音楽ナタリー Power Push - YALLA FAMILY × PES(RIP SLYME)

飲み友達から始まった2組が届けるアンセム

キャラが丸出しのソロ曲

Haku あと今回、初めてMC3人のソロ曲を入れたんです。そこでは各自のキャラが丸出しで。

──50caliberさんのソロ曲「The Only One」は大多数の人がルックスとのギャップに驚くでしょうね。

50 あはは(笑)。ラップしてないですからね。

──しかも内容は一途な思いをつづった激甘ラブバラード。

50 僕はプチ恋愛体質で、しょっちゅう一目惚れしたり落ち込んだりするんですよ。

PES 気持ち悪いよ(笑)。

WEZ

──WEZさんのソロ曲「Summertime」はトロピカルハウスならぬ、トロピカルヒップホップという趣ですよね。

WEZ 夏頃にアルバムが出るということがわかったので「夏の曲を作ろうかな」って。トラックも自分で作って、録音も全部自分でやって、自分らしさが出せたかなと思ってます。

──Hakuさんの「今日はどこのParty?」は、ちょっと緩めのグルーヴが気持ちいいナンバー。

Haku 俺は最近、バンド(The Anubiz Band)も始めたので、新しいチャレンジとしてベースを弾きながらラップしてるんです。ソロ曲もそうだし、PESくんとの「胸騒ぎアンセム」もベースは俺が弾いてます。Dragon Ashをはじめ、ロックバンドと一緒にツアーを回らせていただいているので、演奏の部分も負けてらんねーなと思いますね。いずれYALLAの音もバンドでやっていければいいなと思ってるんです。

PESさんから見た4人

──PESさんから見た4人の性格やキャラはどんな感じですか?

PES(RIP SLYME)

PES Hakuはとにかく熱いんですよ。マジメで前向きで、どんなライブの会場でもとにかく前に立って、お客さんにコミットしていこうとする姿勢がすごくいい。WEZはマイペースっぽいんですけど、意外とその場に合わせてクールに自分をコントロールしていくところがあって。で、50は自分がどうカッコよく見えるか、そればっか考えてる。

50 あははは!(笑)

Haku よく見てるなー(笑)。

PES けどそれが50のいいところだと思ってて。50は一旦自分の世界に入ると、バシッとそれをお客さんに見せていくから。で、I.Oくんはそういう3人を「よしよし、がんばれよ」って後方から見てる。それはウチのDJ FUMIYAとわりと似てるかな。制作のときは自己主張があると思うんですけど、ライブでは3人のラッパーを静観してドンとしてるっていう。

Haku いやー、本当よく見てるわ。

PES で、最近のYALLAのライブを観てると、そういう4人のバランスが、超噛み合ってるんですよ。本人たちのキャラとヤル気とお客さんの熱が噛み合って雰囲気がすごくいい。

「胸騒ぎアンセム feat. PES」ができるまで

──コラボ曲「胸騒ぎアンセム」はPESさんがプロデュースも担当しています。PESさんにプロデュースを依頼した流れから教えてください。

I.O 個人的に俺はPESくんの曲の作り方が好きなんです。自分と似てるなって思うところもあるし、自分に足りないところもあって、だからこそ側で見て参考にしたいって思ってて。そこから「みんなで仲よくPESくんと曲を作ってみたいよね」っていう流れになったんです。

50caliber

50 PESくんはスキルがあるから一緒にやってみたかったんですよね。さっきPESくんがウチらのことをいろいろできるって言ってくれたけど、PESくんこそ、速いロックもできるし、アコギのゆっくりした感じもできるし、ラップも歌も、いろいろできる。もともと俺はそういうスタイルをずっと目指してたんですよ。じゃあPESくんにお願いすれば早いじゃんって。

PES いざ作るとなると、何を作ったらいいかわからなくて難しかった。最初は本当に「何しよう?」「どんなの作ろう」って思ったから。

I.O ウチらはスーパー自由だから困ったでしょ?(笑)

──2組共音楽性が幅広くてどんなタイプの曲も乗りこなせちゃうから、お互いのどこを擦り合わせるか、フォーカスを絞りづらいっていう。

PES そうなんですよ。自分の中ではYALLAはパーティチューンがすごく上手なグループだと思ってるけど、でも個人個人のアイデンティティを打ち出していく曲もけっこうあるから、どこに焦点を当てようかって。で、最初、もっとパーティっぽいというか、The Black Eyed Peasの「Joints & Jam」みたいな感じのギターの曲を送ったんだけど、そしたら「もうちょい違うヤツ」って言われて。

──後輩からダメ出しが入って(笑)。

DJ I.O

PES そう(笑)。じゃあもっとロックっぽい感じかなと思って、ちょっと変なコードでロックっぽいシンプルなトラックを作ったんです。そしたらそこにI.Oくんがビートを付けたものが返ってきて。

I.O イメージ的には、僕が1990年代に聴いてたPESくんの曲のイメージ。PESくんのギターをメインにしつつ、そこにブレイクビーツっぽいドラムと新しめのシンセを足してっていう感じでビートを作ったんです。

