ヤングスキニー「BOY & GIRLS」発売記念|1年半で起きた10大“事件”に迫る (2/3)

【事件④】「ベランダ feat. 戦慄かなの」がストリーミングヒット

──戦慄かなのさんとのコラボ曲「ベランダ feat. 戦慄かなの」は2月に配信リリースされ、ストリーミングチャートの上位にランクインし、ミュージックビデオの再生数は700万回を突破しています。ここまでのヒットは予想していましたか?

かやゆー 戦慄さんに歌入れしてもらったとき、ある程度いろいろな人に届く曲になるんじゃないかと思ったと同時に、TikTokでたくさん使ってもらえる方法がないかなと考えて、家で倍速にしたバージョンを作ってみたんです。倍速音源を聴いたときは「これはけっこうTikTokで使われそうだな」と思いました。今はTikTokにいろいろな曲の倍速バージョンがありますが、当時はそこまでなくて。結果、倍速バージョンのほうがTikTokで使われて、いろいろな音楽の遊びができた曲ですね。一番面白かったのは、自分が作った曲に自分のではない歌声が入ったことで180度ぐらい印象が変わったことでした。

──ヤングスキニーにとって初のフィーチャリング曲がこれだけヒットすると、次のコラボへの期待が高まると思うんですが。

かやゆー 戦慄さんもそうですが、なるべく異質なジャンルの人と一緒にやりたいですね。そのほうが自分では想像できないような曲になると思うので。

【事件⑤】「ハナイチモンメ」作曲はゴンザレス

──これまで、ヤングスキニーのほとんどの楽曲はかやゆーさんが作詞作曲してきましたが、「ハナイチモンメ」の作曲を担当したのはゴンザレスさんです。

ゴンザレス 「ハナイチモンメ」はヤングスキニーがやってるYouTubeの企画の一環で作った曲ですね。僕はヤングスキニーに入るまでロックバンドはONE OK ROCKとSPYAIRくらいしか知らなくてアニソンとかボカロが好きだったんで、もともと好きだったボカロ系とヤングスキニーの世界観を合わせてできた曲です。

かやゆー まずギターリフがよすぎると思いました。僕が作った曲ではこういうアレンジはできないし、ゴンちゃんが書いたひどい歌詞を俺ががんばって書き直せば、いいアルバムのアクセントになるかなと思って完成させてみました。

ゴンザレス (笑)。もともとは「嫌い」っていう曲名で僕の嫌いな人の特徴をただ羅列しているだけの歌詞だったんですけど、ヤングスキニーっぽく書き換えてもらってめちゃくちゃいい曲になりました。

──このメロディラインは歌うのが難しかったんじゃないですか?

かやゆー はい。ライブではギターを弾きながら歌ってるんですけど、めっちゃムズいです。俺が普段使うようなコード進行じゃないから弾き慣れないし、早口で言葉が詰まってるパートでは頭がごっちゃになる。でも歌ってて面白いです。のちのちライブではギターを同期で流して、僕は歌うだけのスタイルに変えようと思ってます。

しおん 僕はゴンザレスくんにわがままを言って、ちょっとだけドラムソロを入れさせてもらったんです。楽器隊の見せ場がある曲になったのもうれしかったです。

りょうと ゴリゴリにスラップが入ってて「カッコいいな」「この曲やりたいな」と思う反面、「演奏できるのか?」という不安があって、「アルバムに入れる曲にしよう」と話がまとまったときは恐怖でしたね。

ゴンザレス 追い詰められてるじゃん(笑)。

りょうと (笑)。ライブではマジで仕上げないといけないですね。まだまだ課題があるのでがんばります。

【事件⑥】「不純愛ラブストーリー」MVの舞台は“かやゆーの部屋”

かやゆー 僕の部屋の動画や写真がSNSでめっちゃ出回ってたときにエゴサしたら「かやゆーが引っ越すなら、最後に自分の部屋を作品にしたら本当バンドマンだよな」というポストを発見したんです。そのときは「確かに作品にできたらオモロいけど、どういうやり方がいいかわかんないな」と断念したけど、「不純愛ラブストーリー」のMVを作るときにそのことを思い出して。「うちに連れ込んでやるぜ」という歌詞があるし、ちょうど引っ越すタイミングだったんで「このMVで使うしかない」と思い付きました。引っ越す前の部屋で好き勝手やればいいやと。それでMVを誰に撮ってもらいたいかと考えたとき、ジュウのMVみたいな雰囲気にしたいなと思って、彼の作品で監督しているジュウの髙浪(凌)さんに撮ってもらえないかとお願いしました。その後、一緒に飲みに行っていろいろと話したうえで方向性を固めていきましたね。

──4人がベッドの上で暴れまくってますけど、これは髙浪さんと相談する中で出てきたアイデアだったんでしょうか?

かやゆー はい。どうしてもセットの部屋だとどこか清潔感が出るし、どんなに汚くしても生活感が欠けるだろうなって。自分の家で撮れば、そこにいる自分はもちろん、観る人にとってもリアリティがあるだろうし、かやゆーの部屋という話題性も加わるしベストかなと思いました。

──MVには壁に貼られたフライヤーを豪快に剥がすシーンがあります。かやゆーさんが個人的に集めた大切なフライヤーかと思いますが……。

かやゆー 引っ越す予定がなかったらさすがにもったいないと思うんですが、引っ越すから別にいいやと思ってぐちゃぐちゃにしてやりました。

ヤングスキニー

ヤングスキニー

ゴンザレス そもそもかやゆーの家に行くのが初めてだったので、「ああ、これがあれね」みたいな感じで聖地巡礼してる気分でした。多分MVで観るより実際はもっと狭い部屋なんですけど、あの画角で4人が窮屈な感じで固まって暴れるからパンクで、すごくいいMVになったと思います。

しおん 僕もかやゆーくんの家には初めて行ったんですが、普段動画とかで観ていたからか“はじめまして”な感じがしなかった。

りょうと かやゆーにローションぶっかけられたんですけど、MVでは一瞬しか使われてなくて、かけられたことがわかりづらくて悲しかったです。

かやゆー 僕がマイク代わりにローションを使ってて、どうせ引っ越すんだったらりょうとくんの頭に全部かけてやろうと思ってやったんですが、みんな暴れ狂ってるから映像ではそんなに目立たなくて。ただ俺があいつに対して「インタビューでもっとしゃべれよ」とか、日々の鬱憤を晴らしただけになりました(笑)。