夢みるアドレセンスの派生妹グループ YUMEADO EUROPE|加入を決意した8人それぞれの思い

夢みるアドレセンスの派生グループ・YUMEADO EUROPEが1stシングル「Here we go and go! / Shakin'&Movin'」をリリースした。

YUMEADO EUROPE は2020年に行われた夢アドの新メンバーオーディション「なれんの!? 夢アド!? 2020」のファイナリストによって結成されたグループ。「夢アド3姉妹計画」と題されたプロジェクトの中で次女グループに位置付けられている。活動のコンセプトは“ヨーロッパの多様性”で、スイスレッド、ブリティッシュグリーンなど、国の名前が入ったメンバーカラーや、ヨーロッパをイメージしたサウンドや歌詞、振り付けなどが特徴だ。メンバーが当初加入を目指していた夢アドとは方向性の異なるグループだが、彼女たちはどのような思いのもとここで活動していくことを決めたのか。音楽ナタリーでは今年4月のデビューライブ以降の活動の手応えや、1stシングルの注目ポイントなども含め、メンバー8人に話を聞いた。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 飛鳥井里奈

まだ気持ちの整理がつかない状態だった

──YUMEADO EUROPEは夢みるアドレセンスの新メンバーオーディションで最終選考まで残ったものの、結果として合格に至らなかったメンバーが集まって結成されたグループとのことですが、夢アドの妹分として活動していくという話を最初に聞いたとき、正直どう思いましたか?

Ayu

Ayu オーディションの結果が発表された数日後にスタッフさんと面談して、新グループの話を聞かせていただいたんですけど、正直まだ気持ちの整理がつかない状態でした。もちろん声をかけてもらえるのはうれしかったですが、夢アドさんに入れなかったという悔しい気持ちもあって、複雑な思いだったんです。でも、メンバーはオーディションで顔を合わせていた子たちだったので、このメンバーとだったら上を目指してやってきたいという気持ちに最終的に変わっていきました。

Yukino 私は今まで看護師をやっていて、最初にこのグループのお話をいただいたときは、このまま看護師として生きていったほうがいいのかなと思って断ったんです。でも、私もこのメンバーと一緒に活動してみたいという気持ちになって……ひと言で言うとメンバーがいいから入った感じです。

Kiyo 涙ちょちょぎれそう。あとで今の部分の音声をいただけますか?(笑)

Yukino このメンバーじゃなかったらアイドルになってないかもしれないです。オーディションのときから、みんなと一緒にいるのがすごく楽しかったんですよ。結果としてオーディションに落ちて、これで終わりかなと考えていたんですけど、「Yukinoちゃんとなら一緒にやっていけそう」と言ってくれたり、悩んでいることを話したら優しい言葉をかけてくれたりして。この優しい子たちと一緒に今しかできないことをできるならと思って加入を決断しました。

Yui 私はオーディションが終わった次の日にこのグループの話を聞かせていただいて。アイドルになりたかったのでシンプルにうれしかったんですけど、そのときはメンバーの人数やグループのコンセプトも知らない段階だったので、正直不安な気持ちもありました。

──どのタイミングで前向きな気持ちに変わりました?

Yui 福岡から上京してきたChinatsuとNagisa、お仕事をしていたYukinoはあとから合流してくる形だったので、それ以外のメンバーで先に顔合わせをしたんです。私はそのときにプロデューサーさんの話を聞いて、「この人についていこう」と思いました。

Nagisa そうだったんだ!

