カラフルな楽曲に合わせた表現に苦戦した
──E TICKET PRODUCTION制作のラップ曲「BQN」で始まるので、今回もそういうテンションかな、と思ったんですが、基本的には歌で表現する部分の強いアルバムになりましたね。それはボーカリストとして鮮烈な印象を残したデビュー当時の感触に近いとも思ったし、“シンガー”と“ラッパー”の両軸が、このアルバムで統合された感じがしました。
前回はラップが中心で、歌で伝える部分があんまりなかったので、今回は改めて歌を形にして、しっかりと表現したいなって。だからファンの人は「おっ!」って驚いてくれるかもしれないですね。ラップも好きだし、歌も好きだしっていう、いいとこ取りのアルバムになったと思います。
──ボーカルの表現の幅が広がってるからトラックの幅広さとリンクして、すごくカラフルな感触がありますね。ただ、メロディは非常にテクニカルな曲が多い。「YOLO♪」や「EYE CANDY」などは、メロディの転調や楽曲の構成が非常に多層的になっています。
自分的にも歌ってて苦戦する曲が多かったですね。ひさびさに“歌”ってなると、そのモードに身体が反応するまで難しかったですね。
──苦戦するんですね、っていうと変だけど、凜音さんはあんまり苦戦しそうにない感じもするので。
苦戦しますよ(笑)。曲に合わせて声の雰囲気を変えたりもしたいし、そういう表現の幅をしっかり楽曲に落とし込むのが難しかったですね。
──メロディに沿って歌えるだけじゃなくて、声の表情やニュアンスで世界観を表現するのに苦戦したと。
「BQN」とかはオラオラ系でやってるし、「YOLO♪」は17歳ならではの「イエー!」って感じだし、「SHEEPS ROCK」はギターの音を軸にした感じなので、それに合わせたロック調の声を出してみたり。そうやって表現の色をいろいろ変えてみましたね。
──「ビタラブ」のボーカルは、低温でしっかり熱を伝えるような雰囲気ですし。
「ビタラブ」はバラードならではの感触を出したくて。こんな王道のバラードはめっちゃひさしぶりだったし、歌ってて感情を入れやすかったですね。歌詞もすごくキャッチーでJKも入りやすい歌詞だと思うし、恋してる女の子に刺さればうれしいですね。
「みんな巻き込んでやろう」ぐらいの気持ちで歌ってる
──アルバム入り口の「BQN」と終着点の「ビタラブ」では、まったく方向性が違いますね。
「BQN」のクソガキ感は今しか出せないのかなって思います。歌ってても「(巻き舌で)おら!」ってできるから楽しいです(笑)。
──確かに十代だから許される内容かもしれないですね。
二十代でこんなこと言ってたらぶっ飛ばされるんじゃないかなって(笑)。今しか歌えないし、今歌いたい曲ですね。
──この曲の中で「BQNBQN 全部嫌になったら BQNBQN 君のこと撃ち抜こう BQNBQN くだらない世界ごと BQNBQN 撃ち抜いてあげる バキューン」とラップしてますが、活動するときは自分のために歌うっていうよりも、この曲のように誰かのため、誰かと一緒になるため、という意識のほうが強いですか?
