ゆくえしれずつれづれ|重なり合う4つの咆哮

小町の声は“救い”

──シングルの3曲目に収められている「Helpless」は、ほかの収録曲と一転してシャウトが一切入っていない曲です。シャウトのほうが得意な2人にとっては逆に大変な曲になってしまいますよね。

 どうやって感情を乗せたらいいか苦労しました。でも歌詞は「Helpless」が一番好きかも。たぶんライブでグッと来るのは「Helpless」なんじゃないかなって思いました。

◎屋 私、「Helpless」のレコーディングの日に風邪を引いてしまいまして。もともと音痴なんですけど余計に音程が取りにくくなってしまい……シャウトがないので勢いに任せることもできないし、「Helpless」は苦労しました。

 でも「Helpless」のしだれの歌い出しすごく好き。

子子子 いつもよりちょっと低くて違う感じがいいよね。

◎屋 えっ、うれしい! 初めてメンバーから褒められたかも!

 お互いあんまり褒め合ったりしないからね。

◎屋 一番歌が安定している子子子がいつも最初に歌入れをして、それをもとに私たちが自分のパートを歌うんですけど、たまに子子子につられて歌っちゃうことがあるんですよ。そうすると社長に怒られますの。「お前はお前の歌い方をしろ」って。

まれ・A・小町

小町 しだれはしだれの歌い方をしているのが一番いいからね。私もみんなの歌には左右されないように自分らしく歌うようにしています。

子子子 小町の声は透明感があるから、私はすごく救いを感じるんです。つれづれの曲の中にある“光”とか“救い”を小町が担っているイメージがある。

小町 へえ。そうなんだ。

子子子 小町が歌うからこそのよさがあるよ。

つれづれは陸軍

──7月からFM FUJIでコドモメンタルINC.の所属アーティストが出演するラジオ「GIRLS♥GIRLS♥GIRLS=コドモメンタルRADIO=」の放送がスタートしました(参照:ぜん君。、少年がミルクら登場「コドモメンタルRADIO」放送スタート)。皆さんすでに1回ずつは出演されてますよね?

◎屋 はい。私は出演してみて、すごく落ち込みました。

 え、なんで?

◎屋 頭が固すぎたのか、面白い話ができなくて。「録れ高が……」とか考えちゃって。

子子子 それを考えるからだよね。

◎屋 そう。咎憐无ちゃんが一緒で、すごく明るい雰囲気にしてくれるのに私が暗くする、みたいな繰り返しで……。

──ぜんぶ君のせいだ。もそうですけど、コドモメンタル.INCのアーティストはライブであまりMCをしない傾向にあると思っていて。だからこそ、トーク番組をやるっていうところに新鮮さを感じました。

◎屋 人前でしゃべることは大事なので、ラジオを続けていくうちに慣れていってもっとうまくなるようにします。

──ほかのメンバーはラジオに出演してみてどうでしたか?

小町 小町は日常会話がそもそも苦手なので、ちゃんとコミュニケーションを取らなきゃいけない場を与えられた、という感じです。

◎屋 私と一緒で、お勉強だね。

小町 勉強の場所になってます。

子子子

子子子 んー、私は普通な感じでした。自己紹介的なトークだったので特に苦労もしなかったし。普通に楽しくしゃべってた感じでしたね。

 私はラジオを聴き返してみて、なんか自分の声がめちゃくちゃやる気ないように聞こえて……収録のときはテンション高くしてしゃべっているつもりだったんだけど。

子子子 そう言えばそうだったね。「なんか性格悪そうに聞こえる!」って。

 そうそう。なんか性格が悪そうなの。

◎屋 緊張してるのかなって思ったけど。

 いや、別にそんなに緊張はしてなかったんだよ。すごくテンションを高くして収録に臨んだつもりだったのに、はたから見たら「こういう風に聞こえるのか」って思っちゃって。

◎屋 難しいよね、ラジオ。

──ちなみにコドモメンタル.INCのほかのアーティストさんとはラジオ以外にもライブなどでもご一緒する機会も多いかと思いますが、レーベルプロダクションの中でつれづれってどういう立ち位置なんですか?

 すごい感覚的なものなんですけど、つれづれが陸軍で、ぜん君。さんが空軍、ミルクさんが海軍って感じです。

一同 (笑)。

子子子 全然わからない。

 ほら、つれづれは陸から地道に攻めていくみたいな感じで。ぜん君。さんは、飛んで行って爆弾を落としていく、みたいな感じ。

◎屋 ミルクさんは?

 ミルクさんは船の先頭に立っているイメージあるから。

子子子 すごいね。軍隊として考えたことがなかったから新鮮だよ。

◎屋 でも私たちはほふく前進で進んでる感じがあるから、合ってるかもしれないね。

ゆくえしれずつれづれ
ゆくえしれずつれづれ「Loud Asymmetry」
2017年8月9日発売 / コドモメンタルINC.
ゆくえしれずつれづれ「Loud Asymmetry」

[CD]
1080円 / CMI-0026

Amazon.co.jp

収録曲
  1. Loud Asymmetry
  2. Karmaloop
  3. Helpless
ゆくえしれずつれづれ
ゆくえしれずつれづれ
「だつりょく系げきじょう系」をコンセプトに活動するアイドルユニット。2015年12月に1st配信シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」をリリースし、◎屋しだれ、まれ・A・小町、想九里倫の3人で活動をスタートさせる。2016年1月、初ライブを前にして想九里が体調不良のためユニットからの脱退が決定。新メンバーとして潮賽乃吉が加入するが、潮賽も体調不良のためユニットを脱退した。2016年5月に1stミニアルバム「Antino未deology」をリリース。またオーディションの結果、英艶奴と子子子の2名が新メンバーとしてユニットに加わった。2017年2月には1stミニアルバム「Antino未deology」を現体制の4人で再録した音源「Antino未deology-改式-」を発表。5月にはユニットの海外名義である「Not Secured, Loose Ends」として、カナダで海外公演を行った。8月、3rdシングル「Loud Asymmetry」をリリースした。