気合いの入った文化祭ライブシーン
──和やかな現場だったんですね。劇中、特にお気に入りのシーンはありますか?
吉田 私は文化祭でのライブシーンが好きですね。私にとってライブは日常生活の1つという感覚なんですけど、燐ちゃんにとってはこれが人生最後のライブなんです。だから私も自分のラストライブに挑む勢いで、気合いを入れて撮影に臨みました。
村上 緊張した?
吉田 うん、お客さんもいっぱいいたし。
村上 生徒役のエキストラの皆さんがかなり盛り上がってくれたので、こっちも負けじと演奏しました。僕も演奏シーンは全体的に好きですが、それ以外なら屋上のシーンかな。不器用な智が、屋上でゴネる燐に会いに行く場面なんですけど。実はあのシーン、撮ったのはクランクイン2日目くらいなんです。雨も降ってたのですが、スタッフさんががんばって雨を避けてくれる中で撮影して。けっこう長いシーンですが、あそこで2人が打ち解けていく感じがすごく好きですね。
──あのシーンには燐の女の子らしさが現れていますよね。劇中でお二人は多くの楽曲を演奏されていましたが、特に思い入れのある曲について教えてください。
吉田 やっぱり文化祭シーンの「蝉時雨ライダーズ」ですね。今でもあの曲を聴くとあの場面が蘇ってくるし、Primember(劇中で燐と智が同級生と結成するバンド)にとっても一番大事な曲なんじゃないかと思います。
村上 選びづらいですが、「グライダー」か「さよなら監獄教室」かな。「さよなら監獄教室」のシーンで智は似合わないサングラスをかけているんですけど、それがおかしくて。
村上虹郎の音楽事情
──智はバンドを結成することを夢見るギター少年でしたが、村上さんは普段どんな音楽を聴くことが多いんでしょうか。
村上 基本的に男臭いのが好きなので、竹原ピストルはずっと聴いてます。あとはなぜか今、THE BLUE HEARTSのブームが来ていたり。ジャズピアニストも好きで、キース・ジャレットを聴いてます。
──そうなんですね。楽器は以前から弾かれていたんですか?
村上 ギターは少しだけ。家にピアノがあったので、それを弾いたりはしていました。舞台をやるようになってからカラオケにも行くようになって。以前は好きじゃなかったのですが、カラオケに行くと体が温まることに気付いたんです。街中で大声で歌うわけにもいかないからいいなって、勝手に見直しました(笑)。
撮影中、一番支えてくれた存在
──撮影中、村上さんは円佳さんの歌声を間近で聴いてどんなことを感じましたか?
村上 映画の主人公は智ですが、やっぱりバンドを束ねる人、バンドの主人公ってボーカルじゃないですか。そういう意味では、燐が自分の前にいてくれる安心感は常にありました。もちろんプロだからっていうのはあると思うんですけど。
──ボーカル然として立ってくれていると。
村上 はい。Primemberの中には楽器が初めての方もいたんです。でも、僕らを見守ってくれるマネージャー役の加藤玲奈さん含め、本番ではちゃんと全員に一体感が生まれて。
吉田 短い時間だったけど、リハにも何度か入れたもんね。私もたんこぶちんのメンバー以外と演奏する機会はあまりないので、新鮮で本当に楽しかったです。それと皆さんと演奏したことで、改めて自分のバンドメンバーの大切さも実感して。10年バンドをやってきてこんなふうに1人でほかのフィールドに飛び出したのは初めてのことなんですけど、撮影中も一番支えてくれたのは彼女たちなんですよね。
共通点は「合唱」?
──ところでお二人は、学生時代に燐や智のように何かに夢中になって打ち込んだ経験はありますか?