Ayu それはわかる! このグループではこういうことをやっていく、ということを具体的に説明してもらえたので、ちゃんと活動していけば上に行けるんだと確信することができました。

このチャンスを手放したくなかった

Nagisa 私もオーディションの次の日にお話をいただいたんですけど、落ちて絶望しているときというか……。国家公務員になるための学校にも通っていて、アイドルはあきらめてそっちに専念するしかないかと思っていたところだったので、素直にうれしかったです。

Chinatsu

Chinatsu 私も同じです。ずっとアイドルが大好きで、アイドルになりたかったんですけど、なかなか一歩が踏み出せなくて。そんな中、初めて踏み出せた夢アドさんのオーディションに落ちちゃって「このまま福岡に帰らなきゃいけないのか……」とつらい気持ちになっていたときに、妹分グループができると聞いて、隣にいたNagisaちゃんと大喜びしました。私はまだ高校生だし、通っている学校を辞めて1人で上京することを親はどう思うんだろうと悩んだんですが、このチャンスを絶対に手放したくなかったんです。地元の友達も本気で応援してくれていたし、今は感謝の気持ちを忘れずに活動を楽しんでいます。

──新グループの話を聞いて葛藤があったメンバーもいれば、加入を即決したメンバーもいて、受け止め方はそれぞれだったんですね。

Kiyo 私は葛藤したほうでした。昔から歌とダンスを仕事にしたくて、特に韓国のアイドルさんが好きで本格的なアーティストを目指していたんです。日本のアイドルのオーディションを受けるのは夢アドさんが初めてで、結果として最終選考で落ちて、みんなと同じようにこのグループのお話をいただいたんですけど、正直めちゃくちゃ悩みました。自分がやりたいことって果たしてこれなのかなって。でも、そのときもう20歳で、今ここで飛び込まなかったら一生夢を叶えられないし、いただいたチャンスを手放したらまた1からのスタートになると思って、不安もありつつも、チャレンジすることにしました。

Yukari 私はアイドルになりたいというより、とにかく夢アドさんに入りたかったので、それが叶わないならアイドル活動をする意味がないなと思っていて。でも、「これからバイトをするだけの生活が続くのかな……」とも考えちゃって、思い切って挑戦してみようという気持ちに変わりました。あと、最初はほかのメンバーについて知らされてなくて不安だったんですけど、なぎちゃん(Nagisa)が入ると聞いたときに「なぎちゃんと一緒ならつらくてもがんばれる」と思って決断しました。

Nagisa すみません、のろけ話みたいで(笑)。

Ayu この2人はデキてるんですよ(笑)。

Yukari  なぎちゃんとはオーディションで初めて会ったんですけど、みんながピリピリしている中、私の目を見ながら一緒に踊ってくれて。すごくいい子だなと思ったんです。

──そこからすっかり仲良しに。

Ayu 2人はずっと手を握ってるんです(笑)。

オーディションに落ちたという共通の経験が大きい

──メンバー8人のうち、Rinさんは7月にグループに途中加入しました。その前の経歴としては3月に活動を終了したA応P(参照:A応Pはずっと心の中に、アニメ愛にあふれた3130日の物語が最終回迎える)に在籍していましたが、どういう思いがあってYUMEADO EUROPEでの再出発を決意したんですか?

Rin

Rin A応Pの活動が終了したあとも、歌とダンスを続けたいという思いがあって。そんな中、YUMEADO EUROPEのお話をいただいて、この機会を逃したら自分が好きなことを続けられなくなると思い、前向きな返事をしました。すでに活動がスタートしているグループに入るのは勇気が要ることで、自分は根暗というか、人見知りな部分があって不安だったんですが、みんなすごく明るく迎えてくれました。顔合わせしたときも質問攻めにしてくれて……最年少のChinatsuちゃんは女帝キャラなんですけど、それを全面に出してきて(笑)、面白いグループだなと思いました。ここなら上を目指せるなって。

Kiyo いい話だー。今の部分も録音ください(笑)。

Ayu Rinちゃんからこういう話を聞くのは初めてだよね。まだ加入してから1カ月くらいしか経ってないし、リリースイベントもいっぱいあって、急に慌ただしく活動し始めたし。素直な気持ちを聞くことができてうれしいです。

──8人ともこのメンバーだからこそ活動に前向きになれているようですが、結成してすぐに仲が深まったんですか?

Yukari そうですね。オーディション期間が1カ月くらいあって、その間にお互いのことを知ることができていたし、1回オーディションに落ちたという経験を共有しているのが大きかったです。