ナタリー PowerPush - 安田レイ

「Let It Snow」で世界中にLOVEを伝える

心がキュッとなるような曲になってます

安田レイ

──今回の新曲「Let It Snow」は冬のバラードになっていますが、そこで見せる切ない表情っていうのも安田さんの中にある1つの側面なわけですよね。

そうですね。前作同様、今回も自分の体験談なんかを玉井さんに話したりして、私の感情をしっかり引き出してもらったうえで歌詞をやりとりしていったので、自分として共感できる内容になっています。冬に聴きたくなるのはちょっと心がキュッとなるような曲だと思ったので、ひと肌恋しくなる感じをうまく表現できたかなと思いますね。

──別れてしまった大切な人との記憶に悲しみを呼び起こされる感情を描いた「Let It Snow」の歌詞は、聴き手にも大きな共感を与えてくれるものだと思います。

そうだとうれしいですね。大切な人との思い出や記憶というのは心の中にしっかり刻まれていると思うんですけど、日々の生活が忙しかったりするとなかなか振り返らなかったりするじゃないですか。でも、その人と過ごした場所へ行ったり、景色を見たり、香りがしたり、音を聞いたりっていう、ちょっとしたことをきっかけにワッと思い出があふれてきて、胸が締めつけられるようなことってきっとあると思うんです。そういう瞬間に重ね合わせて聴いてもらえたらなって思いますね。

「Love」というワードは万国共通

──歌詞の中には英語のパートもありますよね。そこに込められた大切な人へのメッセージがこの曲のキモになっているような気もして。

うんうん。その部分はどうしても英語で言いたかったんですよ。時期的にクリスマスっぽさを出したかったので「So silent night」っていうワードは使いたかったし、あとは「Thank you for you and love」という感情は日本語で言うとすごくクサくなってしまうというか、セリフっぽい感じになっちゃう気がしたんですよね。だけど「Love」というワードは万国共通なので、英語でもきっと伝わりやすいんじゃないかなって。

安田レイ

──確かに英語のほうがより自然にニュアンスが伝わってくる感じがありますよね。英語と日本語のバイリンガルである安田さんが歌う意味にもなるでしょうし。

元気ロケッツの曲ではずっと英語で歌ってきたし、今はまだ英語の方が気持ちを乗せやすい部分もあるんですよね。

──日常会話でも英語を使うことが多いんですか?

いや、基本は日本語ですよ。でも例えば怒ったりとか、ちょっと感情的になると英語がバーッと出てくることはありますね。これ、けっこう“ハーフあるある”なんですけど(笑)。感動すると「Oh my god!」ってよく言っちゃいますし。

──「Oops!」とかも?

うん、それもよく言います。くしゃみした人に「Bless you.」って言ったりとか。

いずれはバラードにも挑戦してみたい

──レコーディングについても聞かせてください。今回はスムーズに進行しました?

この曲のレコーディングはすごく乾燥していた日にやったので、ノドがカラカラになっちゃってたんですよ。だからなかなか思うように声が出なくてけっこう苦労したんです。マネージャーにも「どうしたんだ!」って怒られて(笑)。でも歌い込んでいくうちに声が出るようになっていったので安心しましたね。

──前回のインタビューでは、レコーディングブースに入ったときの直感で歌い方を決めるとおっしゃっていましたが今回は?

今回も同じでした。あんまり考えて歌うとちょっとフェイクなものになってしまうというか、本来の自分の歌にならなくなってしまう気がするんですよね。なのでそこは今後もそうやって歌っていくと思います。ただ今回は曲のイメージを自分の中に浸透させるのにすごく時間がかかったんですよ。やっぱり曲として最強に難しかったから。声が思うように出なかったっていうことも含めて、いつもより10倍くらい時間がかかったかも(笑)。でもそのぶん、完成したものに対しての思いがより強まった気がします。

安田レイ

──情感に満ちたすごくいい歌声だと思います。凛とした冬の空気を感じさせるサウンドと相まって聴き手の胸に迫ってきますね。

agehaspringsが作り上げる音って、ほかにはない独特の世界観なんですよね。一発でagehaspringsの曲だってわかるというか。そういう部分に毎回感動しちゃうんです。今回のサウンドもストリングスが冬の景色にマッチする感じですごく素敵だなって。

──テンポ感的にこういったミディアムの楽曲は好きですか?

私はバラードがすごく好きなんですよ。この曲はどバラードという感じではないですけど、気持ちを乗せやすいテンポなのでやっぱり好きですね。もちろんアップテンポの曲も好きですけどね。

──ちなみに安田さんにとっての最強バラードと言えば?

アリシア・キーズの「If I Ain't Got You」ですね。あれはもうヤバい! あ、あとあと! キーシャ・コールの「Love」も! 2人とも声がすごくいいのと、サウンドやメロディがすっごくシンプルなんです。いろんな音が重なってるわけではなく、ピアノと声だけで勝負してますみたいな。そういうところが超カッコいいなって思うんですよね。いずれは私もそういうどバラードにも挑戦してみたいなって思います。

安田レイ 配信限定シングル「Let It Snow」 / 2013年12月4日発売 / SME Records
安田レイ「Let It Snow」 ジャケット
収録曲
  1. Let It Snow
  2. Best of my Love –Genki Rockets Remix-
  3. Best of my Love –DJ DECKSTREAM Remix-
  4. Let It Snow –Instrumental-
安田レイ(やすだれい)
安田レイ

1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州で生まれる。3歳で日本へ移住し10歳の頃に母親が聴いていた宇多田ヒカルの楽曲に衝撃を受けてシンガーを志す。モデル活動を始めたことがきっかけとなり、13歳のときに元気ロケッツのオーディションに合格。架空の女性「Lumi」のモデルとなりボーカリストとしてもプロジェクトに参加する。2013年7月に「Best of my Love」でメジャーデビューを果たし、12月には配信限定の「Let It Snow」をリリースした。