音楽ナタリー PowerPush - ゆいかおり
小倉唯&石原夏織が魅せた2015年の大胆“NEO”モード
ゆいかおりツアー「HEARTY PARTY!!」レポート
インタビューにも再三登場したゆいかおりのツアー「HEARTY PARTY!!」。ここではその千秋楽、2014年12月7日の千葉・幕張メッセイベントホール公演のレポートをお届けする。ユニットのネクストフェイズを予感させるシングル「NEO SIGNALIFE」リリースを1カ月前に控えた、2014年のゆいかおりの集大成の一端にぜひとも触れてみてほしい。
ツアー千秋楽の幕開けを飾ったのは「PUPPY LOVE!!」。観客が手にしたピンクとブルーのペンライトの光であふれかえるイベントホールのステージに現れた小倉、石原はその大観衆とともに「ぱぴーLOVE!!! ぱっぱぴーLOVE!!」の大合唱を繰り広げると、続けざまに「PUPPY LOVE!!」と同じく前山田健一プロデュースのアップリフティングな1曲「ウェィカッ!!」をドロップし、いきなり会場の熱気をピークへと押し上げる。
そして自身のラジオ番組「ゆいかおりの実♪」でもおなじみ「こんばんみのるー!」とオーディエンスと挨拶を交わした2人は、イベントホールのキャパシティに目を丸くしながらも、序盤の勢いそのままにラブリーでアッパーな「Our Song」「Shooting☆Smile」「Intro Situation」を三連投。またも大歓声を集めてみせ、ソロコーナーになだれ込んだ。
幕間、パジャマ姿の2人がツイスターゲームに挑戦する映像が流れたのちにステージに登場したのは、それまでのイエローベースのワンピースからピンクのワンピースにお色直しした小倉。ピンクの光に染め上げられた客席エリアを前に「Tinkling Smile」を歌った彼女は、その光景に「感動しました」と満面の笑みを見せつつ、アンケートを実施する。「大好きな冬到来!」「寒いのが好きだからすごい幸せ」と語る彼女が「冬派か夏派か」と問いかけると、夏派と冬派が「ほぼほぼ半分」という結果に。これに彼女は「私のプランでは夏派が多くて『そんなことないんだよ』『冬も素敵だよ』って冬の魅力を伝えたかったのに!」と苦笑いを浮かべつつ、それでも冬の魅力をプレゼンテーション。「朝、ドアを開けた瞬間、顔だけ寒くなるあの感じがいい」「冬といったら鍋ですよね。モツ鍋とか。でも私、モツ苦手なんだよな」というなんとも不思議な自説を披露していた。
大久保薫アレンジによる、ゆいかおり「ハツコイメイズ」のソロバージョンを歌った小倉がステージをあとにすると、入れ替わるように石原がステージに。ホワイトのトップスとショートパンツにお色直しした彼女はギターロックチューン「Sunny Ray Beam!!」をタフに歌い上げるや「ちょっと怒ってることがあるんですよ!」とひと言。先の小倉のMC序盤、夏派が半数はいたはずなのに、最後にはみんな冬派に転じたことをボヤき出す。
そんな“夏派”の石原が改めてアンケートすると、ブルーのペンライト一色の客席エリアはもちろん「夏派」一色に。これに「みんな、簡単ですね」といたずらに笑った彼女は俊龍アレンジの、ゆいかおり「Shiny Blue」ソロバージョンを歌って、ソロパートの幕を下ろした。
ライブ中盤、レインボーカラーに再々お色直しした小倉、石原はその後のセットリストをダンサブルな楽曲群で構成。バウンスしまくるリズムが印象的な「恋するストール」ののちには、EDMトラックに乗せて2人が力強いダンスを披露する幕間映像“DANCING PARTY”の間にメタリックなダークピンクとダークブルーのミニワンピースに再々々お色直しして、重たいキックと軽やかなギターカッティングが混ざり合う「VIVIVID PARTY!」を投下。さらに超高速ナンバー「圧倒的な GO!!」を畳みかけ、自らはもちろん、観客をも踊らせた。
しかしその直後、2014年を振り返るMCタイムでは一転。2人は“ゆるい”ゆいかおりの横顔を全開にする。流行語の1つに「壁ドン」があったことに触れると、客席エリアの「やって!」コールに押されて、お互いがお互いを壁ドン。しかし小柄な2人だけに妙に近い距離で見つめ合ってしまい、石原は「このアングルおかしくない?」と思わずツッコみ、小倉は「いきなり近づいてきたからドキッとした」と照れ笑い。観客から冷やかし半分、声援半分の歓声を浴びてしまう。
