安田レイ|自分の言葉で歌う“新しい私”

ファンにとっての太陽でいたい、いつも近くで照らしていたい

──作詞には安田さんの名前もクレジットされていますね。

安田レイ

はい。今回も共作で書かせていただきました。ドラマの原作となっているマンガを読ませていただいて、私がまずバーッと詞を書いたんです。それをもとに、作詞家の松原さらりさんと意見を出し合いながらパズルを組み立てるように作っていった感じでしたね。仕上がりとしては、お互いの言葉がかなりミックスされていると思います。

──原作からどんなものを受け取って歌詞に落とし込んでいったんでしょう?

この作品の主人公・義経えみるの生き方が私自身にもすごくリンクしたんですよ。彼女は自分に自信がなくて、周囲の人とすぐ比べてしまうんです。で、自分より輝いている人を見ることで、さらにヘコんでしまう。でも、そんなえみるも誰かの人生を照らそうと常に必死で生きていて、それが結果として自分の笑顔にもつながっているんですよね。

──安田さんもそういう生き方をしていると。

はい。私もすごくヘコんで気持ちがぐちゃぐちゃになることはよくあるんです。そんなときでも私の歌を聴いてくれる人にパワーを与えたいという気持ちがあるから前を向いて歌うことができていて。で、それによって笑顔になってくれている聴き手の方の姿を見ると、私自身もどんどんハッピーになっていくんです。まさにえみると一緒! 原作を読んだ瞬間、「私がここにいる!」って思っちゃうくらいだったので(笑)、自分自身をしっかり反映させながら歌詞を書くことができたと思います。

──曲に漂うポジティブなメッセージは、「Sunny」というタイトルが象徴していますよね。

私が書いた2番のサビ、「手をのばせば届くくらいのヒカリでいたい」というところがこの曲を象徴する大事な言葉になっているような気がします。そこからタイトルも浮かんできたので。私自身、ファンの皆さんとはいつも近い距離にいたいなってすごく思っていますからね。みんなにとっての太陽でいたい、いつも近くで照らしていたいなって。だから、この曲を聴いてもらうことでみんなが笑顔になってくれたら最高です。

安田レイ 安田レイ

新しい安田レイを出せたな

──今の季節にマッチするサウンド感も心地よかったです。

日本の夏はジメジメしていますけど、この曲はすごくカラッとしたサウンドなので、聴いているとちょっと一瞬、涼しさを感じるようなところもあると思うんですよ。皆さんにとって2018年を代表する夏ソングになってくれたらいいなって思いますね。

──ボーカルに関してはどんな思いを込めてレコーディングしましたか?

今回は歌い方にこだわって、意識的にいつもとは違う感じで歌ってみたんですよ。なんて言うのかな……自分の普段の歌いグセをあまり出さないようにして、歌でもカラッとした雰囲気を出したと言うか。1つひとつの言葉がクリアに飛び出してくるような歌い方に挑戦していますね。「新しい安田レイを出せたな」って自分でも思いましたし、ファンの方でもそこに気付いてくれた方がけっこういらっしゃいました。「レイちゃん、ちょっと歌い方変えたね」って。いつもと違った歌い方をするのはめちゃめちゃ難しかったですけどね。

安田レイ

──デビュー当時の安田さんはある種、感覚的に歌っていたところがありましたよね。でも今はいろいろ考えながら歌うことができるようにもなったと。

うん。考えられるようになりました(笑)。以前はホントに感覚で歌ってる部分が大きかったけど、最近は曲によって「もっとキャッチーにさせるためにはどう歌おうかな」みたいなことをいろいろ考えられるようにはなってきていて。

──それは大きな成長ですよね。まあでも一方では感覚的に歌うよさもあるでしょうから、両方あっていいのかなとも思いますけど。

そうそう。私は根本的に感覚人間なので(笑)、それを大事にしたいところもあるんですよね。そのうえで曲の世界観やサウンドによって、そこにふさわしい歌い方を考えながらいろいろトライできるようになったのは自分にとっても大きなことだなと思います。

──ご自身の中の歌の表現に関する引き出しが増えてきた実感もあります?

増えてきたと思います。今回はホントにいろいろな表現を試してみることもできて。今までのように何も考えずに感覚的に歌うこともやってみましたし、いろいろな表現をとにかくどんどんやってみたんです。その結果、「Sunny」という曲に一番ふさわしい歌い方を見つけることができたなって思いますね。この曲はライブでもよさそうなので、早く歌いたい! 野外で歌ったら気持ちいいだろうなー。