2021年春に夢みるアドレセンスの派生妹グループとして結成され、“ヨーロッパの多様性”をコンセプトに活動しているYUMEADO EUROPE。今年6月に新メンバーJuriを迎え、現在5人編成で活動している彼女たちの新体制初シングルには、アイドルらしいキュートな歌声が心地よい「ワタシノキモチ」、エモーショナルなナンバー「ユメ/ウツツ・ボーダレス」が表題曲として収録されている。
音楽ナタリーではメンバー5人にインタビューし、結成から今日に至るまでの活動の日々を振り返ってもらいつつ、新曲についてアピールしてもらった。
取材・文 / 土屋恵介撮影 / はぎひさこ
自分はどんなアイドルになりたいのか
──YUMEADO EUROPEは今年6月に新体制になりましたが、今のグループの雰囲気はいかがですか?
Yui 結成当初はひたすら騒いでた感じなんですけど(笑)、その頃と比べたら、ゆ~ろっぷらしい明るさは残しつつちょっと落ち着いて大人になりました。
Yukino 曲調や衣装も含め、新体制になってかわいらしさも増したんじゃないかと思います。
──6月に加入した新メンバーJuriさんの紹介もぜひお願いします。
Juri 私は7年くらいアイドル活動をやっていた中、ご縁があってゆ~ろっぷに加入させていただきました。得意なことは、地図を1回見ただけで道がわかることです。
Yui 知らなかった(笑)。あ、だから遠征先とか東京でも、初めて行くところで「こっちですよ」って先陣を切って案内してくれるんだね。すごくありがたいです。
──歌やダンスについてはどうですか?
Juri ダンスは苦手なんですけど、歌うことは好きです。
──好きなアイドル、憧れのアイドルは?
Juri 好きなアイドルさんは=LOVEさんで、メンバーさんのことを見てパフォーマンスの仕方とかいろいろ研究してます。佐々木舞香さんや齊藤なぎささんが特に好きです。
──そんなJuriさんを新しい仲間に迎えつつ、ゆ~ろっぷは2021年2月の結成から約1年半活動してきました。メンバーの変遷もいろいろとありましたが、それぞれどんな思いを持ってこの道を歩んできたのか、加入順に聞かせてください。まずは初期メンバーのYukariさんから。
Yukari 私はゆ~ろっぷが初めてのアイドル活動だったので、1年目はよくわからないけどがんばるという感じでした。2年目に入ってからは、グループのことだけじゃなく、自分のことを考える時間が増えました。今年の4月10日に結成1周年を迎えたあと、髪色をピンクにしたんです。いつか髪を明るい色にしてみたいなと思っていたんですが、思い切って担当カラーのピンクにしちゃいました。
──自分の成長した部分や変化した部分を挙げるとすると?
Yukari 今の5人体制になって1人ひとりの歌割りも増えたことで、自然とお客さんから注目される機会も多くなって。そうなると、自分の苦手なところが今まで以上にわかるようになったんです。このままだと悪目立ちしちゃうので、「もう誤魔化せないな。もっとがんばろう」という気持ちになりました。あと、1年目はずっと目標を探してる時期だったんですけど、2年目は少しでも憧れのアイドルさんに近付きたいと思うようになって。私は、きゅるりんってしてみての環やねさんが大好きなんです。真似るということではなく、ああいう素敵な存在になりたいなと思っています。髪色はピンクで髪の長さはこれくらいでとか、自分はどんなアイドルになりたいかをすごく考えたうえで今に至るんです。まずは外見からでも自分らしいアイドル像を作っていけたらなって。
ゆ~ろっぷの面白さとは
──同じく初期メンのYuiさんとYukinoさんはこの1年半、どんな思いで活動してきましたか?
Yui 1年目はホントにすべてがゼロからのスタートでした。自分も初めてのアイドル活動だったし、ゆ~ろっぷの名前も全然知られてなくて。「1人でも多くの人に見つけてもらいたい!」という思いで毎回のライブをひたすらがんばってました。2年目からは、これからもゆ~ろっぷを好きでいてもらえるように、飽きられないようにしようという意識を心の中に持って活動するようになりました。
──飽きられないためにどんなことをしていますか?
