感情移入してしまう癖があって。こうやっておしゃべりするにしても、情熱のある人としかその場を共有したくなくて。そこに不純物があってはいけないというか。

大根　それ、すごいわかるなあ。ものづくりの中で、例えば打ち合わせに余計な人がいたりすることってあるじゃない。そういう、不純物っていうか、作品に対して熱がない人がいるのがすごく耐えられない。

アヴちゃん　悔しいよね。

大根　うん。だからなるべく打ち合わせとか会議は少人数で。

アヴちゃん　私たちも全く同じですね。極力潔癖な状態にするということが必要だと思ってます。女王蜂も4人の中に入ってこれる人は全くいないから。そもそもステージ上の音が大きすぎるから耳がやられちゃうし……。

大根　あはは（笑）。

アヴちゃん　耳がつぶれるんじゃないかなってくらい。だから女王蜂4人ほとんど難聴よね（笑）。