そうですね。「みんな巻き込んでやろう」って思うし、それぐらいの気持ちで歌ってます。聴いてくれた人の世界が変わったり、広がるようなパフォーマンスやライブを見せたい。それは音楽を聴いて私もそう思ったし、私の曲が誰かにとってそうであればうれしいですね。
──「旬感少女」は凜音さんも登場された映画「はらはらなのか。」(2017年4月公開)で監督を務めた酒井麻衣さんの作詞による楽曲ですね。
歌詞を書かれたのは始めてだったそうで。不思議な世界観で、映画を作る人ならではの言葉の表現を感じました。抽象的なんだけどストーリー性がある歌詞なので、その物語をイメージしながら歌いましたね。
──この曲と「KESALAN BLUES」はケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)さんの作曲ですね。
ケンモチさんには、最新のビートのトラックを作っていただいて。ケンモチさんの作る世界ならではの、最先端を歌いたいと思いました。あと、ケンモチさんは「真冬のオオカミくんには騙されない」を全話観たって言ってくれました(笑)。
──DÉ DÉ MOUSEさんが作詞作曲を担当した「RINNECTION」も先端のビート性が強いですね。
同じくDÉ DÉ MOUSEさんが手がけた「Re-RINNE」(2017年8月発売のミニアルバム「STAY FOOL!!」収録曲)と通じる部分はあると思うんですが、「RINNECTION」は私の声を生かしてくれた曲なので、ダンサブルなんだけど、曲自体もしっかり聴いてほしいと思いますね。
- 吉田凜音「SEVENTEEN」
- 2018年4月25日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤 [CD+DVD]
3780円 / VIZL-1366 -
通常盤 [CD]
3240円 / VICL-64988
- CD収録曲
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- BQN
[作詞・作曲:E TICKET PRODUCTION] - YOLO♪
[作詞・作曲:NA.ZU.NA、Yu-ki Kokubo、YHANAEL] - EYE CANDY
[作詞:おかもとえみ / 作曲:in the blue shirt] - 旬感少女
[作詞:酒井麻衣 / 作曲:Kenmochi Hidefumi] - KESALAN BLUES
[作詞:津野米咲 / 作曲:Kenmochi Hidefumi] - RINNECTION
[作詞・作曲:DÉ DÉ MOUSE] - Circuit Board
[作詞・作曲:シライシ紗トリ] - ヤバババイ
[作詞:上鈴木兄弟 / 作曲:さいとうりょうじ] - SHEEPS ROCK
[作詞・作曲:シライシ紗トリ] - スキ
[作詞:YUI / 作曲:Avec Avec] - ビタラブ
[作詞・作曲:シライシ紗トリ]
- BQN
- 初回限定盤DVD収録内容
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・「it's rinne time~vol.2~」@WWWライブ公演
- Re-RINNE
- Ride On Turtle
- Ready make some noise feat. DOTAMA
- 裏原ンウェイ
- KITTY
- Lonely Rap Girl
- りんねラップ2
- 最高革命
- ヤバババイ
- RADIO GIRL
- サイダー
- HELLO ALONE
- STAY FOOL!!
- パーティーアップ
- りんねラップ
・「サイダー」Music Video
- 吉田凜音ワンマンライブ
it's rinne time~vol.3~ -
2018年5月2日(水)
東京都 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
- アルバム「SEVENTEEN」発売記念
フリーライブ&特典会 -
2018年4月30日(月・振休)
東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
START 12:002018年5月11日(金)
大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 6F イベントスペース
OPEN 18:30 / START 19:002018年5月20日(日)
北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店 イベントスペース
START 15:00
- 吉田凜音(ヨシダリンネ)
- 北海道札幌市出身、2000年生まれのソロアーティスト。2013年から本格的なソロ活動をスタートし、数々のライブでその高い歌唱力を披露して話題を集める。2016年4月には吉田(Vo)、西寺郷太(Dr, Cho, Programming / NONA REEVES)、村田シゲ(B / □□□)、山形知也(G / I HATE MONDAYS)、杉田未央(Key)からなるバンドMAGI(c)PEPA(マジぺパ)を本格始動させ、2017年3月にはラッププロジェクト・RINNE HIPとしてデビューCD「裏原ンウェイ.ep」をリリースするなど、さまざまなスタイルで活動を展開。8月には吉田凜音としての新作ミニアルバム「STAY FOOL!!」を、ビクターエンタテインメント内のレーベル・Colourful Recordsから発売した。2018年1月からはAbemaTVの恋愛リアリティショー「真冬のオオカミくんには騙されない」シーズン3に参加し話題に。同年4月にはニューアルバム「SEVENTEEN」をリリース。