インタビューの通り、そのタフなメッセージとダンスで会場の熱気をさらに一段上へと押し上げた「NEO SIGNALIFE」、石原がステージ上手のトロッコに、小倉が下手のトロッコに乗り込み、アリーナを回りながら歌った「Our Steady Boy」、イントロと同時に噴射されたメタリックなテープが降り注ぐ中「君も軽やかに笑って」と観客の笑顔を誘った「LUCKY DUCKY!!」を披露したところでライブ本編は大団円。2人が「ありがとうございました!」と声を揃えてステージをあとにするも、その直後には「ゆいかおり!」の大コールが巻き起こる。
その声に応えた小倉が「信じられないくらいたくさんのお客さんが集まってくれたこと、運命でみんなとつながれていることに感謝します」と改めてツアーを完遂できたこと、この日のライブが成功を収めたことに頭を下げると、石原は「終わっちゃうのが寂しいね」とポツリ。しかしオーディエンスの「またやろう!」の声に「もちろんだよ!」と応えて小倉とともに「最後まで駆け抜けていきましょう」と、明るいギターロック「Jumpin' Bunny Flash!!」でアリーナ、スタンドとともにかわいらしくも力強いジャンプをキメてみせ、「星降る夜のハッピーリンク」で「大丈夫 忘れないでね」「最高の仲間がいること」と改めてオーディエンスへの感謝を伝えて、自身の2014年の活動と、最大キャパとなった今回のツアー、そしてこの日の公演を締めくくった。
animelo mix presents ゆいかおりLIVE TOUR「HEARTY PARTY!!」
2014年12月7日 幕張メッセ イベントホール セットリスト
01. PUPPY LOVE!!
02. ウェィカッ!!
03. Our Song
04. Shooting☆Smile
05. Intro Situation
06. Tinkling Smile(小倉唯ソロ)
07. ハツコイメイズ *Sugar time ver.(小倉唯ソロ)
08. Sunny Ray Beam!!(石原夏織ソロ)
09. Shiny Blue *Right on! Dream ver.(石原夏織ソロ)
10. ふたり
11. 恋するストール
12. VIVIVID PARTY!
13. MIRRORING DESIGNS
14. 圧倒的な GO!!
15. NEO SIGNALIFE
16. Our Steady Boy
17. LUCKY DUCKY!!
<アンコール>
18. Jumpin' Bunny Flash!!
19. 星降る夜のハッピーリンク
- ニューシングル「NEO SIGNALIFE」 / 2015年1月7日発売 / キングレコード
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1836円 / KICM-91564
- 通常盤 [CD] / 1188円 / KICM-1564
CD収録曲
- NEO SIGNALIFE
- オリオンからのメッセージ
- NEO SIGNALIFE(off vocal ver.)
- オリオンからのメッセージ(off vocal ver.)
初回限定盤DVD収録内容
- 「NEO SIGNALIFE」MUSIC VIDEO
- MAKING
ゆいかおり
小倉唯と石原夏織からなるユニット。2009年に結成され、2010年5月にはシングル「Our Steady Boy」でメジャーデビューを果たす。以降、それぞれ声優として活動しながらもコンスタントにリリースを重ね、2011年9月には1stアルバム「Puppy」、2013年10月には2ndアルバム「Bunny」を発表した。2014年7月にニューシングル「Intro Situation」をリリースし、11~12月には千葉・幕張メッセイベントホール公演など、キャリア最大キャパシティのライブツアー「HEARTY PARTY!!」を開催。そして2015年1月7日、ニューシングル「NEO SIGNALIFE」をリリースした。