04 Limited Sazabys主催のライブイベント「YON FES 2020」が4月4、5日に愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で行われる。
5年目を迎える今回の「YON FES」には、フォーリミをはじめ、5年連続出演となるMy Hair is Badや初出演のMAN WITH A MISSION、フォーリミと同郷の若手バンドSuspended 4thといった個性あふれる計21組が出演する。音楽ナタリーでは昨年の「YON FES 2019」特集に続き、フォーリミのメンバー4人に「YON FES 2020」の出演者を紹介してもらった。
取材・文 / 小林千絵 撮影 / 後藤倫人
※「YON FES 2020」は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて開催中止になりました。
ようやく完成形となった「YON FES」
──まずは、昨年の「YON FES 2019」を振り返ってみていかがですか?(参照:フォーリミ主催「YON FES」4年目、雲1つない青空の下で開幕、フォーリミ主催、たくさんの愛にあふれた4度目の「YON FES」終幕)
GEN(B, Vo) 去年「YON FES」がようやく完成したような感覚がありました。初年度はまず開催することが目標で、そこから毎年改善を繰り返してきたんですけど、去年はこれまでの問題点がすべて解決できたというか。「あそこはこうしたかったな」という悔しさがほとんどなかったんです。
KOUHEI(Dr, Cho) 自分たちのライブも納得のいく出来だったんです。それまではイベント運営のことに気を取られていたのか、なかなか自分たちの思ういいライブができなかったんですけど、去年はちゃんと自分たちのライブでイベントを締められた感じがして。それも含めて完成形が見せられたと思います。
HIROKAZ(G) イベントに関わってくれているスタッフが初年度からほぼほぼ変わってないことも大きくて。安心してスタッフに運営を任せられたので、僕らはライブに集中できたし、イベントを純粋に楽しめました。
RYU-TA(G, Cho) 僕は「麺や おがた」(RYU-TAプロデュースのラーメン店)を出店できたのがうれしかったです。「YON FES」に留まらず、そのあとの「YON EXPO」(2019年9月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催されたワンマンライブ)(参照:04 Limited Sazabys、初のたまアリワンマンで確信「俺たちはスーパースター」)にも出店できたし。でも初日はスープが用意できなくてラーメンを提供できなかったんです。2日目には改善できたからよかったですけど。
GEN 初日の午前中、RYU-TA、青い顔してたもんね。さっき去年の「YON FES」の改善点はないと言いましたけど、RYU-TAのラーメン屋は改善しないと(笑)。
RYU-TA 今年はちゃんと最初から最後までラーメンを提供したいです!
GEN いろんな意味で「YON FES」が“根付いてきた”という感覚も出てきました。僕ら自身にもそうですし、出演者を発表する前からすごい数のチケット購入の応募をいただいているというのもそう。去年は名古屋駅のナナちゃん人形とコラボもさせてもらって。自信を持って「YON FESをやってる」って言えるようになった気がします。
──5年目となる今年はどのような目標やテーマを掲げているんでしょうか?
GEN 今年は2月にcoldrainが名古屋で「BLARE FEST.2020」というフェスを開催して。時期も近いし、せっかく名古屋に新しいバンド主催のフェスができるんだし、なるべくかぶらないようにしようと思いました。メンツを聞いたときに「YON FES」にこれまで出ていたバンドも多かったので。もっとラウド勢で固めてくれればよかったのに(笑)。
HIROKAZ coldrainは交友関係、けっこう広いもんね。
GEN あっちがあれだけのバンドをそろえるんだったら、「YON FES」はもう少し僕たちらしいサブカルっぽいメンツにしようかなと。それから……会場の都合で、来年モリコロパークで「YON FES」が開催できるかがわからなくて。もしかしたらモリコロパークでできるのは今年が最後かもしれないんです。だから集大成のような気持ちも込めたラインナップにしました。
「YON FES 2020」出演アーティスト紹介
──ここからは出演アーティストについて、4人の口から紹介してもらいたいと思います。
BLUE ENCOUNT(2016、2017、2019年に出演)
GEN 今年のブルエンには「この時間帯にこういうふうに出演してほしい」という具体的な願望があって。もしかしたらやりづらいかもしれないけど、感情を込めやすい時間帯でもあると思うので楽しみですね。
RYU-TA ブルエンは去年のライブがすごくよかったよね。
HIROKAZ 俺たちがブルエンと出会った、7年前くらいの曲が多いセットリストで。
RYU-TA 気持ちがめちゃくちゃ入ってる気がして、感動しました。
GEN 近くでしのぎを削ってきたバンドなので、こういうときにいてほしい存在ですね。あといつも翌日が北海道でライブとか、無茶なスケジュールでも出てくれることもあって、ライブが終わるとすぐ帰っちゃうので……今年は阻止したい!(笑) 打ち上げで朝まで残ってもらいたいです。
Crossfaith(2018、2019年出演)
GEN モリコロパークで鳴っていたら似合う音楽っていうのももちろんいいんですけど、逆にすごく似合わないというのも面白いなと思っていて。Crossfaithはそのいい例じゃないかな。音楽のジャンルは全然違うのに、お互いのツアーに呼んだり呼ばれたりして、変な違和感がない関係になれたのがうれしいです。ライブであいつらからもらう刺激も多いし、今年の「YON FES」には絶対にいてほしいなと。ただ……あいつらはやらかしが多すぎてスタッフ陣からの大反対、ひいては各自治体からの大反対があり……(笑)。
KOUHEI そこまでじゃないだろ!(笑)
GEN 「僕らが面倒みるから」と説き伏せて、無事出てもらえることになりました(笑)。
──やらかしというのは、ステージ裏で飲みすぎて?
