最新の「矢野フェス」はミュージカル!?
──そして「歌うスタジオ」に続く今年2回目の「矢野フェス」が決定しました。
矢野 そうなんだよね。2DAYSを除けば、年に2回やるのは今回が初めて。メンバーはいつも通りというか、いつにも負けず豪華で。
──泰行さん、堂島さん、土岐さん、南波さん、NONA REEVES feat. 西寺郷太 & ZEUSというおなじみのメンバーに加え、「歌うスタジオ」から連続出場のBEYOOOOONDS、そして星屑スキャット、眉村ちあきさん、山崎エリイさん、X-GUNさん、さらにレジェンド枠で南佳孝さんと。BEYOOOOONDSは「歌うスタジオ」ではメドレーのみ生演奏でしたが、「本編もバンド演奏で聴いてみたい」という声がありました。
矢野 これはどこまで話していいんだろうな……一応バンドでやる方向で準備しています。セットリストもアツイです。
──おお、楽しみですね。先ほど話に出た「お嬢さんいらっしゃい」のコーナーはあるのでしょうか。であればぜひ眉村さんとの絡みが見てみたいです。
南波 いいですね。眉村さん、前にライターの南波一海さんに「地獄から来た南波志帆」ってキャッチフレーズを付けられていたみたいで。私もそれで知って、眉村さんに呼んでいただいてツーマンライブをしたり、そのあとラジオにも出演していただいたりで、どんどん魅力にハマりました。底抜けにハッピーで、赤ちゃんみたいに無邪気でかわいい方。
──BEYOOOOONDSや星屑スキャットもお嬢さんとして呼びたいですね。
堀込 不安になってきちゃったな(笑)。無邪気に受けちゃっていいのかな……。困ったら志帆ちゃんに助けてもらいます。
矢野 あとこれもどこまで話していいものかわかんないけど、今回は芝居をするんですよ。
堀込・小松 芝居!?
矢野 ミュージカルっていうか。今日はまだ台本は用意できてないけど……。
南波 台本!?
矢野 まあ(笑)、あのね、説明すると……(芝居のあらすじを説明)なんですよ。
南波 なるほど。だから「歌う王国」なんですね。
矢野 すごくメッセージ性に富んだ内容(笑)。
「矢野フェス」とはなんなのか?
──「歌う王国」開催に先駆けて、これまでの「矢野フェス」を振り返ってきましたが……改めて、出演者の皆さんにとって「矢野フェス」はどんなイベントですか?
堀込 なんだろう、自分だったら積極的にやらないことをやらされる場所。
一同 (笑)。
堀込 ただ、それを乗り越えると自分がひと回り大きくなるような。できることの引き出しが増えていくんですよ。小さい殻が1つずつ破れていくような感覚は毎回ありますね。それがソロで役に立ってるかはわからないけど(笑)、まあ、それもいいのかなと。主宰の矢野くんをはじめ、バンドのみんなや志帆ちゃん、スタッフまで勝手知ったる顔見知りだから、ムチャぶりにも応えやすい。完全アウェイな場所でまったく同じことをやれと言われても……。
矢野 それは嫌だよね(笑)。
堀込 「矢野フェス」はなんとかしてくれる人たちが周りにいるから。そういう自由さはほかにはないところですね。
小松 旧知の仲の人たちが集まっているというのが大前提だから、根本は「仲のいい人たちによる悪ふざけ」で、それはやっぱり楽しいですね。で、その楽しい中で音楽はしっかり楽しめるという。
南波 私は10代の頃から関わっているので、ずっと成長を見守ってきてくれた存在というか。親戚の集まりみたいな(笑)。皆さん、懐が深いんですよね。「矢野フェス」のあの空気感はほかでは絶対に味わえない。なんか全員ニヤニヤしてるんですよね。
矢野 ニヤニヤしてる(笑)。ニヤニヤはしちゃうよね、なんか。
南波 演者を見てもお客さんを見てもみんなニヤついていて。「矢野フェス」ならではの中毒性というか、多幸感みたいなものがありますよね。しばらく空くと禁断症状が出てきますもんね(笑)。誰でも受け入れてくれる器の大きさがあると思います。
──確かに、アイドルもいてレジェンドもいて、本来バラバラなはずのものが「矢野フェス」独特のムードと「上質なポップス」という要素でくるんで1つのパッケージとして成立しているような、受け入れる度量の広さを感じますね。
