昨年8月より実施されているヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス主催のオーディション「Yamaha Music Audition」。音楽ナタリーではこのオーディションを盛り上げるべく連載型の特集を展開している。

第4回となる今回は、全国の高校生を対象としたバンドコンテスト「ニドナツバンド選手権2017」を特集。コンテストの課題曲は9月1日より全国ロードショーの映画「二度めの夏、二度と会えない君」の劇中歌「遠距離恋愛爆撃ミサイル」で、同曲は映画に出演しているMADOKA（Vo, G）こと吉田円佳率いるたんこぶちんの最新ナンバーだ。コンテストの最終審査は8月24日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われ、優秀バンドの所属する軽音楽部にはヤマハの楽器が贈呈される。

映画「二度めの夏、二度と会えない君」は赤城大空による同名ライトノベルの実写化作品。吉田円佳演じる転校生・森山燐と、村上虹郎演じる彼女に恋心を抱く男子高校生・篠原智がバンドを組むことからストーリーが始まり、タイムリープを体験した智が過去をやり直そうと奮闘する姿が描かれる。

音楽ナタリーでは今回が映画初出演となった吉田と、本作で主演を務めた村上にインタビューを実施。映画にまつわる話はもちろん、コンテストに応募する高校生たちに期待すること、そしてそれぞれが考える「ロックバンドの魅力」について語ってもらった。

取材・文 / 大橋千夏　撮影 / 上山陽介
スタイリスト（村上虹郎） / 松田稜平　ヘアメイク（村上虹郎） / 高草木剛

何事にも全力な燐、終始悩みがちな智

──まずは完成した作品をご覧になった率直な感想を教えてください。

吉田円佳　バンドって青春だなって思いました。私自身ずっとバンドで活動しているんですけど、登場人物みんなを応援したくなる作品だなって。それと私は今回が映画初出演だったので、自分や自分たちの歌がスクリーンから流れてくること自体、とても不思議な感覚でした。

村上虹郎　僕が演じた智は劇中、終始悩んでいるキャラクターなんです。対して円佳さん演じる燐はずっと輝いていて、その対比がいい塩梅になってます（笑）。

──確かに、円佳さん演じる森山燐は天真爛漫で何事にも全力なキャラクターであるのに対して、村上さん演じる篠原智は思いを伝えることが苦手な男の子で、対照的な役柄でしたね。

吉田　燐ちゃんと私の共通点を挙げるとすれば、ただただ明るいところです（笑）。でも、いつもまっすぐでときには周りも見えないくらいに突っ走る彼女がうらやましくもありました。私はためらってしまった結果、あとから後悔することも多いので。

村上　燐はやっぱり映画のヒロインですし、ストーリーを動かすエンジンでもあるし、女神みたいな存在で。僕も燐のキャラクターはうらやましいですね……でも、普段から燐と同じくらい明るいんだ？

吉田　え？ まあ、ちょっとね（笑）。

村上　ははは（笑）。バンドを率いるボーカルだもんね。

ガールズトークに茶々を入れる山田裕貴

──ただ、燐は病を抱えた難しい役柄でもあったと思います。

吉田　撮影に入る数カ月前からレッスンをしていただいたんですけど、演技については何もかも初めてだったので、何もわからなくて。だから原作を読んで感動したそのときの気持ちを大切に、あまり深く考えずにやろうと思っていました。

──村上さんから円佳さんに何かアドバイスをされたりは？

村上　いやいや、おそれ多いです（笑）。

吉田　村上さんとは今回が初対面だったんですけど、とてもフレンドリーに接してくれて。おかげで楽しかったです。

村上　スタッフさんは年配の方が多かったのですが、キャストは女性が多くて。だから女性陣はけっこう、ガールズトークで盛り上がっていたのかな。そこに山田裕貴くんが茶々入れにいったりね。

吉田　そう、山田さんがめっちゃ盛り上げてくれて。

村上　山田くん、夕方になるとヒゲが伸びてきちゃうんです。それを見てみんなで「高校生じゃなくて先生やん！」って突っ込んだり（笑）。