山本彩×ライブナタリー特集|SCANDAL・HARUNAと16年ぶりに対面、阿部真央&ACIDMANからコメントも

山本彩のライブツアー「山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR『SYnergy』」が11月19日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)、27日に愛知・Zepp Nagoya、29日に大阪・Zepp Namba(OSAKA)にて開催される。「SYnergy」は山本とライブナタリーの共催のもと、東名阪のZeppを舞台に行われるツーマン企画。東京公演には阿部真央、愛知公演にはACIDMAN、大阪公演にはSCANDALが出演する。

ツアー開催に先立ち、音楽ナタリーでは山本と大阪公演に出演するSCANDALのHARUNA(Vo, G)による対談を実施した。山本がNMB48以前、“MAD CATZのSAYAKA”として活動していた頃の自分を知るHARUNAと腰を据えて話すのは16年ぶり。2人は似た境遇のガールズバンドとして出会った当時の思い出を振り返りつつ、互いの“音楽”に対する思いや、「SYnergy」への意気込み、さらには当日やってみたいことについても多岐にわたって語り合った。特集の最後には、阿部真央とACIDMANからのメッセージも掲載。2組からの質問に対する山本のアンサーを紹介する。

取材・文 / もりひでゆき撮影 / Kyutai Shim

公演情報

山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR「SYnergy」

「山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR『SYnergy』」ビジュアル

2024年11月19日(火)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
<出演者>
山本彩 / 阿部真央


2024年11月27日(水)愛知県 Zepp Nagoya
<出演者>
山本彩 / ACIDMAN


2024年11月29日(金)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
<出演者>
山本彩 / SCANDAL

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MAD CATZ以来、16年ぶりの再会

HARUNA こうやって直接お会いするのって何年ぶりですかね?

山本彩 たぶん私が中学生の頃、対バンでお会いして以来なので……16年経ってるってことですよね。

HARUNA そうですよね。そのあとに音楽番組とかですれ違ったりしたことがあったとは思うんですけど、こうやって対面してお話するのはホントに16年ぶりとかかもしれない。改めて今回、対バン相手に選んでいただいて、ありがとうございます。

山本 いえいえ、こちらこそありがとうございます。

左から山本彩、HARUNA。

左から山本彩、HARUNA。

──山本さんはNMB48への加入前、女子中学生3人で結成されたMAD CATZというバンドで活動されていて。その頃にSCANDALと対バンしたことがあるんですよね。

山本 そうですね、はい。

HARUNA まだ私たちもデビューする前だったので、2007年から2008年くらいかな。なんかね、その時代の話をしていいものなのかなって、ずっと気になってはいたんですよ(笑)。それこそ16年も前のことだし、彩ちゃんがNMB48に入られる前のことですから。

山本 その頃のことを話しちゃダメだと言われていたわけではないんですけど、わざわざ話す機会もなかったから触れてこなかったっていう。今日のこの対談で、みんな「あ、MAD CATZのこと話してもOKなんだ」って思うのかもしれない(笑)。

HARUNA あははは。私はこうやって改めてお話しできるのがすごくうれしいです。当時、何回くらい対バンしたんだろう? 回数にしたらそんなに多くはないと思うけど。

──ネットで調べたところ、2007年の4月頃にKYOTO MUSEで対バンしたことは確認できました。

HARUNA あー! KYOTO MUSEで対バンした記憶はめっちゃあります。

山本 そのとき、楽屋でちょっとお話させてもらったんですよね。ただ、そこでどんなことを話したのかとか、細かい記憶は全体的にぼんやりしてるんですけど(笑)。

HARUNA 私もぼんやりしてる(笑)。私たちメンバーとしては全然そんなこと思っていなかったんですけど、当時はなんとなくライバル的な見られ方をされていたところがあったんですよ。お互い、大阪のいわゆる芸能スクール内で結成されたバンドだったし、年齢も比較的近かったので。だから対バンをしても密にコミュニケーションを取ることもなく、「あー、また一緒だねえ」ってちょっとだけわちゃわちゃして終わる、みたいな感じで。中高生だったからライブ後にごはんに行ったりすることもまったくなかったし。

山本 そうですよね。深く交わり切らないままで。

HARUNA あの頃はいろんなバンドと対バンする機会があったけど、ほかのバンドと比べてMAD CATZにはものすごくシンパシーを感じていたんですよ。似た境遇を持つバンドとして一緒にがんばろうって気持ちで。

山本 私たちにとっても、SCANDALさんのことはいい意味で強く意識してました。ライブを拝見すれば、そこには刺激がめちゃくちゃありましたし。自分たちがまだカバーばかりやっていた時期に、SCANDALさんはすでにオリジナル曲をやられていたので、「私たちもこうなっていかなきゃな」って、いつも思ってましたね。“ギャルバンの先輩”という印象でしたから。

