新世代音楽プロデューサーのyonkeyがAAAMYYYを迎えたコラボ曲「ダウナーラブ feat. AAAMYYY」をLINE RECORDSより7月3日にリリースした。
1997年生まれのyonkeyは、高校生の頃からバンド・KlangRulerのフロントマンとして活動すると共にシンガーやラッパーのプロデュースを行ってきたアーティスト / プロデューサー。2018年にアソビシステムが行った全国オーディション「ASOBISYSTEM THE AUDITION 2018」でLINE RECORDS賞を受賞し、今回ソロ名義でのデビューをつかみ取った。
音楽ナタリーではyonkeyとAAAMYYYの対談をセッティング。yonkeyが音楽を始めた経緯やAAAMYYYをフィーチャリングシンガーに迎えた理由などを聞きつつ、2人にコラボ曲の制作過程を話してもらった。
取材・文 / 三浦良純 撮影 / 草場雄介
- yonkey「ダウナーラブ feat. AAAMYYY」
- 2019年7月3日配信開始 / LINE RECORDS
- 収録曲
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- ダウナーラブ feat. AAAMYYY
チャラいようで真面目な好青年
──お二人が会うのは今日で何回目くらいなんですか?
yonkey 5回目くらい? フェスとかクラブイベントによく行くので、そこで何度か……。
AAAMYYY 遭遇しましたよね。
yonkey 3月に東京・WWWであったAAAMYYYさんのリリースパーティで初めてお話しさせていただきました。
──初めて会ったときは緊張しましたか?
yonkey めっちゃしました(笑)。心臓バクバクして何も覚えてないです。
AAAMYYY 緊張しいなの?
yonkey はい、ステージに上がるときも毎回緊張してますね。
──お互い会ってみてどういう印象を持ちましたか?
yonkey クールな人だと思っていたんですけど、すごく優しくて、なんでも笑って答えてくれて。これからプレイリストを交換したり、もっと音楽の話とかさせてもらいたいなと思っています。
AAAMYYY 見た目はチャラい雰囲気ですけど、真面目な好青年だなと。トラックもすごく丁寧な作り方で、面白い音がたくさん入ってるなという印象でした。事前にプロフィールもいただいていたんですけど、共通の知り合いがいて話は聞いていたんです。TENDREのレーベルのスタッフの女の子がyonkeyくんと同じ学校だったみたいで「えー、yonkeyと会うんですかー?」みたいな(笑)。
スクリレックスに衝撃を受け、トラックメイカーに
──yonkeyさんは音楽の専門学校に通われていたんですね。
yonkey はい、去年卒業しました。
──小さい頃はクラシック音楽を嗜んでいたとお聞きしましたが、そこからずっと音楽に打ち込んでこられたんですか?
yonkey クラシック音楽は父親が「男の子でピアノ弾けるとカッコいいぞ」と習わせてくれたんですけど、あんまり音楽をやるという感覚じゃなくて、生活の一部みたいな感じだったんです。僕が音楽をやり始めたと思うのは、高校生のときにバンドを始めたときですね。
──そのきっかけはなんだったんでしょうか?
yonkey UVERworldのライブを観に行く機会があって、人生で初めてバンドのライブを観たんですけど、感化されて、受験勉強も全部やめて、次の日から音楽を始めました。
──もともと大学に進学する予定だったんですか?
yonkey はい、志望校も合格圏内の成績だったんですけど。
──yonkeyさんはバンドでも今回のコラボ曲でも落ち着いた曲を作っているイメージだったので、激しいロックバンドのUVERworldの名前が出てくるとは思いませんでした。音楽を始めた当初はUVERworldに近い作風だったんですか?
yonkey UVERworldからはエネルギーをもらったという感じで、作る音楽の方向性はまったく違いましたね。
──どういう音楽を作っていたんですか?
yonkey ちょうど同じくらいの時期にスクリレックスの音楽に衝撃を受けて、トラックメイキングを始めました。スクリレックスのトラック、周辺のダブステップ、プロステップを徹底的に聴き漁って、研究しました。最初は、おばあちゃんのパソコンを借りて、ずっと作っていましたね。
なんでもできるトラックメイカー
──昨年開催されたアソビシステムのオーディション「ASOBISYSTEM THE AUDITION 2018」でLINE RECORDS賞を受賞したことが今回のリリースにつながったわけですが、このオーディションに参加した経緯を教えてください。
yonkey アソビシステムさんはこのオーディション以外にも新人発掘イベントをやっていて、そこで知ったんですけど、自分のやっていることと近いところにいるなと。実は中田ヤスタカさんたちが所属しているのはあとからわかったんですけど、音楽性というかスタイルというか、アーティストがいろいろと自主的に活動するのを「いいね」と言ってくれる感じで。そこが自分と合ってるかなと。
AAAMYYY 私のアソビシステムのイメージはLicaxxxだったので、強い感じの人が来るのかと思ったら、等身大の若者が来て面白かったです。
yonkey ははは(笑)。
──yonkeyさんはバンドのミュージックビデオもご自身で作っていますが、そういうなんでもやる部分がアソビシステムに合っていたんですかね。
yonkey そうですね。でも今の時代、ただなんでもやるだけでは武器にならないし、単なるなんでも屋になっちゃう気がするので、ちゃんと芯を持とうと心がけています。
──芯の部分であるトラックメイクをしっかりやっていこうと。
yonkey そうですね。
とにかくAAAMYYYとコラボしたかった
──今回のコラボ相手にAAAMYYYさんを選ばれたのはどういう経緯があったんでしょうか?
yonkey 僕がAAAMYYYさんとやりたいと希望したことがきっかけです。そもそも僕がAAAMYYYさんを初めて知ったのは、去年の4月に遊びに行ったNYLON JAPANの創刊14周年記念パーティでライブを観たのがきっかけだったんですけど、エフェクトの使い方とかがすごく面白くて。家帰ったらもうすぐに音源を聴いて。その頃からずっとチェックさせていただいていたんです。今回ほかのアーティストの方とコラボすることになったときに、「今しかない!」と思ってAAAMYYYさんにオファーさせていただきました。
──オファーした段階で曲の構想はすでにあったんですか?
yonkey オファーした時点ではまだ曲はなく、オファーを受けてもらってから頭にあったイメージをアウトプットした感じです。
──曲に合わせてAAAMYYYさんにオファーしたというわけではなく、AAAMYYYさんと一緒にやりたいという気持ちが先にあったんですね。
yonkey そうです。
──AAAMYYYさんはオファーについてどう思いましたか?
AAAMYYY すごくいろんなミュージシャンを知っていて、その中から声をかけてくれたんだなという感じがしたし、楽曲がすごくポップでかわいいので一緒にやったら面白そうだなと思いました。私の楽曲にはあまりかわいさがないので。
──「ダウナーラブ」というタイトルですけど、トラックはさわやかでポップですよね。そこにAAAMYYYさんのアンニュイなボーカルが乗る感じで。
yonkey はい、サウンドは明るいんですけど、歌詞はネガティブな部分もあって。このポップなサウンドとAAAMYYYさんの歌を混ぜたら、いい化学反応が起きるんじゃないかと思ったんです。
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コラボなら想像を上回るものができる