ナタリー PowerPush - 山根万理奈
もっと自由に!もっと貪欲に!インディーズで見つけた“新しい自分”
アルバム制作資金募集中です!
──先ほど“物乞い”という言葉が出たのでちょっと言いづらいのですが(笑)、山根さんは今、クラウドファンディングという新しい試みもスタートされたんですよね。
あははは。確かにすごい流れになっちゃいましたね(笑)。そうなんです。今、「MotionGallery」というサイトのクラウドファンディングというシステムを使ってアルバム制作の資金を募ってます。
──映画や音楽のクリエイターなどがプロジェクトのアイデアを提示し、それに賛同してくれた人から資金を調達するというシステムですよね。非常にマジメな試みです。
やっぱりインディーズになったことで活動的に厳しいところが出てきてしまったのは事実なんですよ。だけど、私にはありがたいことにライブを待ってくれてる人、音源を待ってくれてる人がいるし、私自身も活動を続けていきたいってすごく燃えてる時期でもあるので、この流れはどうしても止めたくないなって思っていて。そんなときにクラウドファンディングというシステムのことを知って、すごくいいなって思ったんです。最初はね、お金を出していただくことはすごく難しいと思ったし、そのシステム自体がまだ日本ではあまり浸透しているわけではなかったのでどうなんだろうってちょっと思いました。でも調べてみると、すごくあったかいムードで運営されているんですよね。
──うん。真剣にプロジェクトを実現させたい人の思いと、それを真剣に応援したい人の思いがつながり合う場所ですもんね。
はい。そもそも私はYouTubeへの動画投稿から出てきた人であって、いろんな人が観てくれて再生回数が増えたからこそデビューにたどり着けたと思ってるんです。だからみんなと一緒にここまでやってきた感がすごくあるし、ここからもみんなと一緒に進んでいきたい気持ちがすごく強い。だからこのクラウドファンディングというシステムも自分には合ってるんじゃないかなって思えたんですよね。支援していただいた方には金額によっていろんな特典を用意して、見合ったお返しをしていきます。山根万理奈のファンクラブというか、それに近しい形で進めていこうと思っているので、面白いなと思ってくださった方はぜひ乗っかっていただければなと思います。で、来年中にいい形でアルバムをリリースできればいいなって。
女優のお話もお待ちしております(笑)
──映画やクラウドファンディングなど新たな動きがある一方で、現在の山根さんはライブも精力的に行っていますよね。年間100本近い本数になるとか。
ライブは自分にとって大切な場所なので、これからもこのペースでやっていきたいなとは思っています。何回か行っている場所には顔なじみの方も増えてきているので、自分にとって帰る場所がどんどん増えている実感があるんですよね。
──メインはギター1本での弾き語りだそうですが、それ以外にもギターのサポートを入れたりバンドを従えたりとさまざまなスタイルでライブをしているんですよね。
はい。「好きで悩んでるわけじゃない」のリリースツアーでは、東名阪をバンドで回りました。バンドはバンドのよさがあるんですよね。バンドアレンジになれば自分の歌もそれに寄り添う形で変化しますし、いろんなバリエーションが出てくる。年内もまだまだライブがありますし、来年以降もいろんなスタイルでライブはどんどんやっていきたいなって思っています。
──弾き語りライブが増えたことで、ギターに対する思いで変化したところはあります?
あ、そこは一番変化があったところかも。YouTubeに投稿し出したときは、アカペラだとハードルが高いからやむを得ずギターを弾いてたところがあったんですよ(笑)。で、デビューしてからはライブでギターを弾く機会が増えたけど、まだ不慣れなところもあったから、なんとなくギターを愛しきれない自分がいたんです。でも、今は1人でステージに立つことや、ギターと一緒にいる日々が必然的に増えたので、すごく愛おしい気持ちになってきたというか。歌うための道具としてではなく、一緒にライブをする仲間と思える感じになってきたんですよね。それはすごく大きいことだなって思います。
──家にいるときも常にギターを弾いている感じですか?
そうですね。あいかわらず引きこもりなんですけど(笑)、部屋では常に一緒なんで弾く時間も多いですね。
──では、現状思い描いているライブに対する課題は?
課題かー。ギターに対する気持ちは変化したけど、スキル的にはまだまだなところがあるので、それは乗り越えなきゃいけないところだと思いますね。あとは、もっともっと皆さんにライブに足を運んでもらうためにはどうしたらいいのかっていうことは常に考えてます。今、来てくださってるお客さんが、また次も来たいと思ってくださるようなライブをすること、それが大きな課題だと思うので、これからも1本1本大切にやっていきたいなって。まあでも、ライブはとにかく楽しいですからね、その気持ちを忘れずにがんばっていきたいなって思います。
──ひさしぶりのインタビューになりましたが、今の山根さんがすごくいい表情をされていて安心しました。
あははは。そうですね。毎日楽しいです(笑)。
──最後にファンの方へのメッセージをお願いできますか。
はい。実はもうすでに次のリリースが決まっているんですよ。ついさっき決めたんですけど(笑)。バレンタインデーに「くすりゆび」というウエディングソングを配信します。この曲は自分が結婚するときに出したいなあって思ってたんですけど、そんなこと言ってるといつになるかわからないので(笑)、バレンタインというにぎやかな日に出そうと。そして、ライブは引き続きあるし、クラウドファンディングもあるし、映画もある。しっかりと地に足を付けながらがんばっていろいろなことをやっていくので、これからも山根万理奈という存在にぺたぺたとタッチしてもらえたらなって思いますね。あ、あと女優のお話もお待ちしております!(笑)
──あははは(笑)。
次はもっと早いペースで面白い話を持ってナタリーさんに戻って来たいと思いますので!
収録曲
- 努力の歌プランA
- あなたに
- へなへなん
- かくれんぼ
- 君へのなみだ
- 努力の歌プランB
- 冬の歌
- あたしの気持ち
- 星の見える晴れた夜に
- おやすみnight
- 君を好きになったんだろう
山根万理奈(やまねまりな)
島根県在住のシンガーソングライター。2009年よりYouTubeで、カバー曲やオリジナルの弾き語り映像を公開する。透明感あふれる声やおっとりしたキャラクターが注目を集める。その存在が現在所属する事務所スタッフの目に留まり、2011年6月に山音まー名義でニコニコ動画で人気を博している楽曲をカバーしたミニアルバム「人のオンガクを笑うな!」をリリースし、同年7月にワーナーミュージック・ジャパンからシングル「ジャンヌダルク」でメジャーデビューした。同年11月にカバーアルバム「ざっくばらん」で、自身のルーツとも言える名曲の数々を弾き語りで披露。2012年1月に「STAR e.p.」、3月に「スタートライン」という2枚のシングルを発表したのち、4月に満を持して1stフルアルバム「空な色」をリリースする。その後ワーナーを離れ、2013年5月にインディーズレーベルより「好きで悩んでるわけじゃない」を発表。年間100本を超えるライブを通じて着実にファンを獲得している。