GEN そうです。でもなんなら今年もやらかしてほしいくらいの気持ちです(笑)。
KEYTALK(2016年、2019年出演)
GEN KEYTALKは去年、僕らがド頭に出てほしいとわがままを言ったら、前日東北でのライブだったんですけど駆けつけてくれて……本当に感謝しています。モリコロパークでできる最後かもしれないという点でも、今年出てもらいたいバンドとして最初に名前が挙がりました。ラウド系のバンドもいつつ、KEYTALKのようなバンドもいるのが「YON FES」のよさだと思うので。
──去年はKEYTALKのライブで、KOUHEIさんが1曲ドラムを叩いたんですよね。
KOUHEI そうなんですけど……去年、その東北からの移動のときに、メンバーみんなで一緒に改札を通ったのに八木(優樹 / Dr, Cho)だけ新幹線に乗り遅れたらしくて。その事件が印象的すぎてライブの思い出が全然ないです(笑)。
HIROKAZ 八木ちゃんは中日ドラゴンズが好きなので、ドアラとのコラボTシャツを喜んでくれたよね。
GEN あの会場で一番喜んでたんじゃないかな。今年も八木ちゃんを喜ばせたい一心でコラボTシャツを作りました(笑)。
MAN WITH A MISSION(初出演)
GEN 「YON FES」を始めた頃からずっと気にしてくれていて、会うといつも「イツ呼ンデクレルンダ?」と言われていたんですけど……昔からお世話になっていて、尊敬している先輩だからこそ、簡単には呼んじゃいけないという気持ちがあったのでなかなか呼べず。ついに今年、声をかけさせてもらいました。スケジュールを調整してくれて出てもらえることになったんですけど、こういうときに力を貸してくれる、カッコいい先輩だなと改めて思いました。
──MAN WITH A MISSIONにはどんなライブを期待しますか?
GEN 「YON FES」には誰でも知っているようなアーティストも絶対に出てもらいたいと思っていて、今年はマンウィズ先輩にその役を。演出も含めて、ライブのクオリティがすごく高いバンドなので、「YON FES」にも気合いを入れていろんなものを持ち込んでくれるんじゃないかな。
HIROKAZ 仕掛け、いっぱいありそうだよね。
GEN 曲の力もパフォーマンスも、ビジュアルのパンチも半端じゃないし。マンウィズ主催のフェスに思えるくらいハマりそうで、むしろ怖いくらいです。
HIROKAZ 絶対に盛り上がるもんね。怖いけど、楽しみだな。
OKAMOTO'S(初出演)
GEN 僕はレイジ(オカモトレイジ / Dr)くんやハマ(ハマ・オカモト / B)くんと、いろんな形で一緒になることが多いんですけど、そういえばバンドとして何か一緒にやったことはないなと思って。「YON FES」に絶対に合うだろうなと思って声をかけました。あと去年で「YON FES」が完成した手応えを感じたので、新しい要素もほしくて、このタイミングでOKAMOTO'Sに出てもらうのはぴったりだなと思いました。
KOUHEI 番組で一緒になったときに挨拶をするくらいで、がっつりメンバーのことを知ってるわけじゃないんですけど、僕はとにかくレイジくんのステージでの振る舞いが好きなんです。目で追いたくなっちゃう。けどどうやったら仲良くなれるかはわからない……なんか宇宙人みたいな印象です(笑)。
GEN あはは(笑)。ワンマンとか、彼らの“ホーム”のライブは何度も観たことがあるんですけど、「YON FES」には初出演で、乗り込んでくる側。そういうときにどういう仕掛け方をするのかが楽しみですね。モリコロパークには間違いなく合うと思うんですけど、いい意味で想像が付かない。あと、僕が番組でハマくんと絡んでいるのを知ってくれている僕らのファンの子で、ハマくんがとんでもないベーシストであることを知らない人もいるんじゃないかなと思っていて。
KOUHEI 確かにね。
GEN だから「あいつ、すごいヤツなんだぞ」っていう、友達自慢みたいな気持ちもあります。
2020年6月30日更新