矢野 「矢野フェス」は、最初は、プライベートでも仲よくて、音楽的にもリスペクトし合ってる人たちが集まれる場所があるといいなと思って始めたんです。出てくれてる方々は、楽しむ気持ちと、真面目に音楽を届けたいという気持ちのバランスがみんないいんですよね。そのバランスがみんなの中にあるから、集合体としてほかにないものになってるんじゃないかな。回数を重ねることによってその空気感がより強くなって、新しいアーティストやジャンルや演出など、受け入れる間口が広くなってきたところはありますね。
堀込 多様性ですよ。今の言葉で言うなら「矢野フェス」はまさに多様性。
南波 あとは矢野さん自身のアイドル性が高くて、それが炸裂しているのが「矢野フェス」だと思います。
矢野 自分のことはわからないけど(笑)、出演者のアイドル性が浮き彫りになるというのはあるかもね。泰行が好きで観に来た人はより泰行のことが好きになって帰っていくだろうし、秦くんなんかもほかでは見られないような表情が見られると思うし。僕が考えるアイドル性みたいなものが炸裂しやすい磁場があるかもしれない。そういう空気感が育ってきた感覚は確かにありますね。音楽フェスだから音楽が素晴らしいのはもちろんなんだけど、主宰する側として「みんな愛すべき人なんだよ」と伝えたい気持ちがあって。「この音楽をやっている人たちは、こんなに素敵なんだよ」というところまで伝えたい。「矢野フェス」に通底するテーマがあるとしたら、そういう感じなのかなあ。
- uP!!!オンラインライブ YANO MUSIC FESTIVAL 2021
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配信日時:2021年10月2日(土)20:00~
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9月20日(月・祝)にZepp Tokyoで開催される「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌う王国~」の模様をuP!!!で配信!
<出演者> 堂島孝平 / 土岐麻子 / 南波志帆 / BEYOOOOONDS / 星屑スキャット / 堀込泰行 / 眉村ちあき / 南佳孝 / NONA REEVES feat. 西寺郷太 & ZEUS / 矢野博康 / and more
- 矢野博康(ヤノヒロヤス)
- 1970年12月24日生まれ、大分県出身の音楽プロデューサー / ドラマー。1997年に結成したバンドCymbalsで1999年にメジャーデビューを果たす。2003年のバンド解散後は音楽プロデューサーとして活動し、南波志帆のプロデュースや杏さゆり、安倍なつみ、花澤香菜、中島愛、平野綾、三森すずこ、牧野由依、Negicco、夢みるアドレセンス、桜エビ〜ず(ukka)ほか多数のアーティストの楽曲を手がけている。音楽フェス「YANO MUSIC FESTIVAL」の主宰者。
- 堀込泰行(ホリゴメヤスユキ)
- 1972年5月2日生まれ、埼玉県出身のシンガーソングライター。1998年に兄・堀込高樹との兄弟バンド・キリンジとしてメジャーデビューを果たし、「エイリアンズ」に代表される個性あふれる楽曲を多数世に送り出す。2013年4月のキリンジ脱退後はソロとして活動。2021年4月には最新アルバム「FRUITFUL」をリリースした。
- 小松シゲル(コマツシゲル)
- 1972年10月23日生まれ、長野県出身のドラマー。早稲田大学の音楽サークル「トラベリング・ライト」で出会った西寺郷太(Vo)、奥田健介(G)とともに結成したNONA REEVESで1997年11月にメジャーデビュー。バンド活動と並行し、ドラマーとしてさまざまなアーティストのライブやレコーディングに参加している。NONA REEVESは2021年9月に17枚目のオリジナルアルバム「Discography」をリリース。
- 南波志帆(ナンバシホ)
- 1993年6月14日生まれ、福岡県出身のシンガー。2008年11月、矢野博康プロデュースによるミニアルバム「はじめまして、私。」でデビューを果たし、透明感のある歌声で人気を博す。高いトーク力が買われ、2014年よりNHK-FM「ミュージックライン」のDJを務めている。デビュー10周年を迎えた2018年には初のベストアルバム「無色透明」をリリースした。