Yui ゆ~ろっぷは、ファンの方から「明るくて楽しい雰囲気が好き」と言ってもらえることが多いので、ライブ中の楽しい空気をもっと多くの方に伝えていきたいなと思っていて。暗い顔が一瞬でも出ないようにしています。自分の意識としては、毎回違ったステージを見せたいという気持ちもあるんです。アイドルっぽくないかもですが、いかにお客さんを笑わせられるかとか(笑)、エンタテイナー的な考えで活動しています。皆さんにライブを楽しんでもらいたいという思いが一番にあるので。
──Yukinoさんはどうですか?
Yukino 私もアイドル未経験で加入して、最初は歌もダンスもみんなの中で浮いてしまっていたので、とにかくメンバーの足を引っ張らないようにしようと必死でした。私は看護師を辞めてこの活動をしているのもあって、「職業はアイドルです!」と堂々と言えるような実力を身に付けたいんです。自分がなりたいアイドル像に近付けるようにがんばっています。
──自分のなりたいアイドル像について、もう少し詳しく聞かせてください。
Yukino 看護師時代もそうだったんですけど、相手の人に「元気になれた」と言ってもらえることがうれしくて。アイドルとして人の人生に影響を与えられるようになりたいと思ってます。
──看護師とアイドルの共通項ってあったりします?
Yukino 近い部分も全然違う部分もあります。近いと思うのは、相手とコミュニケーションをとるところですね。あと、アイドルのように人と明るく接するところも近いと思います。看護師時代、先輩から「つらいところを見せちゃいけないよ。自分の感情は置いて、女優のようにしていなさい」とよく言われていたんです。逆に全然違うのは、自分を表現することですね。それと、看護師のときは人に見られることをあまり意識してなかったので、人目を気にして毎日ちゃんとメイクをしてステージに立つということだけでも、私からすると全然違う世界のことだなと感じてました。結成から1年半くらい経って、やっとアイドルの世界にも慣れて、ステージも楽しめるようになってきました。
──なるほど。Rinさんは結成から約半年後に途中加入しましたが、ここまでの活動を振り返ってみて思うことはありますか?
Rin 私はほかのグループで数年間活動していて一番アイドル歴が長かったし、ゆ~ろっぷにはアイドル活動を始めたばかりの子が多かったので、自分がパフォーマンスなどいろんな面で引っ張っていったほうがいいのかなと思っていたんです。ただ、前のグループとは環境が違っていたし、なかなか思ったようにいかないことも多くて……教えることも得意ではないので悩むこともありました。それで、言葉で教えるというより、例えばダンスをいち早く覚えたり、フリーで踊るパートを率先してやってみたりと、自分がお手本となって教えられたらと考えるようになりました。1年ちょっとの活動の中で、メンバーとコミュニケーションを取っていろんな話をしてきて、最近はグループの中での自分の立ち位置が見えてきました。
──自分が思う、ゆ~ろっぷならではの面白さってどんなところにありますか?
Rin やっぱり、ゆいちゃんも言ってたように、メンバーがみんな面白いところですね。衣装がロングスカートなのでおしとやかに見られることもあったんですけど、配信の中で面白い発言が飛び出したり、ライブ中もメンバー同士で目が合うとわちゃわちゃしたり、そういう見た目とのギャップがゆ~ろっぷのいいところかなと思います。なので、今後もメンバーの個性をもっと引き出していきたいです。
──加入して間もないJuriさんも、ゆ~ろっぷの面白さについて同じように感じています?
Juri はい。ステージはもちろん、楽屋で話しているときもいつも楽しいです。みんな面白くてゲラゲラ笑ってます(笑)。この前も配信の中で、みんなでお腹抱えるくらい笑いました。ステージでそういう面を出しすぎちゃうと大変かもしれないですが(笑)、みんなのにぎやかで明るい面がもっと伝わったらなと思います。
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とにかくアイドルっぽく