HARUNA でも、たぶん彩ちゃんたちのほうがインディーズデビューは早かった気がするんですよ。それが私たちとしてはすごくうらやましくって。「追いつかなきゃ!」って気持ちは、うちらも持ってました。

左から山本彩、HARUNA。

左から山本彩、HARUNA。

「SCANDALさんはそれを18年も続けてる」

山本 そこから16年かあ。実はバンドが解散して、私がNMB48に加入した頃、RINAさんがSNSのダイレクトメッセージをくださったんですよ。「対バンしたこと覚えてますよ」っていう内容だったんですけど。

HARUNA えー! それ知らない。初耳(笑)。

山本 あ、ホントですか? そうやって覚えてくださったことが私としてはものすごくうれしくて。でも、どうやってお返事しようかなって考えているうちに時間が経ってしまって、結局お返事せずに終わってしまったんです。だからこの場をお借りして、お詫びしたいなって。すみませんでした。

HARUNA あはは。そういうこともありますよ(笑)。私もずっと彩ちゃんのことは覚えてました。MAD CATZ時代の彩ちゃんはメンバーの中でも一番硬派でロックなイメージがあったから、NMB48でデビューすると知ったときはものすごい衝撃で。いろんな側面を持っているんだな、素敵だなと思って活躍する姿をずっと見てました。

山本 私もSCANDALさんのことはずっと見ていて。私たちのバンドは途中で終わってしまったけど、SCANDALさんはずっと形を変えずに活動を続けられていることが本当にすごいなと思ってました。自分もバンドをやっていたからこそ、そのすごさを強く感じることができるというか。

山本彩

山本彩

HARUNA スタートは彩ちゃんのバンドと同じような感じだったけど、私たちは本当に運がよかったというか。メンバー同士のバランスもよかったし、いろんな巡り合わせで出会った、周りの人たちの支えがあったからこそ長く続けてこられたんだと思います。でもね、私たちは結成からの18年間、同じメンバーで同じように音楽をやり続けてきたけど、彩ちゃんのようにキャリアをどんどん変化させていくのも本当にすごいことだと思うんです。たぶん、人生の分岐点みたいなものをいっぱい経験しているからこそ、そこでの学びは私たち以上にあるだろうなって。そこに対してのリスペクトがめちゃくちゃありますね。

山本 確かに自分でも「よくやってきたな」って思う瞬間もあるんですけど(笑)、私のソロとしての活動はまだ8年ほどですからね。その8年の活動の中でも、その都度いろいろな悩みがあったのに、SCANDALさんはそれをもう18年も続けている。私の悩みなんてとっくに通り超しての18年だと思うので、尊敬しかないし、私なんてまだまだ未熟だなって思っちゃいます。

HARUNA えー! 全然そんなことないですよ。

山本 いやいや、SCANDALさんがここまでに積み上げてきたものには、まだまだ全然届いていないなって思います。何かにつまずくたびに、「こんなペーペーがこんなとこでつまずいてたらアカン!」っていう気持ちになります。

HARUNA いやでも彩ちゃんはほんとにカッコいいと思います。ソロでのライブ映像を観せてもらったこともあるんですけど、ホントにカッコいい。全身で音楽を鳴らしているというか。これまでのいろいろな経験がちゃんと音楽につながっていて、それを全身全霊で表現されているっていうことがしっかり伝わってきて。

HARUNA

HARUNA

──山本さんとHARUNAさんはどちらもギターを弾きながら歌うボーカリストでもあるので、そこでのシンパシーも感じるのでは?。

山本 そうですね。私の場合はギターボーカルという感覚のほうが大きかったりするんですけど、HARUNAさんの場合は4ピースバンドのボーカリストという強いオーラがあって。もちろんギターも弾かれますけど、その前にボーカリストとしてのポジションで存在感を放たれているというか。そこがすごく魅力的だなって。実は私、バンドへの憧れが今もめっちゃあるんですよ。

HARUNA えー!

山本 ソロになってからはずっと同じバンドメンバーとライブをしているので、1つのバンド、ワンチームという気持ちではいるんですけど、SCANDALさんのように最初から同じ境遇を生きてきた同じ仲間とやるバンドってまた別のすごさがあると思ってて。そこで生まれた絆は簡単に築けるものではないと思うので、やっぱりすごく憧れちゃいますよね。ソロになってから最初につらいなと思ったのは、孤独なことでしたから。

HARUNA そうなんだ。

山本 物事を対等に考えられる仲間という存在は、楽しいことはもちろん、しんどいことも共有できるじゃないですか。もちろんバンドであっても、それぞれの孤独を持っているとは思うんですけど、やっぱり仲間がいるっていうことは心強いですよね。

HARUNA メンバーそれぞれの意見がある中でひとつの音楽をやらなきゃいけない、っていう難しさがバンドにはあると思うけど、メンバーからは自分にないアイデアがたくさん出てくるし、そこにはたくさんの刺激もある。それによって自分も日々、成長できていることを実感できるので、確かに私も「バンドっていいよな」って思いますね。