ナタリー PowerPush - 岡村靖幸
おしゃべりエチケット特別編 / ファンから岡村靖幸へ53の質問
岡村靖幸が出演する特別番組「岡村靖幸のおしゃべりエチケット ライナーノーツに憧れて」がこの夏、スペースシャワーTVでオンエアされた。これは岡村靖幸と、音楽評論家の小倉エージによる対話を中心としたインタビュー番組。あるときは小学校の教室で、あるときは中華料理を食べながら、ざっくばらんに語られたその内容は大きな話題を呼んだ。
ナタリーPower Pushでは放送から3カ月が経ち、すでに伝説化しているこの番組を改めてピックアップ。番組収録現場に密着していたナタリーだけの再構成版としてお届けする。番組では時間の都合でオンエアされなかった部分も含めた特別編をぜひ楽しんでもらいたい。
なお、このたび岡村靖幸がEPICレーベルから発表したアルバム6作品が、2012年2月に再発されることが決定。これに伴い、アルバムライナーノーツ原稿の募集企画がスタートした。応募要項を原稿募集特設ページで確認の上、ふるって応募してみよう。
文・構成 / 大山卓也
ライナーノーツに憧れて
小倉 今回、私をインタビュアーに選んでくれたのには何か理由があったそうで。
岡村 あのですね、僕は幼少、思春期の頃レコードたくさん聴いてまして、聴いていたレコードの中に小倉さんがライナーノーツを書いてるものがたくさんあって。
小倉 そうですね。たくさん書きましたからね。
岡村 そういうものが僕にとてもいい影響を与えてくれたし、ライナーノーツを見ながらレコードを聴くことは本当に楽しかったわけです。それはすごくロマンチックな行為で。実はこのアルバムはこういう人に影響受けてて、例えばTHE BEATLESだったらエリック・クラプトンの影響、クラプトンは実はブルースから影響を受けてて……、って、枝葉のように音楽が広がっていって。
小倉 私は中村とうようさんに解説のイロハを教わったんだけど、まず基本はやっぱりバイオグラフィなんですよね。例えばその人の生まれ育ちとか人となりは音楽に反映するものでしょう? あとは、そのアルバムがどういうきっかけで生まれたかってことと、できる限り曲目解説もあったほうがいい。それもあって、今日は岡村さんのこの番組をライナーノーツスタイルで進めたいなと思っています。
岡村 はい。
小倉 では改めてバイオグラフィを確認したいと思います。
引っ越し続きの子供時代
小倉 生まれは神戸ですよね。
岡村 はい。
小倉 私と同じだ。何区ですか?
岡村 垂水です。
小倉 じゃあ西のほうですね。何歳くらいまで?
岡村 3歳くらいですね。
小倉 で、次はどこに移り住んだんですか?
岡村 えっと、そこから(大阪の)千里ニュータウン。
小倉 それからいろんなところに移られた。ロンドンにも住んでらした?
岡村 ロンドンにもいました。
小倉 でも「ロンドンに住んでた」って言うと皆に訊かれませんか? 「THE BEATLESを聴いてたんだろう」とか「ロンドンの音楽に触れたんだろう」って。
岡村 あんまり訊かれないですね。たまに訊かれますけど。
小倉 ロンドンに住んでた頃は何歳くらい?
岡村 4~6歳くらいですね。
小倉 じゃあ小学校に入る前ですね。
岡村 いや、あっちは制度が違うんです。だからあっちの小学校に1年生まで行ったんですけど、こっち戻ってきたらまた幼稚園からやり直しっていう形になりました。
小倉 そうなんだ。じゃあ神戸に生まれて千里に行ってロンドンに行って。で、また日本に戻って。
岡村 九州にも行きました。
小倉 それ以外にもいろんなところを転々と。
岡村 いろんなところに行ってますね。
小倉 じゃあ転校生だから友達なんかなかなかできにくかったんじゃないですか?
岡村 まあ、できにくいときもありましたけど、でも転校生は奇異な目で見られたりするから逆に知り合いがたくさんできたりとかも。
音楽との出会い
小倉 音楽との出会いはどういうきっかけだったんですか?
