ナタリー PowerPush - 安田レイ

夢をかなえる秘密のパスコード

新しい風が吹いた気がする

──2曲目の「I&U」は、ガラッと雰囲気の違う曲になっています。

今回のシングルは3曲とも全然違うタイプのサウンドになってるんですよ。この「I&U」でもまた新しい風が吹いた気がしますね。今までの安田レイにはなかった曲です。

安田レイ

──EDM的なアプローチのサウンドですよね。

はい。デジタル感というか、ハイブリッド感というか、そういう雰囲気が私にとってはすごく新しい感じで。ライブで歌ったら絶対に皆さんと一緒に盛り上がれるんじゃないかなって思います。実際、レコーディングではライブを想像しながら歌いましたし。

──カテゴリー的にはラブソングだと思いますけど、歌詞に出てくるフレーズがすごく今っぽいのが特徴で。スマホ世代な雰囲気がありますよね。

うんうん、すごく今っぽいと思います。日本語と英語をかなりミックスした歌詞にもなっているので、私のハーフ感もすごく出ているなって思いました。「ひとつは『I』 もうひとつは『YOU』 ふたつのあいだ七色の『LOVE』」のところなんかは、ああ私っぽいなあって。「ぐぐぅっと」とか「ぐるぅっと」とかかわいいワードが隠れているのもいいんですよね。ラブソングという部分ですごく共感もできたし、曲の世界観に入り込みやすかったので楽しく歌えました。

──ボーカルはサウンドに合わせたクールな表情が全面に出ています

曲のタイプ的には元気ロケッツに近いところがあるかもしれないんですけど、歌に関しては思い切りクールな部分を出したいなって思っていたんですよ。元気ロケッツのときはなかなかそういう表情は出せていなかったので。なので、今までにない雰囲気を楽しんでもらえるんじゃないかな。

早くライブで踊りながら歌いたい

──安田さんのクールなボーカルは、ダンスミュージックとの相性がいいですよね。

ありがとうございます。私も個人的にはすごくかわいい雰囲気っていうよりは、クールなもののほうが好きなんですよ。だからこういう曲を歌えたのはうれしかったです。

──でも、一方ではガーリーな曲も歌いこなせるし、その表情もすごく素敵なわけで。そう考えると安田さんはものすごく器用なシンガーなんだなって改めて思いました。

安田レイ

どうなんでしょうね。自分ではあまりわからないんですけど、曲にちゃんと入り込むことができれば、それに合った声が出るし、それに合った歌い方が自然とできるっていうのはあるとは思います。曲の世界観を理解するのが難しかったりすると、なかなか自分の理想どおりの感じにならないんですけどね。今回の3曲に関して言えば、どれもしっかり入り込んで歌うことができたと思います。

──曲に入り込むためにもっとも重要な要素っていうのは?

メロディの雰囲気とかっていうのもあるとは思うんですけど、やっぱり大事なのは歌詞だと思います。そこをいかに理解するかで、気持ちの乗せ方がまったく変わってきてしまうので。私の場合は毎回、曲を作る前の段階で玉井さんと歌詞についての話し合いをするんですよ。で、私の気持ちをしっかりすくいあげて歌詞を書いてもらっていて。だからこそいつもしっかり入り込むことができているんだろうなって思いますね。

──使われている楽器であったり、テンポ感であったりというサウンドのタイプによって入り込みやすさが変わることはないですか?

それはあまりないかな。歌詞に共感できて入り込むことができれば、どんなサウンドでもズズズッと入っていけるので。こういうサウンドだから歌いづらいっていうことも特になく。あ、でももちろんサウンドによって引き出されるボーカルっていうのもあったりはすると思うので、そこは面白いなって思いますね。

──なるほど。ちなみに、この曲のようなサウンドに歌を乗せるときっていうのは、レコーディングブース内でカラダが動いていたりはするものですか?

ああ、私は動かないですね。

──仁王立ち?

あははは。そうなんですよ。普通に立ったまま歌ってます。でも心は動いているし、気持ちはすごく踊っているんです。だからたぶん声はそんなに立ち止まってる感じには聞こえないと思うんですけど……。

──もちろんもちろん(笑)。棒立ちな感じの歌ではないです。カラダを動かして歌わないっていうのは、声がブレてしまったりするから?

そうですね。ライブだったらそのブレた感じも生っぽくていいんだと思うんですけど、CDとしてはブレのない、しっかりした歌を届けたいなと思うので。でも、気持ちがノッていないと、それが声にも出てしまうっていうのは確実にあるから、私の場合はとにかく楽しくライブで歌っているのを想像するんです。実際、早くライブで踊りながら歌いたいですね(笑)。

ニューシングル「パスコード4854」 / 2014年6月4日発売 / SME Records
通常盤 [CD] 1258円 / SECL-1512
期間生産限定盤 [CD] 1350円 / SECL-1513
通常盤 収録曲
  1. パスコード4854
  2. I&U
  3. One day
  4. パスコード4854 -TV edit-
期間生産限定盤 収録曲
  1. パスコード4854
  2. I&U
  3. One day
  4. パスコード4854 -Instrumental-
安田レイ(ヤスダレイ)

1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州で生まれる。3歳で日本へ移住し10歳の頃に母親が聴いていた宇多田ヒカルの楽曲に衝撃を受けてシンガーを志す。モデル活動を始めたことがきっかけとなり、13歳のときに元気ロケッツのオーディションに合格。架空の女性「Lumi」のモデルとなりボーカリストとしてもプロジェクトに参加する。2013年7月に「Best of my Love」でメジャーデビューを果たし、12月には配信限定の「Let It Snow」を発売。2014年2月に「Brand New Day」をリリースし、同年6月には「パスコード4854」を発表。同曲はテレビアニメ「金田一少年の事件簿R」のエンディングテーマに選ばれる。