- 吉田山田(ヨシダヤマダ)
- 吉田結威(G, Vo)と山田義孝(Vo)からなる男性2人組アーティスト。高校時代に出会った2人が紆余曲折を経て、2003年頃から2人で音楽活動をスタート。地道なライブ活動を経て、2009年10月にシングル「ガムシャランナー」でメジャーデビューを果たす。NHK「みんなのうた」2013年12月・2014年1月オンエア楽曲の「日々」を同年12月に発売し、各方面から大反響を呼んだ。2014年1月、3rdアルバム「吉田山田」をリリース。同年12月にはシングルコレクション「吉田山田シングルズ」を発売した。また2015年4月からはニッポン放送「吉田山田のオールナイトニッポン0(ZERO)」のレギュラーパーソナリティを担当。2016年には4thアルバム「47【ヨンナナ】」を携え、47都道府県を回る全国ツアーを開催した。2017年9月より全国21カ所を回る「吉田山田ツアー2017」を開催。同年11月には5thアルバム「変身」を発表した。
相方が殻を破ろうとしてる
──山田さんは吉田さんの変化をどう感じていますか?
よっちゃんは基本的に“ずっと石橋を叩いて渡る”よりもっとすごい “石橋を渡る前にまず設計図を見る”みたいな性格の人なんです。それに対して僕は石橋をよく見もしないで渡ろうとして何回も落ちる、みたいなタイプで(笑)。
──まるで正反対なんですね。
そう。設計図を見て納得いくまで考えてから橋を渡ってたよっちゃんが、ここ1、2年で変わってきたんです。今は誰かに「この橋って大丈夫ですか?」って聞いてその答えだけでも渡れるようになった感じと言うか。今までよっちゃんは自分の世界をすごく大事にしていて、全部1人でやるほうが効率がいい、外に出るより家で何かをするほうが性に合ってる、というタイプだったんだけど、最近は積極的に周りの人と交流を図ろうとしてるんです。自分の殻を破ろうとしてる。
──吉田さんが変わった理由って何か思い当りますか?
もしかしたら違うかもしれないけど、焦りじゃないかなと思います。これはよっちゃんだけじゃなくて、僕も同じ感覚なんですけど「このままでいい」とは思っていないから。僕ら2人共、今までは意地やプライドがあってどこかで変化することを拒んできた部分があったと思うんです。でも今はそういう余計な感情は捨てて、変わらなきゃいけないって思いが強くなっています。
心の中の変化を言葉に
──吉田さんの変化を感じる中で、山田さんは自分自身で何か変わりましたか?
実はよっちゃんと逆で、僕は自分の中に閉じこもる時間がちょっと増えたんです。今までは外にいろんな刺激を求めてどこへでも行くような性格だったんですけど、よっちゃんが変わり始めたのとちょうど同じようなタイミングで、僕はもっと1人の時間を大切にして、自分のことを掘り下げなければならないなって感じるようになって。2人組って不思議ですよね。無意識なのか実は意識をしていたのかはわからないですが、お互いのバランスを取り合ってる感じがする。
──2015年は「オールナイトニッポン」のパーソナリティを務めた年であり、2016年は47都道府県ツアーを開催し、数多くのライブを行った年でした。ここ1、2年の変化ということは、これらの経験がお二人に変化を促したのでしょうか?
そうかもしれないですね。「オールナイト」をやっているときはとにかく必死だったから、変化に気付けていなかったかもしれないけど、47都道府県ツアーをやってからは自分のこともよっちゃんに対しても「ちょっと変わったかな」と思うようになりました。それと最近、やっと僕は自分の心の中の変化や気持ちをすぐに言葉にできるようになって。
──それはどういうことですか?
説明するのは難しいんですけど、例えば何かを見てモヤモヤしたとき、普通だったらそれがなぜモヤモヤ感じるのかすぐ言葉にできると思うんですが、以前の僕の場合はそれをどういう言葉で表現したらいいのか、すごく時間がかかったんです。心の中で変化が起きて、それが徐々に頭で理解できる感じ。「いつもと同じライブのはずなのに、全然気持ちが違う」とか、なんかモヤモヤしたその理由を言葉にするまでってめちゃくちゃ苦しいんですよ。でも最近やっとそれがすぐに頭で理解して、言葉にできるようになりました。僕は自分の気持ちとか感情を人に説明するのが下手なんですけど、ようやくそれができるようになってきたかなって。
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「お前、自分のために歌えよ」