岡村 僕が子供の頃はテレビで歌謡曲が流れてましたから、そのあたりだと思います。
小倉 日本の歌謡曲?
岡村 そうですね。自覚的に音楽に、例えば洋楽に触れたとかそういうことで言えばCARPENTERSとかそのあたりが3年生とか4年生とか。
小倉 でも小学校3、4年生で洋楽を聴き始めるっていうのは、私なんかの感覚からするとすごく早いですよ。
岡村 でも父親が聴いてて、家に映画音楽と同じように置いてありましたから、特別なものを聴いているという感覚はなかったですね。あと、僕のジェネレーションだとラッキーにもコマーシャルでTHE BEATLESが流れてましたし。
小倉 じゃあ最初はポップスが好きで、だんだんロックのほうに傾倒していくわけだ。
岡村 ロックもたくさん聴くようになりましたね。あと歌謡曲の影響もたくさん受けています。
初めてのバンド活動
小倉 そういうふうにしていろんな音楽を聴きながら自分自身でも作曲を始めるわけですね。
岡村 そうですね。中学生くらいのときです。
小倉 最初はどういう楽器でどういう曲を作ったんですか?
岡村 フォークギターでいわゆるフォークミュージックみたいなものを作りましたね。僕が小学校高学年のとき、かぐや姫とか井上陽水さんが大流行してましたから。ラジオをかければ流れていて、当然深くなじんでましたし。
小倉 フォークや歌謡曲も分け隔てなく自分の中にどんどん蓄積されていくわけだ。
岡村 そうですね。蓄積されているかどうかはわからないですけど、当然聴いてたし、カバーやコピーもしました。
小倉 例えばバンドを作ったりはしなかったの?
岡村 しました。最初は3人組で、本当にシンプルな。
小倉 ギター、ベース、ドラムス?
岡村 そうですね。
小倉 どんな曲をレパートリーにしてたの?
岡村 なんかパンク……技術不足ゆえにパンキッシュになってるみたいな感じですね。
小倉 曲はカバーで?
岡村 いや、オリジナルばっかりです。
岡村靖幸アルバム再発記念「岡村靖幸アルバム・ライナー・ノーツ」募集企画
- 応募締め切り:2011年12月10日(土)※郵送の場合は締め切り日必着
- 入賞作品(対象アルバム各タイトル1作品、計6作品)は、2012年2月発売予定の再発盤アルバムのブックレットに掲載されるほか、副賞としてサイン入り特製楯を贈呈
- 応募要項は特設サイトにてご確認ください
岡村靖幸アルバム6タイトル再発 / 2012年2月発売予定
岡村靖幸LIVE TOUR2012「エチケット+(プラス)」
- 2012年1月10日(火)
東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年1月11日(水)
東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年1月13日(金)
宮城県 仙台市民会館
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年1月15日(日)
北海道 Zepp Sapporo
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年1月19日(木)
愛知県 Zepp Nagoya
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年1月22日(日)
広島県 広島アステールプラザ
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年1月24日(火)
福岡県 Zepp Fukuoka
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年1月27日(金)
新潟県 新潟りゅーとぴあ劇場
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年2月1日(水)
大阪府 なんばHatch
OPEN 18:00 / START 19:00 - 2012年2月2日(木)
大阪府 なんばHatch
OPEN 18:00 / START 19:00
岡村靖幸(おかむらやすゆき)
1965年生まれ、神戸出身のシンガーソングライター。作曲家としての活動を経て、1986年にシングル「Out of Blue」でデビュー。R&Bやソウルミュージックを昇華したファンキーなサウンド、青春や恋愛の機微を描いた歌詞などが支持され、熱狂的な人気を集める。90年代以降は作品発表のペースを落とし表舞台から姿を消すが、他アーティストへの楽曲提供やプロデュース活動は継続する。2004年には約9年ぶりのアルバム「Me-imi」をリリースし、全国ツアーも開催。2011年8月にニューアルバム「エチケット」を2枚同時リリース。野外フェス「SWEET LOVE SHOWER」でライブ活動を再開し、同年9月に東名阪ツアー「エチケット」を実施した。
2011年11月10日更新