吉田 私は高校生のときはすでにバンドでデビューしていたので、部活はやっていなかったんです。でも高3のときに文化祭で、1年生の出し物だった合唱の指導係をやったのはすごく楽しかったなあ。みんなが一致団結してがんばっている姿を見て、本番は感動しちゃいました。バンドとは違うところで青春を感じることができた、高校生活一番の思い出です。
──プロの指導なんて豪華ですね。けっこう厳しく指導されたんですか?
吉田 いや、「がんばろう!……とりあえず、がんばろー!」みたいな(笑)。
──まずはテンションを上げようと(笑)。村上さんはいかがですか?
村上 今の話を聞いて思い出しましたが、僕も中学のときに合唱をやりました。当時は沖縄にいたのですが、田舎すぎて全校生徒18人くらいの小さな学校で。でも沖縄って合唱コンクールが盛んで、どの学校ももれなくコンクールに出場するんです。周囲はどこも1クラス50人くらいいるのに、僕らは18人で出場して。アカペラで「Oh Happy Day」を歌ったなあ。あれは思い出ですね、苦労しましたが(笑)。
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ちゃんと練習して、皮を厚くしておいてください
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ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスが主催する多角型音楽オーディション。北海道在住者を対象とした「AREA CIRCUIT AUDITION in 北海道」といった地域を限定したオーディションや、歌モノのオリジナル楽曲を制作するソングライターを探す「The Songwriter STAR」といったオーディションなど、さまざまな切り口の音源募集を随時行っている。
- 「ニドナツバンド選手権 2017」
- 募集締め切り 2017年7月10日
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映画「二度めの夏、二度と会えない君」の公開を記念して開催されるバンドコンテスト。メンバー全員が同じ高校の軽音楽部に所属していることが参加条件となっており、優秀バンドの所属する軽音楽部にはヤマハの楽器が贈呈される。
- 映画「二度めの夏、二度と会えない君」
- 2017年9月1日(金)全国ロードショー
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- ストーリー
- 転校生・森山燐と、彼女に恋心を抱く男子高校生・篠原智。
「バンドを組んで文化祭で演奏する」という燐の夢を叶えるためメンバーを集めて奮闘する智だったが、燐にはある秘密があった。
- 監督:中西健二
- 脚本:長谷川康夫
- 原作:赤城大空「二度めの夏、二度と会えない君」(小学館「ガガガ文庫」刊)
キャスト
村上虹郎 / 吉田円佳 / 加藤玲奈 / 金城茉奈 / 山田裕貴 / 本上まなみ / 菊池亜希子
- たんこぶちん「二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember」
- 2017年8月30日発売 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ
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TYPE-A [CD]
1500円 / YCCW-10309 -
TYPE-B [CD]
2300円 / YCCW-10310 -
TYPE-C [CD+DVD]
2500円 / YCCW-10311/B
- たんこぶちん
- 2007年、佐賀県唐津市の同じ小学校に通うMADOKA(Vo, G)、YURI(G)、CHIHARU(Key)、NODOKA(B)、HONOKA(Dr)が結成したガールズバンド。2013年1月ヤマハ主催の「『The 6th Music Revolution』JAPAN FINAL」優秀賞獲得をきっかけに、同年7月シングル「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビューした。2017年2月発売の最新シングル「遠距離恋愛爆撃ミサイル」まで3枚のシングル、4枚のアルバムをリリース。MADOKAこと吉田円佳は、同年9月より全国ロードショーの「二度めの夏、二度と会えない君」で映画初出演を果たす。
- 村上虹郎(ムラカミニジロウ)
- 1997年3月17日生まれ。東京都出身。2014年、河瀨直美が監督した第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作「2つ目の窓」に主演し俳優デビュー。その後「忘れないと誓ったぼくがいた」「ディストラクション・ベイビーズ」に出演。2015年に実写版スペシャルドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」にてドラマ初主演を果たす。同年「書を捨てよ町へ出よう」で舞台初出演にして初主演を飾った。2017年は「二度めの夏、二度と会えない君」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「Amy said」などの公開が控える。