音楽ナタリー Power Push - 夜の本気ダンス
新体制初のシングルで示した、夜ダンらしさと新たな一面
今までっぽさを裏切っていく
──「LIBERTY」はダンスビートとキレのあるギターリフで駆け抜けていくようなサウンドが印象的ですね。「そのままエッジィな雰囲気のサビがくるのかな?」と思ったんですけど、サビではポップなメロディと美しいハーモニーが重なって。意外な展開でした。
鈴鹿 ちょっとずつ“今までっぽさ”を裏切っていくような展開で。西田くんらしいカッコいいギターソロが入っていたりだとか。そういうふうにいい意味でリスナーを裏切る部分のカッコよさを感じてもらえたらなと思いますね。ほんまにサビのメロディがいいし、大きい会場でみんなで歌いたいですね。
米田 ライブに来てくれるみんなを思いながら作りました。ライブ映えするポップな曲にしたいっていうのがあったので、メジャーコードで作っていって。
マイケル 展開が複雑だからこそ、最後までサビを悩んでたよね。でも米田が今のサビを持ってきたときにバチッとハマりましたね。コーラスを重ねたり、ポップな感じのコード進行にしたり、使っている音が多かったりとか、今までは思い付くけどうまく表現できなかったところがこのタイミングで表現できたと思います。
西田 ちょねくんは歌のリズムやテンポ感へのこだわりもすごいですけど、持ってきた要素をポップスに落とし込むセンスなんかもあるんやなって。しみじみと感じた1曲ですね。
最後までちゃんとロックバンドでありたい
──今回のシングルには7月に東京・LIQUIDROOMで行われたワンマンツアーの最終公演より「Only Seventeen」と「夜に本気ダンス」のライブ音源が収録されます。夜の本気ダンスがライブ音源を作品に収録するのは初めてですよね。
米田 そうなんです。今回ワンマンツアーをやるにあたって昔から演奏してる「夜に本気ダンス」をリアレンジして気に入ってたので、ぜひライブ音源として出したいなと。それ入れるんやったら、「夜に本気ダンス」の前に披露した「Only Seventeen」から入れたほうがよりライブ感を感じてもらえるんじゃないかなって。
──さらに初回限定盤にはLIQUIDROOM公演のライブ映像を収録したDVDが付属します。ライブを実際に拝見しましたが、いつもSEとして使用している「ロシアのビッグマフ」を演奏しながら登場するという場面では会場が沸き立っていましたね(参照:夜の本気ダンス、盤石のアンサンブルと新旧の楽曲で魅せたリキッド単独公演)。
米田 今回はPAさん、照明さん、ローディさんをはじめとした固定のスタッフと、チームとして初めてツアーを回ったんです。最初「ロシアのビッグマフ」を演奏して出てくるっていうのもチームみんなで話して決めたことだったし、照明さんも毎回同じ人だからバチっとキメてくれはるし。ツアーが終わったときに、まず一番に「この人らと一緒にやれてめっちゃよかった」っていうのを思いましたね。すごく助けてもらいました。
──1月には「Without You / LIBERTY」を携えたワンマンライブツアー「Too Shy A key TOUR 2017」が開催されますね。西田さんは夜の本気ダンスに加入後初めてのツアーとなりますが、どのようなお気持ちですか?
西田 いろんなところに行きますけど、たぶん僕のことを観るのを初めての方が多いと思います。そこで新生夜の本気ダンスはいい意味で先が見えへんというか、「これからどうなっていくんやろ?」っていうドキドキ感を持って帰ってもらえるようなライブがしたいなと思ってます。ファイナルはZepp DiverCity TOKYOですけど、僕はそんな大きな会場でやったことがないので、どうなるやらって感じですごい楽しみです。
──先ほど新たなステップとして「Without You」を作ったという話も出ましたが、新体制としての今後の展望があれば教えてください。
米田 年齢性別関係なく、いろんな人に響くようなバンドになれたらなと思います。時代とかも関係なく、ロックバンドとしてでっかくなっていきたいですね。最近年上の方にも気に入ってもらえたりしているので、そういう人たちもどんどんライブに来てほしいなっていう。ただ騒いで暴れるっていうだけじゃなく、いろんな楽しみ方をしてもらえたらいいなと思います。
鈴鹿 そういう意味ではさっき言ってたようにホールとかも全然ありやなと思いますね。ライブハウスの爆発する感じも好きなので、どっちも大事にしてどっちも通用する夜の本気ダンスになりたいですね。
マイケル うん。まだまだ名前を広めていかないとダメだなとは思うんですけど、いろんな挑戦ができる段階に来てるのかなとも思うんですよね。もともと持っていた一面に加えて、新たな一面を出しても「夜の本気ダンスらしい」って言ってもらえるのかなって。米田くんはいろんな引き出しがある人なので、楽しみにしていてほしいです。
西田 いろんな見られ方をするバンドやとは思うんですけど、やっぱり最後までちゃんとロックバンドでありたいなと思います。ロックって突発的に出てきたものというよりかは、いろんな経緯があってできた音楽だと思うので。その流れの中で、点じゃなくて線であり続ける音楽を作っていきたいです。
- メジャー1stシングル「Without You / LIBERTY」 / 2016年12月7日発売 / Victor Entertainment
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1728円 / VIZL-1063
- 通常盤 [CD] 1080円 / VICL-37221
CD収録曲
- Without You
- LIBERTY
- Only Seventeen(Live at Ebisu Liquidroom_2016.07.15)
- 夜に本気ダンス(Live at Ebisu Liquidroom_2016.07.15)
初回限定盤DVD収録内容
WONDERFUL! DANCEABLE! ENSEMBLE! TOUR(2016年7月15日 LIQUIDROOM)
- ロシアのビッグマフ
- Crazy Dancer
- fuckin' so tired
- Only Nineteen
- B!tch
- You gotta move
- 夜に本気ダンス
- escape with you
- 戦争
夜の本気ダンス "Too Shy A key TOUR 2017"
- 2017年1月9日(月・祝)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2017年1月13日(金)大阪府 なんばHatch
- 2017年1月14日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2017年1月15日(日)福岡県 BEAT STATION
- 2017年1月20日(金)愛知県 DIAMOND HALL
- 2017年1月21日(土)宮城県 Rensa
- 2017年1月22日(日)新潟県 NEXS Niigata
- 2017年1月27日(金)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
夜の本気ダンス(ヨルノホンキダンス)
米田貴紀(Vo, G)、鈴鹿秋斗(Dr)、マイケル(B)、西田一紀(G)からなる4人組ロックバンド。2008年に京都府で結成された。2014年2月にタワーレコード限定シングル「Bitch」を発表したのち、3月に初の全国流通ミニアルバム「DANCE STEP」をリリース。同年11月にアルバム「DANCE TIME」を、2015年にシングル「By My Side」を発売する。2016年2月から3月にかけてスペースシャワーTV主催のライブツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016」に出演。同年3月にアルバム「DANCEABLE」でビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たす。9月に前ギタリストの町田建人がバンドを脱退し、10月に西田が加入。12月に新体制後初の作品となるメジャー1stシングル「Without You / LIBERTY」を発売する。