PES でもそれはそれで歌詞では何を歌えばいいんだろうと悩んで。とりあえず胸騒ぎがするパーティチューンで、でもなんか切なさというか、男の哀愁がある感じかなと考えてたら、WEZがウエスタンっぽい感じのリリックを書いてきて。その“さすらってる”感じがいいなと思って、そこに焦点を当てた曲にしたんです。

YALLA FAMILY ニューアルバム「FEEL」/ 2016年8月3日発売 / 2000円 / UNITY / UNY-1003
「FEEL」
収録曲
  1. Intro ~日の出~
  2. FEEL
  3. かぞくの唄 ~Family Anthem~
  4. PISCO
  5. Want Me?
  6. 胸騒ぎアンセム feat. PES(RIP SLYME)
  7. 今日はどこのParty?(Haku the Anubiz)
  8. どうする? ~in the greed city~
  9. Summertime(WEZ)
  10. Chill Out
  11. YELLOW ~つぼみたちの応援歌~ feat. JiLL
  12. Y.O.U ~you're one of us~
  13. The Only One(50caliber)
  14. 夕焼け
  15. Outro ~帰り道~

[Bonus Track] FEEL(English Version)

RIP SLYME ライブBlu-ray / DVD「RIP SLYME Tour of Ten FINAL at BUDOKAN」/ 2016年7月13日発売 / Warner Music Japan
「RIP SLYME Tour of Ten FINAL at BUDOKAN」
Blu-ray / 6264円 / WPXL-90128
DVD / 5184円 / WPBL-90392~3
収録内容

Tour of Ten(@日本武道館 2016.01.10)

  1. Powers of Ten
  2. JUMP with chay
  3. POPCORN NANCY
  4. 楽園ベイベー(DJ Fumiya Remix)
  5. SCAR
  6. KINGDOM
  7. メトロポリス
  8. だいたいQuantize
  9. Rock it!
  10. TOKYO STOMP
  11. STEPPER'S DELIGHT
  12. AH! YEAH!
  13. 気持ちいい for Men
  14. 黄昏サラウンド
  1. One
  2. 青空
  3. いつまでも
  4. Happy Hour
  5. ピース
  6. SLY
  7. Vibeman feat. 在日ファンク
  8. JOINT
  9. 時のひとひら

<アンコール>

  1. Super Shooter
  2. 熱帯夜
  3. この道を行こう

FESTIVAL LIVE FILMS

  • 「運命共同体」from ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2001(08.05)
  • 「GALAXY」from FM802 MEET THE WORLD BEAT 2004(07.22)
  • 「雑念エンタテインメント~Hot chocolate~BLUE BE-BOP~SPEED KING」from COUNTDOWN JAPAN 08/09(12.31)
  • 「ジャングルフィーバー」from 京都音楽博覧会 2013(09.22)

ORIGINAL SHORT MOVIE

  • SHOCK THE RADIO(TV)

MUSIC VIDEOS

  • この道を行こう
  • ピース
  • POPCORN NANCY
  • JUMP with chay
  • Special Mix Movie of Making 3 Music Videos

Tour Of Tenオーディオコメンタリー

YALLA FAMILY(ヤラファミリー)
YALLA FAMILY

50caliber(MC)、Haku the Anubiz(MC)、WEZ(MC)、DJ I.O(DJ)からなる、音楽とファッションを融合させたエンタテインメントグループ。アメリカ・ロサンゼルスで同じ音楽性、似ている感性、異なる個性を持った4人が出会い、2007年にグループを結成した。結成と同時に共同生活を始め、トーランス、ハリウッド、ダウンタウンを拠点に音楽活動を行う。2008年にはA.I.のLA凱旋公演のオープニングアクトに抜擢されたほか、アメリカのプロデューサー・フィンガズのコンピレーションアルバム「NEXUS」のメインアーティストに起用された。その後、個々の可能性を高めるためソロ活動に徹し、2011年1月に日本で活動を再開させる。東京・DIX AZABUを本拠地とし、レギュラーイベント「YALLA PARTY」をオーガナイズしながら、日本各地でライブ活動を展開。2014年1月に1stフルアルバム「BEGINNING」を、同年11月に2ndアルバム「DREAMER」を発表した。2016年8月に3rdアルバム「FEEL」をリリースした。

RIP SLYME(リップスライム)
RIP SLYME

RYO-Z、ILMARI、PES、SU、DJ FUMIYAからなる4MC&1DJヒップホップユニット。1994年に結成され、2001年3月にシングル「STEPPER'S DELIGHT」でメジャーデビュー。その後2ndアルバム「TOKYO CLASSIC」がミリオンヒットを記録する。さらに国内のヒップホップユニットとして初めての日本武道館ワンマンライブを行い、日本にヒップホップ文化を広く浸透させた。2010年には、メジャーデビュー10年目を記念しベストアルバム「GOOD TIMES」とカップリングベストアルバム「BAD TIMES」を発表。2015年9月には通算10枚目のオリジナルアルバム「10」をリリースした。2016年3月には映画「珍遊記」のオープニングテーマとエンディングテーマを収録したシングル「Take It Easy」をリリースするなど、絶えず精力的に活動している。