音楽ナタリー Power Push - ゆくえしれずつれづれ

“6人”で殻を破る 新体制初のシングル完成

一生懸命に遺書を書く

──3カ月連続ワンマンは活動の拠点である愛知で行われていますが、ぜんぶ君のせいだ。とのツーマンのように最近は東京でライブをやる機会も増えていますよね。東京のファンの反応って皆さんにとってはどうですか?

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

◎屋 東京の方はいろんな音楽を知っているからか、私たちのことを快く受け入れてくれている印象です。

小町 対バンライブでつれづれの全力をぶつけに行ったら、それ以上のパワーで返してくれる感じがして。単純にうれしいですし、負けちゃいけないなって気持ちも強いですね。

◎屋 まだまだ新参者の立場ですが、いろんな方に興味を持っていただいて、もっと踏み込んでもらえたらと思っております。ありがたいことにワンマンライブを開催する機会も増えておりますので、興味を持っていただけたら。

──前回のインタビューで◎屋さんと小町さんは毎回ライブが始まる前に遺書を群青さんに渡すとおっしゃっていました(参照:ゆくえしれずつれづれ「Antino未deology」インタビュー )。新メンバーの2人もライブの前に遺書を書いているんですか?

子子子 はい。本当に死ぬ気になって「先立つ不幸を許してください」って書いてます。

 遺書って書いたことがなかったから最初は決意表明を書いていたんです。「死ぬ気でがんばります」みたいな。でもみんなに見せてもらって、だんだん遺書がどういうものかわかってきたから、最近はようやく遺書っぽい内容の文章が書けるようになってきました。

小町 何を書くかは人それぞれなんですけどね。小町は本当の生死について書くのではなくて、そのときの自分の気持ちへの決別を遺書にしたりもしますし。

──ちゃんと書いてはいるけど、いつも群青さんに破られてしまうんですよね?

◎屋 はい(笑)。ただ、まれに初めて私たちのライブを観に来てくれた方が遺書を読んでくださることがあるんです。

──初見だとわかりませんからね。アーティストからもらったものを破ろうとは思わないでしょうし。

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

◎屋 こちらとしては読まれる可能性もあるわけですから、毎回一生懸命書かなくてはいけない(笑)。それと「Antino未deology」を出してたくさんの方に聴いていただいたことで、盛り上がり方がちょっとずつ変わってきています。例えば「つれづれ賛歌」で「行ってきます」という歌詞が出てくるんですけど、この部分を群青さんが一斉に言ってくださるようになりまして。そこが最高に気持ちいいんです。

 みんなに歌ってもらえるとうれしいですね。

◎屋 ただミックスを打ちたくない方とかもいると思いますので、そういう方も無理しないでお好きなように聴いていただきたいな、と常々思っています。

周りのことを考える脳は持っておりません

──8月28日には愛知・CLUB Zionにて3カ月連続ワンマンのファイナルが実施されます。

◎屋 1回目のワンマンのときは本編9曲とアンコール2曲ぐらいだったのですが、まだいけるなと思っていたんです。でも2回目のワンマンはアンコールで5曲やって、合計14曲をほぼMCなしでやりまして。さすがに声がかれましたわ(笑)。

子子子 2回目のワンマンのときは「苦しいけどもっとやりたい」って思いました。

 艶奴も全然いけました。足りなかった。

小町 すごいね。

◎屋 ファイナルが楽しみですわ。ただ喉だけは気を付けてくださいね。負担をかけますから。

──4人が課題としていることはありますか?

 アイドル好きだけじゃなくて、ハードコアとかが好きな人にも聴いてほしいなと思っています。

◎屋 そのためにも、シャウトだったり技術を磨いていかなければならないと思っています。ちゃんと音楽で戦えるようになるために。

──つれづれは音楽性も含めて、あまりアイドルっぽさを重視していないような印象があります。

子子子 ほかのアイドルのことがメンバー内で話題に上がったりしないんですよね。

 私はアイドルの中でつれづれが一番カッコいいと思って毎回ライブをしています。

◎屋 いろんな方々と対バンさせていただく機会が増えていますが、いい意味でお相手のことを気にしないんですよね。おそらく今は自分たちのことで精一杯なんだと思います。周りのことを考える脳は持っておりません(笑)。

──そういう感覚はライブを重ねていくことで、変わってくるかもしれませんね。

◎屋 そうだと思います。4人になって、つれづれはやっと1つの殻を破ったばかりのような気がするんです。やっとここから1歩先へ進んで行けるようになったところ。これから私たちが成長するところを群青さんには見守っていてほしいですね。

ゆくえしれずつれづれ
ゆくえしれずつれづれ「3ヶ月連続ワンマンLIVE~剥き出し」ファイナル
2016年8月28日(日)愛知県 CLUB Zion
ゆくえしれずつれづれ

「だつりょく系げきじょう系」をコンセプトに活動するアイドルユニット。2015年12月に1st配信シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」をリリースし、◎屋しだれ、まれ・A・小町、想九里倫の3人で活動をスタートさせる。2016年1月、初ライブを前にして想九里が体調不良のためユニットからの脱退が決定。新メンバーとして潮賽乃吉が加入するが、潮賽も体調不良のためユニットを脱退した。2016年5月に1stミニアルバム「Antino未deology」をリリース。またオーディションの結果、英艶奴と子子子の2名が新メンバーとしてユニットに加わった。同年8月、4人体制で初となるシングル「六落叫 / ニーチェとの戯曲」を発表した。