「YON FES 2024」特集|パワーアップしたフェスの魅力を主催04 Limited Sazabysが語る (2/3)

新世代のヒーローになり得るChilli Beans.

──続いて2日目の出演者について聞かせてください。まずはエレクトロポップをはじめとした幅広い音楽性のChilli Beans.。

Chilli Beans.

Chilli Beans.

GEN 2日目はCrossfaithやSiMといったラウド系のバンドが出演しつつも、チリビちゃんみたいなバンドもいて、1日を通して音楽性の振り幅が出たら面白いなと思ってるんです。まあでも一番は、モリコロパークでチリビを観たいから。

HIROKAZ 早々に誘ったもんね。

GEN サバシスターのように、新世代の女性バンドから憧れられる存在だなと思ったから。サバシスターとはまた違うタイプの同性から憧れられて、新しいシーンを切り開く可能性を秘めてるなと思います。RYU-TAもチリビちゃん、好きなんですよ。

RYU-TA 毎日聴いています。入りは「アンドロン」とか「lemonade」ですけど、最近の曲も好きです。最近のほうが自分たちのやりたいことをやっているような感じ。過去の曲も最近の曲もどっちも好きだし、チリビを「YON FES」で観られるのが楽しみです。ライブも観たことがあって、すごくよかったので。

左からRYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)。

左からRYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)。

芯を貫くKOTORI

──KOTORIにはどんな印象を持っていますか?

KOTORI

KOTORI

GEN 彼らの音楽に初めて触れたときから、やりたいことをやっている感じがして好きでした。しばらく見ないうちにえらく完成されたバンドになっていてびっくりしましたね。「イッパシになったな」と。これも親心というか、お父さん感覚かもしれない。もう“小鳥”じゃないです。ハシビロコウくらい?(笑)

KOUHEI ドラムの(細川)千弘が、愛知県の長久手出身なんですよ。僕らも愛知発のバンドなので、そういうつながりもあってずっと気にかけていました。KOTORIはGENも言うように自分たちの好きな音を鳴らしている印象があったんですけど、突き詰めていく方向がちょっとマニアックで。そういうバンドって、うまくいくかいかないかのどちらかだと個人的には思っているんですが、KOTORIはブレずに自分たちの芯を貫いて、今は自分たちのスタイルでフルスイングできているんだろうなと。

GEN 「YON FES」にハルカミライが初出演したときみたいに自由にパフォーマンスしてほしいですね。

HIROKAZ はちゃめちゃに爆発してほしいよね。

GEN そうそう。袖で観てるバンドマンがちょっと焦るようなライブをしてほしい。すべてがハマれば、2日目の中で一番エモーショナルな時間帯になるんじゃないかな。

左からGEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)。

左からGEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)。

YOUR SONG IS GOODには“自由なノリ方”を提示してほしい

──YOUR SONG IS GOODはどういう経緯でオファーしたんでしょうか?

YOUR SONG IS GOOD

YOUR SONG IS GOOD

GEN 今まで東京スカパラダイスオーケストラやSPECIAL OTHERSといったインストバンドに出てもらったことがあるんですけど、モリコロパークのような開けた場所で自然に体が揺れる音楽を聴けることにグッときて。ユアソンにもいつか出てもらいたいなと思っていたので、ようやくそれが叶った形です。邦楽ロックが好きでよくフェスに足を運ぶお客さんたちは、ノリ方が固定化しているなと思うんですよ。もちろん楽しんでることは伝わってくるんですけど、「全員同じノリ方じゃん」と思ってしまう部分もある。僕はサビだからとか関係なく自由に踊るのが、フェスにおける音楽の楽しみ方だと思っているんですよ。そもそも過去にスペアザを呼んだのも、「ベリテンライブ」(RADIO BERRYことエフエム栃木が2003年から実施しているライブイベント)のファミリーブースで、スペアザの曲にノって子供たちがはしゃいでいる場面を見て「いいな」と思ったから。だからユアソンには、音楽は自由にノっていいんだよということを提示してほしいなと思っています。音楽って自由なものだと思うし、今回は野外ですけど、普段僕らが活動しているライブハウスも人と違うことを肯定してくれる場所なはず。最近そういうことを考えていたのでユアソンにはぜひ出てほしかった。

──これまで出演していたスカパラやSPECIAL OTHERSと比べると、フォーリミと交流があるイメージがなかったので少し意外でした。

GEN そうですね。本当にフェスで会ったら挨拶するくらいの関係でした。でもユアソンの「ハッピーな音楽を鳴らしてるけど、出自はパンク」という部分に憧れていたので、そんなバンドを「YON FES」に呼べる事実がうれしいです。

RYU-TA モリコロパークの雰囲気が絶対に合うバンドだと思うので、ユアソンにも、お客さんにも、体を揺らしながら楽しんでほしいです。

04 Limited Sazabys

04 Limited Sazabys

“普通の兄ちゃん”プッシュプルポットはステージで輝く

──プッシュプルポットの出演はどういった経緯で決まったんでしょう?

プッシュプルポット

プッシュプルポット

GEN プッシュプルポットと交流が始まったのもサバシスターと同じで、「Harvest tour 2022」のときに声をかけたのがきっかけで。プッシュプルポットはXの投稿がきっかけじゃなくて、HIROKAZが呼びたいって言ったんだっけ?

HIROKAZ 自分と同じ金沢出身だったのでもともと知っていたのと、Xでもプッシュプルポットを推す声が多かったので。

GEN そうだそうだ。それで金沢公演に出てもらったんですが、あのツアーに出てくれた若手の中で、特に完成度が高かった。まだまだだなと思うバンドのほうが多かった中で、プッシュプルポットは「こんなにやれるんだ」と印象に残りました。いい意味で一見普通の子たちに見えるんですよ。俺が仲よくなるバンドマンは変なやつが多くて、普段の生活を犠牲にしているというか、バンドに生きる意味を見出しているようなやつが多いけど、プッシュプルポットは普通に生きていて、普通にいいやつっぽい。だけど、ステージに立つと輝く。そこにキュンとするんですよ。普通の兄ちゃんが楽器を持ってステージに立ったらロックスターになる、というのはバンドの魅力の1つだと思うので。

──HIROKAZさんは同郷のバンドとして、どう見ていますか?

HIROKAZ ドラムの明神竜太郎が同じ高校出身だと知って、親近感が湧きました。金沢出身のバンドマンって少ないので、全国で戦っている同郷の仲間がいるのはうれしい。「YON FES」でどんなライブをしてくれるのか楽しみですし、爪痕を残してほしいですね。